趣味どきっ! 国宝に会いに行く(新番組)<全9回> 第1回「日光東照宮」 2015.04.02


電話番号はこちらです。
次回は合瀬解説委員とともにお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
重厚で厳かなたたずまい。
日本美術の粋を集めた宝。
その名は…そんな国宝を軽やかな視点で身近にしてくれる人がいます。
今注目のライター橋本麻里。
国宝ブーム立て役者の一人です。
あの徳川家ゆかりの国宝建築は「デコ」?古都の寺院は平安貴族の「テーマパーク」?黄金に輝く屏風絵で桃山時代にタイムスリップ。
橋本流の切り口で国宝を体感してみましょう。
きっと日本美術が好きになるはず。
栃木県北西部にある徳川家康の霊廟日光東照宮。
家康没後400年を前に再び脚光を集めています。
さあ国宝に会いに行きましょう。
多彩な創作活動の合間に神社やお寺を巡るのが大好き。
国宝に出会う旅に何を期待しますか?なんか身が引き締まる思いというか。
多分昔行った所もまた違った出会い方になるんじゃないかな。
「国宝」として会ってなかったりするのもあるじゃないですか。
すごく今ワクワクしてます。
どうもどうも〜。
(2人)おはようございます。
エリーさんを案内するのは…日本美術が主な領域のライター。
数々の著作を通して敷居の高い国宝を分かりやすい言葉で表現し本質をつく。
国宝ブーム火付け役の一人です。
杉並木の参道をたどりましょう。
こんな厳かなんですね。
そうですよね。
なんかこれから大事な場所に入っていくぞという雰囲気はあふれてますよね。
人がワンワンいるイメージあったから修学旅行で来たんですねきっと。
こんな厳粛な感じだとは…。
でも国宝感ありますねもうね。
あっ伝わってきます?「この先に何か国宝あるぞ」。
あるのかなっていうね。
いよいよ東照宮の中へ。
入り口にある大きな石鳥居。
「東照大権現」とは徳川家康の事。
1617年家康を神として祭るために創建された神社なんです。
鳥居をくぐるとすぐ五重塔がババーンとそびえてますが。
ほんとですね。
すごいきらびやかというか晴れやかですね。
派手ですよね率直に言って。
緑や青や赤やでカラフルですね。
相当カラフルですよね。
元気になりますね。
なんか見てるだけで。
へえ〜。
最初に出会ったのは…なんか動物…干支ですか?そんな事ないか。
干支じゃないね虎が…。
いや兎がいて虎がいて…。
龍がいますよね。
あっ干支なの?十二支の中の3つですよね。
あっ3つ。
大宮さんが見つけたのは動物の彫刻。
東西南北の側面に干支が3つずつ飾られています。
最も目立つ正面には虎と兎と龍。
実はここにはある仕掛けがあるんですよね橋本さん。
普通だったら「子」ねずみから…。
しかも私うさぎ年なんです。
ど真正面じゃないですか。
そう。
「配置換えしてくれた?」みたいなね。
違いますよね。
何で兎が真ん中なんですか?真ん中にいる人が一番偉いかと思うと実はそうでなくて順番なんですけれども一番右側の虎が初代の家康公ですね。
家康公の干支。
次にその亡くなったあとで最初に…でその次にここを……という事でこの3つが正面に飾られてるんですね。
じゃあ私は秀忠公と同じ干支なんだな。
日光東照宮は家康自身の遺言により息子秀忠によって創建されました。
それを現在のような極彩色の装飾に造り替えたのが孫の家光。
東照宮に関わった3代の将軍が動物の彫刻に隠されていたんですね。
今もうとっても派手って話もしましたし色もこんなに鮮やかで元気になるような色が使われていてしかもこんなに精巧な彫刻が飾られていますけれどもこれがまさに日光東照宮を語る上でのキーワードで派手な装飾…まあ今風に言うと「デコ」。
スマホのケースをきれいなビーズで飾ったりするような「デコる」っていう文化って今の日本でも当然あるんですけどね。
同じようにこの東照宮も…。
まあ単にきれいに飾り立てるという意味ではないんですが…その初めとして見てもらったのがこの五重塔なんですけれどもこのあと進めば進むほどデコがモリモリになっていくのでそこをエリーさんに是非見てもらいたいなと思ってます。
デコラティブですよね。
では東照宮の中心国宝「御本社」を目指し「デコ」に着目しながら進みましょう。
こちらは表門。
フフフ…色のせいですか?それ。
あっほんとだ。
さっきはいなかった…。
これ象ですか?牙は4本あるけど象ですよね。
鼻が短いですね。
柱の四隅にはちょっと不思議な顔の象。
こちらの建物にもまた象。
この象はインド発祥の仏教で重要な意味を持つ動物です。
実際今でも…めでたいもの乗せてくる動物みたいな感じがあるんですか?やっぱ神聖なものなんですよね。
神聖で特殊な力というか…こちら神様に仕える馬をつなぐ神厩舎にはご存じ「見ざる言わざる聞かざる」の…猿は古来馬の疫病を払う守り神。
三猿は「神聖な馬を守る」という大切な役割を果たしていたんです。
由来がいろいろなんですね。
インドもあれば日本的なものも中国もあればっていうね。
いろんな国のそういう神様とかがいるとねなんか落ち着かないって思っちゃうけど動物だったらね。
動物だったら全然ね。
それはそれで統一感がとれてるというか。
次はいよいよ「日暮の門」という事で有名なあの陽明門。
東照宮を象徴する建物なんですが…。
陽明門は現在平成の大修理中。
でも修理中だからこそ見られる陽明門のデコの現場を後ほどご紹介しますよ。
お楽しみに。
こちらが修理前の…まさにあふれんばかり。
正面には一木で彫られた…龍は邪気を払う縁起の良い生き物で中国の皇帝のシンボル。
さすが「日暮の門」と呼ばれる陽明門。
彫刻それぞれの意味を考えていたらまさに日が暮れそうです。
陽明門の左右に延びる国宝「回廊」。
その彫刻もまた圧巻です。
見てみましょう。
これここだけでもすごいですね。
すごいなあ。
孔雀とか松とか。
あれ梅ですかね。
梅の枝ですよね。
すごいきれい。
また下も鶴がいたり水鳥がいたり。
あれオシドリですね。
装飾の数が多いほど重要な建物の証し。
それにしてもここまでデコらなくても…ねえ。
こういうのを作ったってのはどういう意味があったんですかね。
一説には家光公がおじいさんの家康公をものすごく尊敬していた。
おじい様リスペクトだったというのが一つとそれから家光自身が三代将軍としてこれからも大名たちを束ねて日本をまとめていくわけですよね。
その徳川家の威光を示すためにこれだけの華やかな建物を建てた。
これを見れば「徳川家すごい」「幕府についていこう」という気持ちになってもらうための装置でもあったと思うんですよね。
