アスリートの魂「俺たちは負けない ハンドボール 琉球コラソン」 2015.04.02


(三線)沖縄県が誇るもの…。
青い海。
世界遺産首里城。
おいしい食べ物。
そして…。
(場内アナウンス)「シュウサク・ヒガシナガハマ!」。
ハンドボールチーム琉球コラソン。
選手僅か17人のクラブチームです。
絶対勝とうぜ!コラソン!
(掛け声)南の島で生まれたチームが国内トップリーグで台風の目となっています。
強豪を相手に体を張る男たち。
磨いてきたジャンプ。
全員で走ってしなやかなパスをつないできました。
選手たちはトップチーム入団の夢がかなわず再起を懸けた男たち。
沖縄に移住して働きながら夢を追いかけてきました。
しかしリーグ戦のさなかチームを引っ張るエースのケガ。
大事な試合で相次ぐミス。
崖っぷちの戦いが続きます。
勝つための道を模索する選手たち。
目指すは日本一を争うプレーオフ進出。
強豪を破る事はできるのか。
決して夢は終わらせない。
これまでの自分を乗り越えて。
諦めない男たちの熱い戦いを見つめました。
新年の沖縄。
明けましておめでとうございます。
今年もよろしくお願いします。
琉球コラソンの選手たちは初詣に訪れていました。
翌月から始まる日本ハンドボールリーグ後半戦の必勝祈願です。
前半戦を9チーム中5位で終えたコラソン。
上位4チームで日本一を争うプレーオフへの進出を目指していました。
千円入ってる人いる?お釣り取ったんじゃ…。
待ち人すげえぞ。
(笑い声)22番の大吉です。
願い事は「早くかなう」です。
早くかなうみたいです。
まあ何回もチャンスは来ないんで今年か来年本当に取りに行くしかないので今年懸ける思いはこれまでの6年と比べて比べ物にならないぐらい大きいですね。
2月8日リーグ後半戦が始まりました。
ハンドボールが盛んな沖縄県。
2,000人のファンが集まりました。
後半戦は6試合。
お願いします。
(一同)おす!初戦を勝って波に乗りたいところです。
コラソン!
(掛け声)相手は首位を走る大崎電気。
(声援)ハンドボールは走る跳ぶ投げる3つの要素から成るスピーディーな競技です。
1チームは7人。
前後半合わせて60分間を戦います。
コラソンの特徴は体を張ってボールを奪い全員で走って少ないチャンスをものにする戦い方。
(場内アナウンス)「ゴール!」。
この日コラソンは首位を相手に一時6点のリードを奪います。
ところが大崎電気が徐々に実力を発揮。
激しい当たり。
豪快なシュート。
結局逆転負けを喫しました。
トップチームを追い詰めながら勝ちきれない。
コラソンの課題です。
やっぱり相手はラスト10分間のたたみかけるところがやっぱり常勝軍団だなという感じで。
終わって気付いたら8点差なので。
琉球コラソンの本拠地沖縄。
28年前の国体をきっかけにハンドボールが盛んになりました。
沖縄県の小中学校が全国大会で優勝した回数は日本一。
まさにハンドボール王国です。
しかし進学や就職のために沖縄を出ていく若者が少なくありません。
地元のクラブチームを作るのが積年の夢でした。
(一同)ありがとうございました。
琉球コラソンが結成されたのは8年前。
チーム名のコラソンはスペイン語で魂の事。
地元沖縄に対する熱い思いが込められています。
できれば…琉球コラソンはリーグ唯一のクラブチーム。
運営資金を企業が負担してくれる実業団とは違い経営は楽ではありません。
(取材者)こんにちは。
(2人)こんにちは。
事務所は築30年のビルの小さなスペース。
すいません。
体育館の空き状況の確認でお電話させて頂いてるんですけども…。
最大の悩みは専用の練習場がない事。
毎日高校や市営の体育館を使います。
ただなかなか予約が取れません。
アウト。
浦市民アウト。
午後7時半。
選手はそれぞれ仕事を持っています。
集まって練習できるのは夜の2時間だけです。
この日取れたのは隣町の体育館。
割り当ての時間が来るまで待機します。
駄目!321!321!321!・「あったかいんだからぁ♪」選手は17人。
ハンドボールの経験も入団した動機もさまざまです。
大学卒業した時に実業団に何社かチャレンジしたんですけどそこをちょっと落ちてしまって。
日本リーグでプレーしたくてで…まあ…あの…最初に行きたかったところが駄目になってその時に沖縄の琉球コラソンがトライアウトするという事で…。
中には医師の道に進みながら入団してきた人もいます。
今日は体調いかがですか?趣味で続けてきたハンドボールに本格的に打ち込みたいと移住してきました。
後半戦第2戦。
コラソンは2位の強豪トヨタ車体と対戦しました。
この日もなかなかシュートが決まりません。
1点差で敗れ2連敗。
プレーオフ進出が危うくなりました。
上位進出のためには得点力のアップが欠かせません。
そこで白羽の矢が立ったのが入団4年目の連基徳選手です。
資金不足で戦力が強化できないコラソン。
連選手はこれまで守備が主な役割でしたが高いジャンプ力を買われ攻撃に起用されました。
連選手は那覇市内の介護施設で働いています。
(連)ゆっくり足元気を付けてね。
はいはいどうもすみませんね。
連選手は大阪の出身。
大学を卒業後沖縄に移住しこの仕事を始めました。
つかんでないさ〜ほら。
手のひら広げてるのに。
はいそれじゃ皆さん棒の方ね。
ありゃ?
(笑い声)忙しい介護の現場。
練習に間に合わなくなる事も少なくありません。
この日試合の反省会が開かれました。
連選手は大事な場面でシュートを外していました。
ノーマークにもかかわらずゴールキーパーに止められた事が2回もあったのです。
連のさっきのシュートでも多分そうだしシュート打てるって思った時点で…跳んでから全部確認するから周りに入ったりしたらあ〜打つとこないみたいな感じになって。
あんだけノーマークなのに。
先輩たちが指摘したのはシュートを打つ時闘争心が薄いという事でした。
連選手とハンドボールの出会いは小学3年生の時。
激しくダイナミックなプレーに魅せられ地元大阪のクラブチームに入りました。
高校生の時の連選手。
攻撃の要として活躍し16歳以下の日本代表にも選ばれました。
カッコイイ!ところがハンドボールの名門日本体育大学に進学すると大きな壁にぶつかります。
後輩にレギュラーを奪われ夢だった実業団に入る事ができませんでした。
優しい気性があだになりました。
自分には向いていないのではないか…。
でもハンドボールは続けたい。
諦めずにもう一度チャレンジしようと琉球コラソン入団を決意しました。
プレーオフ争いに踏みとどまるにはもう負けられない。
遠征を前に連選手に先輩の東長濱秀作選手が声をかけました。
連選手がシュートを外すのはゴールキーパーにコースを読まれているからだというのです。
連選手のシュートです。
腕を振り始めた時キーパーはまだ動いていません。
キーパーより先に動き出すのでコースを読まれやすいのです。
キーパーをよく見て隙をつけ。
東長濱選手がお手本を見せました。
キーパーが動くのとは逆方向へシュートを打っています。
跳んでいる最中なかなか腕を振りません。
キーパーの足が画面右へ動いた瞬間ようやく腕を振っていました。
空中でためを作り隙をつく動き。
うまくいきません。
連選手に自信をつけさせたい。
何度も繰り返しました。
熱心に後輩を指導する東長濱選手。
彼にもまたこのチームに懸ける強い思いがありました。
東長濱選手は3年前ふるさと沖縄のためにと琉球コラソンに移籍してきました。
かつて一流選手になりたい一心で沖縄を飛び出し日本を代表する選手に上り詰めた東長濱選手。
心境が変化したのは30歳を目前にした頃。
ふるさとで生まれたチームが厳しい環境でも懸命に戦う姿を見て帰郷を決断したのです。
気持ちさえ負けなければ必ず日本一を取れる。
歩んできた道は違っても沖縄の地で同じ夢を追う男たちです。
そういうのをもっと引き出してあげたいというのはあるしそれを結果につなげたいですね。
2月22日宮城県で行われた第4戦。
相手のトヨタ自動車東日本はコラソンより1つ上の4位です。
プレーオフに進出できるのは4位以上。
もう一戦も落とせません。
終わった時に相手より1点多く取っとけばいいってそれだけの話だ今日は。
OKね。
この正念場思わぬ事態が起きます。
走り勝とうぜ!コラソン!
(掛け声)残り10分2点を追っていた時の事でした。
東長濱選手のシュートした手が相手にぶつかりました。
2年前にじん帯を断裂した右の手首です。
ちょっと当たっちゃったんでシュート打った時に。
今ちょっと痛みが強くて。
それでも試合に出続けます。
(ホイッスル)痛みを耐えてゴールを狙います。
その4分後でした。
逆転のゴール。
打ったのは連選手でした。
ディフェンダーに倒されながらシュート。
キーパーの隙を冷静に見ていました。
エースの闘志が連選手の強気を呼び起こしました。
そして…。
2試合を残してコラソンは4位に浮上。
望みをつなぐ大きな勝利でした。
よくやった!琉球コラソンの健闘は地元沖縄で大きな話題を呼びました。
選手たちが行う企業回り。
ひしひしと感じる地元の期待。
下手な試合はできません。
強いチームじゃないと応援はしてくれないんじゃないかなって。
やっぱ勝ちたいなっていうのは思ってますね。
プレーオフ進出を懸けた第5戦。
その瞬間を見ようとリーグ史上最高の3,000人を超えるファンが集まりました。
ピース!ピース!勝利を願う地元の期待が選手たちに集まります。

