慰安婦問題 in ロサンゼルス 第2弾 – 韓国人老夫婦とのやりとり
投稿者
マット・コバヤシ.
慰安婦像の報告記事を書いた目的
まず、私が同記事を書いた目的は、こちらロサンゼルスの現地で起きていることや、現地の人々の考え方・発言などを、出来る限り筆者の私見を挟まず、分かりやすくお伝えすることでした。またこれは慰安婦像設置に対する抗議デモではないので、 見学者の邪魔をしたり、日本人の立場から反論したりせず、ありのままをレポートしようと決めて現地に行っていることもご理解ください。
筆者が韓国人老夫婦の言葉を信じているか?
前回の記事では一切触れていませんが、残念ながら、筆者は、最初からこの韓国人老夫婦がウソをついていると思いながら接しています。それを読み取ってくださっている方もいらっしゃいますが、あえて分からなくても良いと思って同記事を書きました。筆者の私見による先入観や偏見などのバイアスを通さず、皆さんそれぞれに感じて、判断して欲しかったからです。また記事を書いた目的が「この韓国人老夫婦がウソをついていると思う」理由を説明することではないからです。それよりも皆様ご自身が、あの記事を通して知った事実に対してどうするかをそれぞれお考えいただければ良いと思いました。
一番の目的は、現場の状況と実際の碑文の内容を知っていただくことで、読者の皆様に日本人として「大きな」疑問を抱いていただきたかったのです。一方で、韓国人老夫婦の話も碑文の内容も全て鵜呑みにされた方も少なからずいたのではないかと思っています。ただ、多少乱暴ではありますが、鵜呑みにされたまま何の疑問も持たずに受け入れてしまうひとばかりであれば、それが今の日本の現実なのだと思ってあのような書き方をさせていただきました。
徴兵制度と年齢 -「わたしは、今86歳だよ。実際に戦争に行ったんだよ。」
少し本題とはずれるのですが、今日は終戦記念日でもありますから「実際に戦地へ行かれた日本人の年齢」について、まず触れてみたいと思います。
日本の徴兵制にある「満20歳」というのは戦時体制以前に決められたものであり、開戦後は戦局の悪化に伴い年限が下がっていきます。徴兵検査義務は1943年には満19歳、1944年には18歳から17歳へ下がりました。また1944年以降の「志願兵」制度では、所属した陸軍学校(または先輩・同級生らの)「推薦」によって、14歳~16歳の日本人も戦地へ赴いたようです。
軍国少年と言う言葉があるように、当時は「どうせ20歳で徴兵されるなら少しでも早くお国のために」と、未成年でも当たり前の様に戦争に行く風潮だったという証言も散見します。「陸軍少年通信兵学校」(上画像参照)も、入学後には修業年限が短縮されて、「緊急卒業」の末「南方特別演習隊要員」として戦場へ送られ、15歳から18歳の若さで命を失ったような例もあるそうです。
一方の米軍も、制度上は17歳(女性は21歳)から入隊可能でしたが、当時は出生記録自体がまともに発行された例が少なかったそうで、12歳~16歳でも不法に入隊していたという証言・記録が残されています。
そして、当時の「朝鮮人日本兵」は、大日本帝国の日本国民として、1938年以降から1943年にかけて「陸軍特別志願兵」(17歳以上)もしくは「海軍特別志願兵」(16歳以上21歳未満)となって戦地へ赴いています。1944年になるとこれが徴兵になりますが、こちらは実質的には戦地へ行かないまま終戦を迎えたようです。ですから韓国人・台湾人の人々は(志願であれば)16歳でも日本兵として戦争に行っている例があるようです。
こう書くと「朝鮮人はみんな志願兵として戦争に行った」はずなので、この韓国人の老人が言う「強制されて」戦争に行ったわけではないはずという意見が出てきますが、それはその通りだと思います。ですが、彼が86歳だから太平洋戦争には行っていないのではないかという議論も、実は筆者の私自身はあまり重要ではないと思っています。なぜなら私は初めてこの韓国人の老人を見たときから、70代後半くらいだろうと思って接しているんです。
大牧冨士夫『ぼくが村に帰るまで』第1回 むささび少年通信兵 – 陸軍少年通信兵
Underage Troops Recall Experiences – Associated Press
朝鮮戦争と韓国軍慰安婦 – 「みんなこんなに小さな箱に入れられたよ。」
彼女が言った「みんなこんなに小さな箱に入れられたよ。」の「みんな」は「THEY – 彼女たちは(みんな)」でしたので、そもそも彼女は自分が被害者でもないわけですし、目撃者であるとしたらこの話自体が矛盾しているわけです。そもそも彼女は、私とのやり取りで老人が口ごもったときに横ヤリを入れてきただけなのです。またコメント欄で「りりくす」さんが指摘してくださっている通り、奥さんは「みんなこんなに小さな箱に入れられたよ」と言ったことで、自分で墓穴を掘っていることが分かります。
