川村直子
2015年4月3日12時19分
津波から逃げることの大切さを歌う「スタコラ音頭」が、東日本大震災で被災した岩手県釜石市で広まっている。歌に踊りをつけたのは、4度の津波を経験し、仮設住宅に暮らす88歳の女性。「次の世代に伝えたい」と話す。
地震だ強いぞ津波が来るぞ 悔しいけれど津波にゃ勝てぬ 命があっての物種よ スタコラサッサと逃げましょう
歌いながら軽快に三味線を奏でるのは伊藤艶子(つやこ)さん。13歳で芸者の道に入り、今も声がかかれば座敷に上がる。
1926年生まれ。6歳で起きた昭和三陸津波では、母の背におぶさり高台の小学校へ逃げた。60年のチリ津波は、市役所の屋上に避難。68年の十勝沖地震津波は、出稽古先の宮古市で遭遇した。
東日本大震災では、6歳の時と同じ小学校へ避難した。あまりの揺れに腰が抜け、玄関まで這(は)って出て座り込んでいたところ、通りかかった人に「そんなことしてられないよ」と背負われた。
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