青函トンネル:特急から煙、乗客124人避難…床下で火花

毎日新聞 2015年04月03日 21時29分(最終更新 04月03日 22時12分)

青函トンネルから乗客を救出するため、消防車などが昇降ルートのある「青函トンネル記念館」に集まった=青森県外ケ浜町三厩の青函トンネル記念館で2015年4月3日午後8時25分、石灘早紀撮影
青函トンネルから乗客を救出するため、消防車などが昇降ルートのある「青函トンネル記念館」に集まった=青森県外ケ浜町三厩の青函トンネル記念館で2015年4月3日午後8時25分、石灘早紀撮影
列車の停車場所
列車の停車場所

 3日午後5時15分ごろ、北海道と青森県を結ぶ青函トンネル(全長53.85キロ)で、走行中の函館発新青森行き特急スーパー白鳥34号(6両編成)から煙が上がり、旧竜飛(たっぴ)海底駅から青森側約1キロ地点で緊急停車した。乗客124人は避難場所となっている同駅まで歩いて避難した。JR北海道が詳しい原因を調べている。トンネル内の事故で乗客が避難したのは、1988年の開通以来初めて。

 JR北によると、乗客から車掌に「煙を見た」との通報があった。調べたところ先頭から2両目の5号車で異臭がして、床下モーター付近で火花が出ているのを確認。運転士が停車させ、午後5時半ごろに消火器で自力消火したという。

 旧竜飛海底駅は青森県外ケ浜町の海面下約140メートル地点にある。乗客は地上と駅構内の778メートルを結ぶケーブルカーで救出された。

 車両は2002年製。3日朝の点検で異常は無かった。旧竜飛海底駅を通過した際も、煙や温度の異常は検知されなかったという。

 このトラブルに伴い、青函トンネルを通る海峡線は終日運転を見合わせ、後続の特急など8本が運休した。

 竜飛海底駅は青函トンネルの開通時に設置されたが、来春開業予定の北海道新幹線建設に伴い14年3月で廃止された。

 青森地域広域消防事務組合消防本部によると、現地対策本部を設けた地上口付近で避難者の体調などを確認。78歳の女性を外ケ浜町内の病院に搬送したが、詳細は不明という。

 同消防本部はJR北海道から午後5時36分に連絡を受け、消防車両13台を出動させた。【鈴木勝一、久野華代、野原寛史、江連能弘】

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