この「小さな箱に入れられた」というのは「韓国軍慰安婦」を示しています。「韓国軍慰安婦」というは、朝鮮戦争とベトナム戦争時に韓国政府が自ら、韓国軍と米軍向けの特殊慰安隊を設置したものです。韓国政府は、私娼窟から女性たちを調達して「第五種補給品」という物品扱いで、女性たちをドラム缶にひとりづつ押し込めてトラックで移送し、前線を移動して回っては、韓国兵やアメリカ兵に慰安婦を「補給」していたのです。これは近年ニューヨークタイムズでも報道されていますが、誘拐や暴力、さつ人等を含む陰惨なもので、慰安婦の自さつも多発するほどだったとされています。このように彼女たち韓国軍慰安婦の多くは、韓国軍と米軍に強制連行の末に性奴隷扱いをされて人権を蹂躙されているわけです。現在、米国議会「慰安婦」決議案で日本を糾弾している韓国とアメリカによってです。韓国側が主張する慰安婦問題は、多くの場合この韓国軍慰安婦被害を日本側に押し付けているとする意見も多いようです。
この「韓国軍慰安婦」の話は、ベトナム戦争において韓国兵が3万~4万人のベトナム女性をレイ○した(強姦によって生まれたベトナムと韓国の混血児をライダイハンと呼ぶ)という話とともに頻繁に持ち出される話ですが、この奥さんは、それを日本軍が韓国人女性に対して行った行為と誤って認識、または教育されてこの発言をしたのでしょう。これを踏まえて老人が言った「女の子達がみんな酷い目にあったのを見たんだ。でも僕たちコリアンはコリアンガールには指一本触れなかったよ。」という発言を考えれば、私が老人がウソをついていると感じた理由が年齢だけではないことが分かると思います。
Ex-Prostitutes Say South Korea and U.S. Enabled Sex Trade Near Bases
筆者のホンネと、本当はもっと泥くさかった韓国人老夫婦とのやりとり
ですから「日本軍の軍人として戦ったということですよね?」と聞いたのも、「このひとは、太平洋戦争だろうが、朝鮮戦争だろうが一切戦争体験をしていないのではないか」という疑いがあったからです。そして、同記事には書いていませんが、老人はただの一度も私と目を合わせないどころか、ずっと挙動不審でした。この質問に対して老人が「そうだ」と答えたときも、彼はうつむき、目は泳いでいました。だから「(じゃあ、あなたはいったい)この目で見たって、実際に何を見たって言うんですか?」と問うと「女の子達がみんな酷い目にあったのを見たんだ。でも僕たちコリアンはコリアンガールには指一本触れなかったよ。」と答えたわけです。
こんなにふざけた答えがあるかと思うと同時に、逆に「自分たち韓国人兵も、韓国人の慰安婦に手を出した」「その行為を、今は不都合に感じている、もしくは隠したがっている」と感じたわけです。これが朝鮮戦争時の韓国軍慰安婦を示しているのであれば全て辻褄があうわけですが、私はほとんど見下すような顔で彼を見つめていました。老人は私と目もあわせられずに黙ってしまいました。すると(おそらく旦那さんよりも強気な雰囲気の)奥さんがいきなり後ろから出て来て、吐き捨てるように「みんなこんなに小さな箱に入れられたよ。」と言ったわけです。彼女は、キム・ジョン・イルみたいなサングラスを掛けていたので私には彼女の目は見えなかったのですが、彼女は本当は事情をよく知らないけど「とりえあず何か言ってやれ」と考えて発言をしたように感じました。わたしは一瞬だけ、ほとんど無意識に彼女に一瞥をくれていました。すると彼女は旦那さんの背中に隠れたので、さらに私が見続けていたら、逃げるようにその場を離れたわけです。そこで取り残された老人は気持ち的に追い込まれていたような状態だったと思うんです。そのときに感じたのは、最初からこの気弱な老人は、奥さんにけしかけられて私に話しかけて来たのではないかということでした。だから老人はただ「キミたちは知らないんだ。ボクたちは見たんだ。」と繰り返すしかなかったのだと思います。
これが、前回の記事にある韓国人老夫婦から受けた私の「印象」です。
でも、こういうひとたちには今まで何度か会いました。今の韓流ブームからは想像もつかないと思いますが、韓国政府による日本文化禁止政策が解除されたのは、1998年とほんのつい最近なわけで、それまで徹底的に反日教育を受けているのでしょうから、これはもうごくごく当然のことだと考えています。韓国系の高齢者の方々は優しい方もたくさんいますが、露骨に日本嫌いを態度に出してくる方もいます。それはアメリカ人の(特に田舎の)高齢者でも一緒です。だから一度、そういう反日的な韓国人高齢者と、マッコリと日本酒を並べてきちんと一から話してみたいとも思うわけです。
