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条件緩和で女児に補助人工心臓の手術
4月2日 18時49分

条件緩和で女児に補助人工心臓の手術
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重い心臓病の子どもの心臓の働きを助ける、補助人工心臓の使用条件が今月から緩和され、大阪の国立循環器病研究センターで生後10か月の女の子が手術を受けました。この人工心臓を巡っては、ことし1月、脳死と判定され臓器を提供した女の子の両親が、多くの患者が使えるよう対応を求めていました。
国立循環器病研究センターによりますと、手術を受けたのは、九州地方に住む生後10か月の女の子で、心臓の「左室」という部分の筋肉が正常につくられない左室緻密化障害という重い心臓病のため、心臓や肺の機能が悪化しているということです。
1日行われた手術では、女の子に対しドイツ製の子ども用の補助人工心臓が着けられ、女の子の容体は安定しているということです。この人工心臓は、欧米では10年余り前からおよそ1500例使われていますが、国内では臨床試験が行われている段階で、これまでは、心臓移植の待機患者として登録していることや、心臓などの働きを助ける別の装置を10日以上着けていないことなどが使用する条件になっていました。
ところが、この人工心臓を使えないまま、ことし1月、大阪大学附属病院で脳死と判定され、臓器を提供した6歳未満の女の子の両親が、多くの患者が使えるよう対応を求め、臨床試験を行う医療機関は、1日から条件を緩和しました。
手術を行った国立循環器病研究センターの市川肇小児心臓外科部長は「対象が広まったことで人工心臓を着けることができた。根本的な治療ではないが、心臓移植を受けるまでのつなぎになる」と話しています。女の子は今後、心臓の移植手術を受ける準備を進めるということです。

「もっと早く対応してくれていれば」

ことし1月、脳死と判定され、臓器を提供した東海地方の6歳未満の女の子の両親は、子ども用の補助人工心臓を多くの患者が使えるよう条件の緩和を求めていました。
条件が緩和され、幼い女の子が補助人工心臓を着ける手術を受けたという知らせを聞いた女の子の母親は「私たちの要望を受けて、すぐに対応してくれたことはとてもありがたく思いますが、もっと早く対応してくれていれば、娘は助かったかもしれないという思いはあります。補助人工心臓はあくまでも一時的なものなので、子どもが移植手術を受けられるよう理解をもっと広めてほしいです」と話しています。

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