(場内アナウンス)「シュウサク・ヒガシナガハマ!」。
相手は優勝17回の大同特殊鋼。
絶対勝とうぜ!コラソン!
(掛け声)地元でプレーオフ進出を決めたいところです。
主力の東長濱選手はこの日も右手のケガが癒えないまま出場しました。
全力でシュートができずパスに徹します。
攻撃のリズムが作れません。
連選手がパスを要求。
ところが…。
連係には至りません。
監督から「声を出せ」の指示。
今度はパスミス。
相手はこれを逃しませんでした。
ここから連続で失点。
相手の勢いを止める事ができません。
全員全員全員!たまらずタイムアウト。
(観客)コラソ〜ン!コラソ〜ン!勝たなければいけないという重圧。
思うようにプレーできない焦り。
上位で戦った経験が少ないゆえの戸惑いが彼らを襲っていました。
(ブザー)全員で走るプレーが大事な試合で影を潜めました。
僕はやりながら感じてたので。
一番の問題はそこにあるかなというふうに思ってますね。
これでコラソンを含む3チームがプレーオフを争う大混戦。
残るは1試合。
一体どう立て直せばいいのか…。
選手たちはミーティングを開きました。
黙り込む仲間たちに東長濱選手が口を開きました。
試合はどっちかが勝ってどっちかが負けるから…信じるのは自分。
そして仲間。
原点に戻ってチームワークを取り戻せ。
おお〜!練習を終えた連選手。
大阪の実家に電話をかけました。
(母)「明日やん」。
明日試合。
「明日頑張らにゃ」。
うん。
母親の啓子さん夢のために沖縄に渡った息子をずっと応援してきました。
「頑張れるんやな」。
「ね?」。
うん。
「いつもの母の言葉やろ」。
言った事ないけど。
自分の持てる全てを出し尽くす。
最終戦は連選手にとって大きな意味を持っていました。
3月7日シーズン最終戦。
(笑い声)地元での敗戦から1週間。
選手たちの表情はリラックスしていました。
プレーオフへ最後の戦いに挑みます。
相手は豊田合成。
前半戦ではコラソンが接戦を制しました。
勝ってやろうぜ。
コラソン!
(掛け声)序盤ホームの豊田合成の勢いに押されます。
(歓声)しかしゴールキーパーの石田選手がファインセーブを連発。
この日は全員が共に走る事を意識していました。
東長濱選手がボールを奪って速攻。
(歓声)息の合ったパス回し。
(ホイッスル)前半は2点リードして折り返します。
しかし気を抜けば逆転負けもありえます。
東長濱選手を中心に戦術の確認が行われました。
俺がサイド入るから。
はい分かりました。
(掛け声)必死に走ってボールをつなぐ選手たち。
執念のパス回し。
(ホイッスル)ゴールを狙う連選手。
それは東長濱選手から始まりました。
ゴール前で待つ連選手を東長濱選手が見据えます。
ディフェンスをかわす絶妙のパス。
受け取ってすぐに前を向きました。
課題だったキーパーとの1対1。
かつては弱気でシュートを決めきれなかった連選手。
倒れる寸前まで我慢してキーパーの隙をつきました。
(歓声)仲間を信じたパス。
点差を広げます。
ワ〜!しかしその後の豊田合成。
3連続得点で1点差に追い上げられます。
ここで東長濱選手。
(歓声)行く手を阻まれても突破しケガをした右手でシュート。
この日唯一のシュートで相手を突き放しました。
そして…。
54321!
(ブザー)琉球コラソン初のプレーオフ進出。
日本リーグ参入7年。
ハンデを乗り越え最後に達成しました。
(一同)ウォ〜!本当ここ最近の試合では多く見られるので。
持ってるプレーを出せば通用するっていうのがやっぱりみんな一人一人結構そういう思いが出てきたんじゃないかな。
プレーオフ進出の知らせは沖縄を駆け巡りました。
「沖縄県ハンドボール界の発展につながる。
やればできる」。