嘘をついている相手に、嘘つき!と言ってしまうこと
すでに説明させていただいたように、自分の中では、この韓国人の老夫婦がウソをついていると確信していました。でも証拠があったところで、(コメント欄に投稿されている「普通の日本人」さんが求められるように)「嘘吐きめ!」などと相手を罵る様な暴言も吐きません。相手に対して「捏造するな」「嘘つき」などの罵声を吐いてしまえば、自分もそういうレベルの人間に成り下がると考えますし、当然、第三者からもそういう人間だと見られてしまうものだと思います。もし日本の政治家が、慰安婦問題で「韓国人は嘘つきだ!」とアメリカ人の政治家に訴えたとしたら、まずその日本の政治家の人間性や非常識さが疑われてしまうでしょう。だから証拠の有無に関わらず、私は、相手や他人を嘘つき呼ばわりするのは幼稚だと思うし、得策だとは思いません。
サッカーの日韓戦で韓国側の観客が横断幕で政治的な主張をするなどの行為がありますが、次の試合で日本側が「韓国くたばれ!」という横断幕を出すような安っぽい仕返しはしませんよね。FIFA(国際サッカー連盟)にクレームを出す必要はありますが、最終的には試合に勝ち続ければいいんです。慰安婦問題で私が日本政府に対して思うのは、私たち選手は「試合」で勝ち続けるために(例えば日々の仕事に)最善を尽くすので、政府にはきちんとこの「FIFAへのクレーム」を出して欲しいということです。
そういうわけで、私はこの韓国人老夫婦に対しては、ほとんど相手にするのも馬鹿げているという気持ちで接していました。ですから結果的には(彼らのウソを飲み込んだ上で)「もう、いい加減にしてください…」という気持ちで老人を見ながら、ゆっくりと諭すつもりで「日本はアメリカに戦争で負けたけど、アメリカに文句は言わないよ。ボクらのおじいさんやお父さんたちの世代は、違うやり方で頑張って来た。そういう誇りに出来るものがあるから、今の日本があると思うんだよ。(あなたたちの国は何なんですか?そんなことばっかりして恥ずかしくないのですか?)」と皮肉を込めて言ったのです。(このときの気持ちは上に挙げたサッカーの日韓戦のような例と比較していただければ、分かりやすいと思います。)
この時点で、もうおじいさんの目は泳ぎっぱなしでした。同記事の中で私は「どこかでボクを怖がっている感じがしてならなかった。」「昔、戦時中に自分を苦しめた日本兵の姿をボクに重ね合わせて…」とは書きましたが、実際のところは、自分自身が、戦争で亡くなられた日本人の先輩方を思い浮かべて「お前ら、調子に乗ってあまり舐めたことを言っているんじゃないぞ」という態度で、この老人たちを見ていたと思っています。
ですから二回目に「キミたちは知らないんだ。ボクたちは見たんだ。」と老人が言ったときは、ほとんど蚊の泣くような声でした。
その時点で、もう相手も私が嘘を見破っていることを十分に分かっていると思ったので、『最後には「話をシェアしてくれてありがとう。」と言って愛想笑いをした』んですが、この愛想笑いも、正直に言えば少し意地悪なものだったと思います。この「Thank you for ~」は、言い方によってはかなり皮肉たっぷりになり、その雰囲気が相手にも伝わっていると思います。老人は話が終わってホッとしいるように思いました。
日本とアメリカが考える慰安婦問題の視点の違い
さて、一方で慰安婦像の土台に書かれている韓国側の主張についての私の意見ですが、私は「慰安婦・慰安所への日本軍の組織的な関与」はあっただろうと考えますし、「日本軍による組織的な強制連行」に関しても、20万人という数字は到底信じませんが、1人もなかったとは言い切れないと考えます。陸軍の師団単位とは言わないまでも、例えば「一人の上官の命令で複数の部下によって無理矢理連れ去られた」「酒に酔った一等兵や二等兵数人が共謀した」のであれば組織的と言えます。また「軍が選出した業者」が、実は韓国籍の悪徳業者で、韓国人女性らを強制的に慰安所へ連行したのであれば、それを容認していた、もしくは実態を知らなかったのであれば、軍にも責任があると言えるものだと思います。
また、コメント欄での「通りすがり」さんの書き込みにもありますように、米軍の公文書に、1944年8月に米軍がビルマ戦で捉えられた20人の韓国人慰安婦と、2人の日本市民に聞き取り調査をした報告書があります。(上画像右側リスト参照。)
