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<ケニア>大学襲撃70人死亡 人質救出作戦で4容疑者殺害

毎日新聞 4月3日(金)1時0分配信

 【ヨハネスブルク服部正法】ケニアからの報道によると、同国東部ガリッサで2日、武装集団が大学を襲撃した。AFP通信は内務相の話として、70人が死亡したと伝えた。負傷者は65人との情報がある。隣国ソマリアのイスラム過激派アルシャバブの報道担当はAFP通信に「イスラム教徒を逃がし、他の生徒を人質に取った」との犯行声明を発表、キリスト教徒を狙った襲撃を示唆した。多数の学生を人質に取って構内に立てこもる武装集団に対し、治安当局は救出作戦を展開中とみられる。

 AFP通信によると、アルシャバブは「仲間は構内で戦っている。彼らの目的はアルシャバブに刃向かう者を殺すことだ」と話した。また、「ケニアはソマリアと戦争状態にある」と主張。ケニア軍がアフリカ連合の一員としてソマリアで軍事作戦に参加していることを非難した。

 一方、ケニア当局は事件の首謀者としてアルシャバブ幹部、モハメド・クノ容疑者を特定し、2000万シリング(約2600万円)の懸賞金をかけた。

 武装集団は5人程度との情報がある。当局の人質救出作戦でうち4人が殺害され、1人が拘束されたと伝えられている。夜明け前に入り口で警備員に発砲し、構内に侵入した模様だ。当時、学生らは構内の寄宿施設で寝ていたとみられる。

 治安当局は大学構内を取り囲んでいる。ロイター通信によると、寄宿舎にいた可能性がある815人の学生のうち、当局は280人の消息を確認したという。

 アルシャバブは国際テロ組織アルカイダと連携するイスラム過激派。ケニア軍は2011年10月、アルシャバブ掃討のためソマリアに介入した。アルシャバブは13年9月にはケニアの首都ナイロビで高級商業施設を襲撃し、買い物客ら67人が死亡した。

最終更新:4月3日(金)1時50分

毎日新聞