【北京=島田学】中国の国営新華社によると、胡錦濤前政権で軍制服組トップの中央軍事委員会副主席を務め、巨額収賄などで失脚した徐才厚氏が15日、がんによる多臓器不全で死去した。71歳だった。2013年から患っていたぼうこうがんが全身に転移していたという。軍事検察院が収賄罪で起訴手続きを進めていたが、徐氏死去を受け不起訴を決めた。
徐氏は、習近平指導部の進める反腐敗運動が標的にした「大物」の一人。14年6月に収賄などの容疑で党籍を剥奪され、10月には職権乱用や巨額収賄といった取り調べ内容が公表された。徐氏はすでに収賄などの事実を認めていたという。
国営新華社は、徐氏の収賄罪はすでに証拠十分で刑事責任は追及されるべきものだったとした。収賄による所得は法に基づき没収される。
徐氏は1943年6月、中国遼寧省生まれ。中国陸軍の済南軍区政治委員などを務め、04~12年に制服組トップにあたる中央軍事委副主席を務めた。
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