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「水棺」など3工法 福島第一、溶融燃料取り出し

 東京電力福島第一原発の廃炉作業における中長期的な方針を示す「戦略プラン」の全容が判明した。最難関となる溶融燃料(燃料デブリ)の取り出しで重点的に取り組む工法を、原子炉格納容器を水で満たす「冠水」など三つに絞り込み、検討すべき課題を挙げた。政府の原子力損害賠償・廃炉等支援機構が策定を進めており、近く正式に公表する。

 今回、初めて策定する戦略プランは、炉心溶融(メルトダウン)を起こした1〜3号機での燃料デブリ取り出しと廃棄物対策の二分野で構成。政府が公表した第一原発の廃炉作業に向けた「中長期ロードマップ」に技術的な根拠を与える土台となり、プランの内容を踏まえたロードマップの改訂も近く発表する。

 戦略プランでは、燃料デブリを取り出すために取り組む工法として、(1)原子炉上部まで水を張る冠水工法で上から取り出す(2)デブリがある原子炉底部に水を張る気中工法で上から取り出す(3)気中工法で横から取り出す−の三つを挙げた。

 格納容器を水没させ「水棺方式」とも呼ばれる冠水工法の場合、燃料デブリ取り出し時に発生する放射性物質の飛散を防止できる一方、損傷した格納容器を補修して止水することが前提となるため、「補修方法や水位を安全に管理できるシステムを構築する必要がある」とした。

 

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