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 内戦が続くシリアで1日、過激派組織「イスラム国」(IS)の戦闘員が首都ダマスカス南部のヤルムークに侵攻し、同国最大のパレスチナ難民キャンプ(約1万8千人)の大半を制圧した。現地で活動する活動家らの話として、英BBCや反体制派NGO「シリア人権監視団」などが伝えた。

 ISはシリア東部ラッカを首都と称し、同国北部と東部に勢力を保つ。ダマスカスはアサド政権軍がそのほとんどの地域を掌握する「おひざ元」で、ISがダマスカス近郊へ侵攻したのは初めて。ヤルムークはダマスカス中心部から直線距離で約5キロと近いため、政権の受けた衝撃は大きいとみられる。

 ISの戦闘員の規模など詳細は不明。侵攻時、パレスチナ人武装組織との間で戦闘になったが、政権軍との間では戦闘はまだ起きていない模様だ。

 複数の報道機関は、ISの戦闘員は南部からヤルムークに入った可能性を指摘。ロイター通信によると、ISと対立関係にあるアルカイダ系過激派組織「ヌスラ戦線」の戦闘員が、IS戦闘員のヤルムーク入りを支援したという情報もあるという。