くらし☆解説「“ブラックバイト”にご用心!」 2015.04.02


生字幕放送でお伝えします岩渕⇒こんにちは。
「くらしきらり解説」きょうはブラックバイトにご用心!です。
担当は村田英明解説委員です。
村田⇒よろしくお願いします。
ことしも入学シーズンを迎えましたけれども新入生の皆さんに注意していただきたいのがこのブラックバイトという学生アルバイトです。
アルバイトですか。
アルバイトをしている学生からは自分のバイト先がブラックバイトなのかどうか、よく分からないといった声をよく聞きます。
そこできょうはブラックバイトの実態と、被害に遭わないようにするためのポイントを話したいと思います。
岩渕さんは、ブラック企業はご存じですか。
若者を使い捨てにする企業と言われていますよね。
そうですね。
そうしたブラック企業が社会人だけでなく学生のアルバイトにも手を広げてブラックバイトと呼ばれて問題になっています。
違法な長時間労働を強いる残業代を支払わない社員と同じような責任のある仕事を与えながら、安い賃金で働かせるアルバイトが増えていて各地でトラブルが相次いでいます。
具体的にどういうトラブルなんでしょうか。
ブラックバイトの実態調査の結果を見てみましょう。
この調査は大学教授や弁護士NPO法人などの労働問題の専門家で作るブラック企業対策プロジェクトが去年全国の大学生を対象に初めて行いました。
回答があったおよそ2500人のうちの25%、4人に1人がアルバイトのシフト、つまり勤務する日や時間を会社の都合で、勝手に変えられたと答えています。
希望しない日にシフトを組まれて大学の授業に出席できない学生が増えているんです。
この日、この時間はだめだと言っているのに働かされる。
そうです。
およそ70%の学生がバイト先から不当な扱いを受けたと答えています。
不当な扱いというのは?具体的には準備や片づけの時間の賃金が支払われない休憩時間がない商品の買い取りを強要されるといった内容でいずれも違法です。
ブラックバイトは学生のアルバイトが多い居酒屋やファストフードなどの飲食店コンビニエンスストアなどの小売店をはじめさまざまな業種に広がっていますけれど今の学生からの相談で多いのが学習塾を巡るトラブルです。
学習塾の講師のアルバイトにブラックバイトがあるということなんですか。
そうです。
全国展開しているある学習塾では授業時間以外の賃金が支払われていません。
テキストの作成や保護者の対応も学生に任せています。
そうした準備の時間は無給、ただ働きです。
退職を巡るトラブルも多く退職届を出しても辞めさせてくれないので出勤しないでいたら損害賠償を請求されたという、悪質なケースもあります。
アルバイトを辞めただけで損害賠償を払わないといけないですか。
これは会社側が学生を辞めさせないようにするためのいわば脅しです。
法律上は退職届を出して2週間が過ぎれば辞められます。
正社員でなくアルバイトですから自由に辞められると思っていましたが難しいんですか。
学生の側にも辞められない事情があります。
経済的な事情が1つあります。
働く人のおよそ4割を非正規雇用が占めるようになりサラリーマンの平均年収が減っています。
親もとを離れて暮らす学生の場合は、仕送りが減っているので生活費を自分で稼がなければなりません人件費を抑えるために社員がたった1人で、残りはすべてアルバイトという職場が増えています。
仕事熱心な学生がバイトリーダーに選ばれ、売り上げのノルマの達成やアルバイトのシフトを組むといった重い責任を負わされます。
正社員並みの仕事を与えられて自分が辞めたら店に迷惑をかけると思って辞められない。
さらに、卒業したら正社員として採用されるかもしれないので辞められないと話す学生もいます。
何だか真面目な学生が悩みそうな感じですが弱みにつけ込んでいるようですね。
そのとおりです。
会社から期待されている、戦力になっていると思わせながら実は非正規雇用の大人たちと同じように安い労働力として働かされているというのが実態です。
これだけトラブルが増えますと学生たちも黙っていません。
ブラックバイトに対抗しようと学生の間で自分たちで労働組合を結成する動きが広がっています。