徳川家威信を懸けた…。
威信を懸けた国家事業ですよ。
一大スペクタクルなわけですねこれね。
もうまさに国費をつぎ込んで。
ねえ〜。
いよいよ日光東照宮の中心国宝「御本社」へ。
家康公が祭られ皆が拝礼する場所。
そこにはどんな装飾が施され意味があるのでしょう。
(大野)こちらが拝殿になります。
外観を塗り替えたばっかりで今が大変きれいな状態になっております。
真っ白。
白い柱と黒の…。
金色です。
金色の階段ですよ。
だってもう階段に既に装飾が施されてるじゃないですか。
これ金じゃないですよねまさか。
これは真鍮なんですけども。
ここに施されているのは麻の葉の模様といいまして成長が早い縁起がいいものとしていわれがありますね。
そうなんですか。
成長を促進してくれるんですねこれ。
ここを通ると。
大変縁起がいい。
ここからが一万石になります。
ほんとですか。
え〜!大富豪じゃないですか。
63畳の「中央の間」。
大名たちの石高順に拝礼する場所が決められていたんですね。
その東側にあるのが将軍の拝礼前の控え室…今回特別に中に入れて頂きました。
失礼します。
うわ〜すごいなあ。
将軍が控えた…。
将軍って誰とかですか?家光公とかですかね。
家光公以降は皆さん参拝されてると。
どうぞ前の方に。
ちょうどこの真上ご覧頂くと葵の紋が。
まさに座る場所の。
ちょうどこの葵の紋の真下にお控えになったと言われております。
将軍が着座する頭上には高級な唐木と金を使い中央には葵の紋。
その周囲には鳳凰が飾られています。
壁にも鳳凰が。
一枚板に施された地紋彫り。
鳳凰は唐木象嵌で作られ目には水晶が施されています。
なんか徳川家と鳳凰って意味があるんですか?この東照宮が創建されたのも家康公をご祭神として祭るそれにふさわしいお宮としてこのように造り替えられたので…そういうニュアンスをもとにご創建されております。
じゃあここは平和を祈る場所…。
そうですね。
言ってしまえば世の中が波風立たずに皆いがみ合わずに平和にという願いが込められてる…。
究極のデコに隠されていた平和へのメッセージ。
麒麟は天下太平平和な世にしか現れないと言われています。
東照宮のデコ。
この華やかな装飾には戦乱の世を治め平和をもたらした家康の意志が表されていたんです。
日光から遠く離れたこの地にもう一つの東照宮があります。
比叡山延暦寺の麓にある日吉東照宮です。
ここは家光が日光東照宮をより豪華なものにするための試作として1634年に造営された神社です。
たくさん動物がいますねやっぱり。
ここもいますね。
カラフルだし。
あっ虎がやっぱり…。
虎が真ん中にいるんですね。
そうですね。
なるほど。
やはり建物の正面に家康の干支虎と家光の干支龍がありますね。
ここを造ったのは比叡山延暦寺を再興した大僧正で徳川家の宗教ブレイン天海。
天海は家康を神として祭り「東照大権現」という名前を付けました。
拝殿の中は熨斗や豊穣のシンボルなど家康が神となった事を祝う縁起物の装飾で覆われています。
日吉東照宮に詳しい加藤賢治さん。
家康を神に祭るというコンセプトそのものが平和へのメッセージだったといいます。
やっぱり家康ものすごく平和な世の中をつくろうとしてそのためには徳川家が代々続いていかないといけないと。
その時の技術を総結集して造ったっていう事は意義が非常にあるんじゃないかなというふうに思いますね。
自分たち徳川家のためだけに神になったんじゃなくて安寧のために…。
徳川家が安泰になるという事は戦のない幸せな世の中をもう少し長くつないでいこうというような事があったんじゃないかなと思いますけど。
戦乱の世を治めた家康を神にすれば平和な世がずっと続く。
そんな思いが詰まった東照宮のデコ。
大切に守り続けている職人たちがいるんです。
修理現場を特別に案内してもらいます。
修理現場感出ますこれね。
現場感ありありですね。
修理中の陽明門の中へ潜入。
うわっすごい。
工事関係者出入り口。
じゃあお先に。
まず最初の現場は2階部分です。
金箔を貼る前の漆塗りが行われていました。
国宝の装飾を目の前で見られるなんてぜいたく。
これチョコレートみたいですね親方。
これチョコレートです。
(佐藤)もう仕上げたとこです。
金箔をこの黒い所に押したやつと茶色い所に押したやつだと…そんな質感ですか!?すごい芸術的ですね。
こちらは鮮やかによみがえった龍。
漆を塗ったあとに金箔を貼り彩色します。
修理が完了したら是非門を見上げて金色の違いも感じてみて下さい。
続いて向かったのはこの辺り。
1階の天井部分です。
ちょっと気を付けて上がってきて下さい。
今回の修理で家光の建て替えの際に使われた金箔が初めて発見されました。
寛永の金の発色はこうだったんですよっていう。
かなり貴重なものでこれを分析すれば金の含有量とかそういうのが分かって寛永当時の金箔の実態が分かってくると思うんですよね。
これから40年50年生きてる人はいいですけどもその先の人も多分見たいでしょうから紙で養生して金具をかぶせておけば100年200年と見られる。
ただ修復するだけじゃないわけですね。
保存するっていう仕事もあるわけですね。
いい状態で。
およそ400年前平和への願いを込めて施されたデコ。
職人たちが絶え間なく続ける修理は当時の思いを色あせる事なく次の世代につないでいく大切な営みでもあるのです。
平成の大修理は2019年まで続く予定。
5,000以上に及ぶ彫刻を「デコ」を手がかりにじっくり味わってはいかがでしょう。
色彩にもそれから5,000体以上と呼ばれる彫刻にもそれぞれメッセージが込められていてそれを読み解きながら見ていく事で「この建物が何のために造られたのか」とか「誰がどういう意図で造ったのか」とか。
最終的には平和へのメッセージみたいなものが隠されてるというとこまで到達できると東照宮の意味っていうものが本当に迫ってきますよね。
平和への思いとかみんなが豊かでね。
心も食べ物もみんな豊かで仲良く暮らしていけるようにといういろんな人の思いが詰まってる。
だから国宝なんだなって事がすごく分かってね。
家康秀忠家光だけじゃなくて「佐藤さん」みたいなね。
そういう陰で伝承してる方の事も思いをはせられたすごくいい機会頂きましたね。
次回の所が楽しみです。
ありがとうございました。
次回からの「国宝に会いに行く」。
後半はマキタスポーツさんが旅人に。
更に「鳥獣人物戯画」や国立博物館の楽しみ方もお伝えします。
番組に合わせて情報満載のテキストもどうぞ。