これを日本側に有利な「慰安婦が売春婦に他ならない決定的な証拠」のように考えられる方々がたくさんおられます。それはおそらく「A “comfort girl” is nothing more than a prostitute(慰安婦少女は売春婦以外の何者でもない。)」という一文や、慰安婦たちが給料を貰っていたこと、慰安婦の生活が贅沢なものだったこと、ある程度の自由があったなどの部分だけを取り上げるからではないかと思っています。確かに米軍が「慰安婦=売春婦」だと記録している証拠なわけですから、私もこれを添付して、抗議文をグレンデール市とブエナパーク市には送っています。
ですが、この公文書の全文を読むと、そこには現日本政府の主張、つまり慰安婦に対する「軍の関与がない」「強制連行がない」という主張を否定する証拠にもなりうる記述ばかりであることには、あまり注意が払われていないように思えます。
またこの公文書(英文)を読む限り、学がなく無知だった韓国人女性たちが、「戦地で負傷した兵隊たちがいる病院を訪ね、彼らに包帯を巻くほか、”大まかに言えば、兵士たちをハッピーにする簡単な仕事” だ」と言われて、現地での正確な仕事内容(性的サービス)を知らされれないまま、家族の借金の返済などを理由に「入隊」(enlist)させられているわけです。また、ご丁寧にも「”oldest profession on earth”(売春業)」を経験したことがない(素人)がほとんどだとまで書いてあります。さらに週に一回、日本軍の「軍医」が慰安婦たちの性病検査に来ているわけですから、これも日本軍の関与を証明するものでもあるわけです。
The nature of this “service” was not specified but it was assumed to be work connected with visiting the wounded in hospitals, rolling bandages, and generally making the soldiers happy. The inducement used by these agents was plenty of money, an opportunity to pay off the family debts, easy work, and the prospect of a new life in a new land, Singapore. On the basis of these false representations many girls enlisted for overseas duty and were rewarded with an advance of a few hundred yen.
The majority of the girls were ignorant and uneducated, although a few had been connected with “oldest profession on earth” before. The contract they signed bound them to Army regulations and to war for the “house master ” for a period of from six months to a year depending on the family debt for which they were advanced
そして、ここが大事な点だと思うのですが、日本側の考える慰安婦問題の争点が「軍の関与と強制連行の有無」ばかりに固執しており、その証拠がなければ問題がないという姿勢でいるように思うのです。しかし、アメリカをはじめ国際社会が問題にしているのは、日本の慰安婦問題が、現代社会で非常に大きな問題となっている人身売買「HUMAN TRAFFICKING」と全く形態が同じであることであり、これを理由に日本を糾弾しようとしているということだと思うんです。日本政府や多くの日本人の視点にはこの部分の認識がない気がしてなりません。
でも、そういう視点で慰安婦問題を見たときに、糾弾されるべきなのは決して、70年も前の日本の慰安婦問題だけではないはずなのです。すでに挙げた韓国軍慰安婦問題や、ベトナム戦争時の韓国軍によるベトナム女性レイ○問題も同様なわけです。さらには終戦直後、米軍が日本を占領したときに、どれだけ多くの日本人女性たちがレイ○被害にあったかなどは今ではあまり知られていませんが、当時、占領した米軍によって日本各地でレイ○被害が多発し、小学校までが性被害にあって閉鎖したような事件もあったのです。こういう背景があって、終戦直後に「特殊慰安施設協会(RAA)」(本記事最上部写真参照。)が全国各地に設置されたわけです。