去年からことしにかけて北海道、首都圏、それに関西で相次いで組合が結成されていますが、その1つを取材しました。
都内にある労働組合ブラックバイトユニオンです。
首都圏の大学生やブラック企業対策に取り組むNPOのメンバーが去年の夏に結成しました。
トラブルにあった学生から半年余りで200件を超える相談が寄せられています。
弁護士にも相談して解決策を話し合い問題のあるアルバイト先には団体交渉で改善を求めています。
ブラックバイトの被害に遭った学生も組合に入って活動しています。
都内の大学4年のこの男性は2年前、大手衣料品店で販売員のアルバイトをしていたときにブラックバイトを体験しました。
学生なのに勉強に影響してるのは問題ですね。
そういうことです。
この男性の場合は月に80時間を超えると過労死ラインという過労死の認定のラインになっているんですが、そのような残業を命じられて結局体調を崩してしまって3か月余りでアルバイトを辞めました。
こういう被害に遭わないようにする方法は何かあるんでしょうか。
アルバイトを始める前に確認していただきたいのが雇用契約書です。
雇用契約書には雇用期間や業務内容、就業する場所、賃金などさまざまな労働条件が書かれています。
勤務規定これに従わなければならないと書いたものもあります。
あるブラックバイトの勤務規定には大学の勉強のための欠勤は認めない欠勤するためには、代わりのアルバイトを自分で手配しなければならない。
遅刻した日は無給にすると学生に不利な条件がいっぱい書かれているんです。
そもそもアルバイトで雇用契約書は交わしますか?アルバイトの場合でも、労働条件を書面で示すことが法律で義務づけられています。
このため雇用契約書を渡さなかったり勤務規定の内容を尋ねても教えないような会社では働いてはいけません。
1つの目安になりますね。
もう1つ、バイト料を受け取ったら必ず給与明細書を見てください。
働いた時間分の賃金が支払われているかどうかを確認して契約書どおりに賃金が支払われず請求しても会社が応じない場合は、都道府県の労働局や労働基準監督署、弁護士や労働組合などに相談してみてください。
伺ってますと、ブラックバイトは、非常に問題ですがどうすればなくすことができますか。
ブラック企業対策プロジェクトのメンバーで、ブラックバイトということばを広めた中京大学教授の大内裕和さんに話を聞きました。
日本の将来を担う学生たちに違法な労働をさせてまで利益を生み出すビジネスモデルはやめるべきだと主張しています。
ブラックバイトをなくすには企業が非正規雇用への依存度を減らすこと。
そして返済が不要な給付型奨学金を増やすなど奨学金制度を充実させて学生がアルバイトに力を入れなくても、大学で学べるようにする必要があるといいます。
私も全く同感です。
バブル崩壊後日本の企業が人件費を抑えて利益を生み出すためにパートやアルバイト派遣など、非正規雇用を増やしてきました。
そうした雇用のやり方を見直さない場合ブラックバイトは解消しないのではないかと思います、学生を使い潰すブラックバイトを放置しておくとこれからの経済や社会を支える人材を失うことにつながるかもしれません。
社会全体でこの問題を考え違法な労働を許さない対策に官民が協力して取り組む必要があるかと思います。
ブラックバイトユニオンでは今月5日の日曜日に保護者向けの無料電話相談を行うことにしています。
電話番号はこちらです。
次回は合瀬解説委員とともにお伝えします。
ぜひ、ご覧ください。
2015/04/02(木) 10:05〜10:15
NHK総合1・神戸
くらし☆解説「“ブラックバイト”にご用心!」[字]

NHK解説委員…村田英明,【司会】岩渕梢

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出演者
【出演】NHK解説委員…村田英明,【司会】岩渕梢

ジャンル :
ニュース/報道 – 解説
情報/ワイドショー – 暮らし・住まい
情報/ワイドショー – 健康・医療

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