(テーマ音楽)2015/04/02(木) 10:15〜10:40
NHK総合1・神戸
趣味どきっ! 国宝に会いに行く[新]<全9回> 第1回「日光東照宮」[解][字]

エッジのきいたキーワードを切り口に国宝の魅力をわかりやすく伝える「橋本麻里と旅する日本美術ガイド」。今注目のライター橋本麻里があなたを国宝ワールドへナビゲート!

詳細情報
番組内容
案内役の橋本麻里さんは、美術を主な領域とする新進気鋭のライター。一見敷居の高い国宝も、直接出会い体感すれば、日本美術の自分なりの楽しみ方がわかるという。第1回は「日光東照宮」。そのキーワードは「デコ」。過剰なまでに飾り立てられた彫刻の意味とは?作家・演出家の大宮エリーさんと旅をしながら、4百年の時を超え、東照宮が放つメッセージを探る。ふだん非公開の国宝「将軍着座の間」や「陽明門」修復の現場は必見!
出演者
【案内人】ライター、明治学院・立教大学非常勤講師…橋本麻里,【旅人】大宮エリー,【出演】大野房亮,佐藤則武,加藤賢治

ジャンル :
趣味/教育 – 旅・釣り・アウトドア
趣味/教育 – 音楽・美術・工芸
ドキュメンタリー/教養 – 歴史・紀行

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音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
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