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イラン核問題 米大統領「歴史的な理解」
4月3日 7時19分

イラン核問題 米大統領「歴史的な理解」
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イランの核開発問題を巡って、最終的な解決に向けた枠組みで合意したことについて、アメリカのオバマ大統領は日本時間の3日午前3時半ごろ、ホワイトハウスで声明を発表し、「イランの核兵器の保有を阻止するために歴史的な理解に至った。数か月の交渉の末に、枠組み合意に達し、これは、われわれの主要な目的にかなったすぐれた合意だ」と述べて、合意内容を評価しました。
そして、オバマ大統領は、「最終合意に達すれば、アメリカや同盟国、そして国際社会はより安全になると確信している。交渉はまだ終わっていない。最終合意によって、われわれの安全保障にとって最大の脅威の一つを解決できるのだ」と述べ、ことし6月末までに、最終合意の実現を目指す考えを強調しました。
一方、オバマ大統領は、「これはオバマ政権とイランとの間の合意ではなく、イランと、世界の主要国との間の合意だ。仮に議会が合意を台なしにすれば、外交的な失策だとアメリカは非難され、国際社会の結束は崩壊し、軍事衝突の可能性が広がるだろう」と述べ、オバマ政権の交渉姿勢への非難を強める野党・共和党をけん制しました。
さらに、オバマ大統領は、イランの核開発問題に強い懸念を示すイスラエルのネタニヤフ首相に対して、このあと、電話で会談して説明する意向を示したほか、イランと対立するサウジアラビアなど湾岸のアラブ諸国の6か国の首脳を近く、アメリカに招待して、核開発問題や中東の諸問題を話し合う考えを示しました。

イラン外相「交渉の成果強調」

イランのザリーフ外相は、2日、共同声明の発表を終えたあと、1人で記者会見を行いました。
その中で、ザリーフ外相は、「重要な仕事を成し遂げた。双方にとって有益な結果で、大きな前進だ」と成果を強調しました。
また、「私たちの核施設は1つも閉鎖されない。ウランの濃縮活動も核関連の研究や開発も続けていく」として、決められたルールのもとで、今後も核開発を進めていくと述べました。
そのうえで、「イランが約束を守ることで、アメリカやEUの制裁は解除されることになる。これによって、これまでの悪い流れを断ちきることができる。このプロセスの最後に、私たちは、交渉で問題を解決できることを証明したい」として、6月の最終合意に向けて意欲を示しました。

フランス外相「まだ道半ば」

フランス外相「まだ道半ば」
イランの核開発問題を巡り最終的な解決に向けた枠組みで合意したことを受けて、交渉に参加していたフランスのファビウス外相は2日、フランスのテレビ局のインタビューに対し、「合意は間違いなくよい進展だが、合意の実現を目指すことしの6月30日までにまだすべき仕事が残っている」と述べ、長期間にわたる交渉の末に各国が合意に至ったことを歓迎しつつつも、慎重な見方を示しました。
その理由としてファビウス外相は、イランがもし合意内容に反する行為を行った場合に再び制裁を科す仕組みや条件が明確でないことなどを挙げていて、協議はまだ道半ばであるとの認識を示しています。

イスラエル「現実とかい離した笑顔」

イランの核開発を安全保障上最大の脅威と位置づけるイスラエルのシュタイニッツ戦略担当相は、枠組み合意の発表を受けて声明を発表し「ローザンヌでの数々の笑顔はイランの核開発がイスラエルや中東諸国を変わらず脅かし続けているというひどい現実からかい離したものだ。最終的にイランの核武装化を許すような悪い取引が行われないよう、イスラエルは引き続き世界を説得し続ける」とする声明を発表しました。
また、ネタニヤフ首相は枠組み合意について今のところ、反応を示していません。

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