(歌声)かつてトップチームに行けなかった選手たちが生まれ変わり地元の期待に応えたのです。
満足したらやっぱり…そこで止まってしまうかもしれないんでハンドボールを続けてる限りは現役でやってる限りは満足せずにもっともっと上を目指していきたいっていう気持ちはすごいありますね。
やればできる。
琉球コラソン17人の選手たち。
今全員が更なる高みを見つめています。
プレーオフ向かって優勝しましょう!オ〜!
(掛け声)2015/04/02(木) 01:30〜02:15
NHK総合1・神戸
アスリートの魂「俺たちは負けない ハンドボール 琉球コラソン」[字]

ハンドボールの男子リーグで今シーズン、快進撃を続ける琉球コラソンに密着。さまざまな理由で挫折を味わいながらも、夢を求めて全国から入団してきた男たちの挑戦を描く。

詳細情報
番組内容
沖縄のハンドボールクラブチーム、琉球コラソンが今シーズン、男子リーグで快進撃を続けている。チーム創設初のプレーオフ進出も夢ではない。実業団のような資金力がないため、選手を満足に獲得できず、トライアウトを受けた選手やケガで戦力外となった選手たちが主力をつとめる。専用の練習場も持たず学校や公共施設を転々としながらの練習。それでもハンドボールに夢を託して闘い続ける男たちの熱い挑戦を描く。【語り】萩原聖人
出演者
【語り】萩原聖人

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
スポーツ – その他の球技

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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