NHK報道番組:「取材はやらせ」男性が訂正要求

毎日新聞 2015年04月01日 22時11分(最終更新 04月01日 22時51分)

NHK放送センター=東京都渋谷区で
NHK放送センター=東京都渋谷区で

 NHKの報道番組「クローズアップ現代」で「やらせ」があったとされる問題で、番組内で「出家詐欺ブローカー」とされた大阪府内の男性(50)が1日、「自分はブローカーではない」として、訂正放送を求める申し入れ書をNHKに提出した。ブローカーと多重債務者の交渉現場とされる映像について、男性は「記者の指示でブローカーを演じた」と述べ、当時は再現映像の撮影だと思っていたと説明した。

 男性はこの日、NHKの聞き取り調査に応じて撮影時の様子などを説明。その後、大阪市内で取材に応じた。代理人の弁護士によると、今後、意に沿う回答が得られない場合は、放送倫理・番組向上機構(BPO)への人権侵害の申し立てを検討するという。

 問題の番組は、昨年5月14日放送の「クローズアップ現代」。多重債務者がブローカーを介して出家し、名前を変えて融資などをだまし取る手口を紹介した。「やらせ」疑惑は今年3月発売の週刊文春が報道した。

 NHK広報局は「男性とそれ以外の関係者の話などに食い違いがあり、引き続き確認作業を行っている。事実関係がまとまった時点で報告したい」とコメントした。【棚部秀行】

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