松崎敏朗
2015年4月4日10時12分
東京都福生市の観光名所でもある、イラストレーターや俳優などで知られるリリー・フランキーさんの描いた壁画が、道路の拡幅で取り壊される可能性が出てきた。
壁画はJR青梅線福生駅東口から徒歩5分の飲食店街にある。2階建ての店舗の壁一面に、金髪で裸の女性やアロハシャツを着た男性、子どもを抱いたキリストなどが描かれている。リリーさんのエッセー「美女と野球」には、制作当時のエピソードが記されている。1990年ごろの真夏に10日以上泊まり込み、近くにある米軍横田基地の黒人兵士から迫られ、米国のジャズトランペット奏者マイルス・デイビスまで盛り込んだという。
壁画はリリーさんの作品として、地元の名所を取り上げる市の観光パンフレットにも紹介されるなど、いわば福生のシンボルの一つになっている。
だが、この壁画に沿って通る道路はJR福生駅東口から横田基地方面に延び、産業道路や国道16号に接続し、交通量が多い。小学生の通学路でもあるが、歩道が整備されていない。そこで市は利便性と安全性を高める目的で、道路の拡張を考案している。
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