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地域を越えた柔軟な送電網に

2015/4/3付
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 地域を越えて電力をやりとりするための司令塔になる新組織が発足した。政府が段階的に進める電力市場改革の最初の措置で、改革はいよいよ実行段階に入る。

 電力改革は多様な事業者の参入を促すと同時に安定供給を保つことが不可欠だ。新組織の始動を機に地域ごとに分断されてきた送電網を全国規模で一体運用し、電力を必要とする場所に柔軟に送る体制に変えていかねばならない。

 発足した「電力広域的運営推進機関」は既存の電力会社だけでなく、新規参入の事業者もすべて加盟が義務付けられる。

 全国の電力需給や発電所の運転状況を監視し、需給の逼迫時に余裕のある場所から足りない場所へ送電を指示したり、発電所の出力を増やしたりするよう指示する。従わない事業者には制裁金を科すなど強い権限を持つ。

 送電線の整備も重要な役割だ。電力会社が提出する需給見通しや発電所の建設計画をもとに、全国の送電線の新増設計画をつくる。

 東日本大震災直後、関東では地区ごとに時間を分けて電気を止める計画停電に追い込まれた。西日本に供給余力がありながら、東日本に送る送電設備の容量が足りなかった。

 全国で電力を自在にやりとりできる送電網につくりかえていかねばならない。地域間を結ぶ既存の送電網をもっと使えないか。まず運用を見直すことが必要だ。

 風力発電の適地は北海道や東北に集中するが、東京など大消費地に届ける送電線が足りない。増強は再生可能エネルギーなど多様な電源を活用するためにも急務だ。

 ただし広域機関が整備計画をたてても、実際に建設するのは電力会社の送電部門だ。建設には多額の費用がかかる。コスト増は電気料金を押し上げる要因にもなる。

 この費用を誰がどう分担するのか。調整は簡単ではない。増強が滞り、供給に支障が出るようでは電力改革は台無しになる。送電網の整備を円滑に進める仕組みを早急に整える必要がある。

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