山谷防災担当相:緊急事態管理庁、創設見送りを表明

毎日新聞 2015年04月02日 11時55分

 山谷えり子防災担当相は2日午前の参院予算委員会で、大地震や原発事故などの複合災害に一元的に対応する「緊急事態管理庁(日本版FEMA)」の創設について「現段階では積極的な必要性はただちに見いだしがたい」と述べ、見送りを表明した。自民党の長峯誠氏への答弁。

 東日本大震災では省庁の連携不足による対応の遅れが指摘され、政府は米国の連邦緊急事態管理局(FEMA)を参考に創設を検討してきたが、危機管理組織の在り方を検討する副大臣会合(座長・赤沢亮正副内閣相)は3月30日の最終報告で見送りを決めていた。

 山谷氏は「大規模災害発生時には人員、組織が速やかに動きだし、機能するよう体制を構築することが重要だ」と指摘、連携の改善で対応する考えを示した。その上で「今後とも組織体制の見直しも排除することもなく、必要な態勢の検討と実践をはかり、よりよい危機管理体制を目指していく」と述べた。

 日本版FEMAは、自衛隊や海上保安庁、警察、消防などを動員できる権限を持たせ、縦割り行政を排し、地震、津波、原発事故などの複合災害に迅速に対応できる組織を想定していた。自民党は昨年の衆院選公約に「検討する」と盛り込んだ。【水脇友輔】

最新写真特集