軍による組織だった慰安所が出来る理由は、占領直後に軍隊が現地の女性をレイ○する事件が必ずと言っていいほど多発するからであって、現地のひとびとの反感や暴動が広がるのを抑制するため慰安所が設置されるわけです。ですから占領直後から慰安所が設置されるまでの間には、いくらでも違法行為があったと考えられるものだと思います。
そして、現在の沖縄米軍基地周辺での米兵による一般市民のレイ○事件も言ってしまえば、その延長線上にあると考えて良いと思いますので、現在目の前にある問題を無視して、70年前の出来事で一方的に日本だけが慰安婦問題で国際社会で裁かれるのは極めて理不尽なことだと考えます。
Japanese Prisoner of War Interrogation Report 49
HumanTrafficking.org
存在しないはずの慰安婦論争
もし万が一にも、すべて韓国側の主張通り証拠が出て来たとしても、「だからなんなんだ?」という思いも正直あります。
そしてこの意見は何年も前から変わらないのですが、まず1965年の日韓基本条約締結時に、両国間の財産、請求権について「竹島問題以外の案件」は慰安婦問題も含んで全て解決されたという両国間の確認があり、これと引き換えに日本政府は10億ドルを超える韓国への経済協力をしたわけです。その10億ドルのうちの個人補償分の配分と、対象から元慰安婦を除外する決定をしたのは、韓国政府自身なのです。言い方は悪いですが、本来補償を受け取るべき韓国国民には日本政府の対応をきちんと知らせずに、政府関係者が掠め取っておいて、国民の不満を日本に向け続けていると取れるわけです。
日本はやはり国際社会でのアピールが上手くない国なのだなと思ってしまいますが、10億ドルも払うのであれば、例えばアメリカ大統領にでも立ち会ってもらって第三者の承認のもと、全世界に中継してハッキリとした日韓の力関係を示しておくべきだったとも思います。
アメリカの韓国人の友達にこの話をしても、誰もこんな経緯を知りません。ただ、それを知ったところでこれが「経済発展のための協力」とされているので、日本もそこから見返りを得ていると考える人もいて、感情的な部分ではやはり何も解決されないわけです。彼らが問題にするのは、日本人がみんな日韓問題自体に興味がないということのようです。実際そうだし興味がないよと答えると、今度は教育の話になります。確かに彼らが言うように、慰安婦問題自体が日本国内ではほとんどタブー視されてきたためか、国民が無関心、もしくは知らないまま今に至っていると思います。
ですから本来は、政府がきちんと実態を調査した上で、河野談話や村山談話のようなものがあり、謝罪するべきところは謝罪し、慰安婦問題の実態を国民が認識した上ではじめて日韓基本条約を締結するべきだった思います。なぜなら10億ドルという「補償金」は、日本人の税金から払われているわけです。国民は、慰謝料を払わされた上に、まだ糾弾されている状態なわけです。そして、現在では河野談話を否定しているのですから、外から見れば横暴にも映るでしょうし、日本政府や日本国民がその慰安婦問題の「実態」をどれだけ把握しているかというところに焦点が集まってしまうわけで、そこに大きなもどかしさを感じてしまいます。
米国議会慰安婦決議案を「東京裁判」の繰り返しにさせないために
私は、過去にも現在にも世界中で普遍的に起きている女性の人権問題の中で、日本の慰安婦問題だけが米国議会で持ち出され、日本だけが国際的に糾弾されている様子を見ていると、どうしても「東京裁判」が浮かんできてしまいます。決して戦時中の日本を肯定するわけではありませんが、長い歴史を振り返れば、欧米列強をはじめ多くの国家が他国への侵略を繰り返してきた中で、日本だけがある意味では「不当に」裁かれたわけです。
「強制連行の証拠なんか絶対にない。」と言い切ってガラパゴス状態になってしまう日本を見ていると、「絶対に皇軍が負けるはずがない」と言いながら敗戦を迎えた頃の日本、つまり東京裁判で、アメリカをはじめとする国際世論の言われるがまま裁かれた頃の様に、日本国民全員が俯いてしまう姿が浮かんでしまいます。ですから、「慰安婦問題は存在しない」とする姿勢もひとつの政策だというのは理解できるのですが、慰安婦問題がすでにアメリカや国際社会を巻き込むレベルにまで発展していることも受け入れて、最悪の事態にも備えておく必要があるとも考えます。
私がこう考える背景には、コレが国際社会の目にさらされたら、国際世論的には日本が不利になるだろうと危惧する事柄が複数あるからです。その多くは、まだ日が当たっていないだけですぐそこにあるようなものだと思うので、韓国側の意図するように、慰安婦論争が世界各地で広がるほど、少しずつ明るみに出てくるのではないかとも考えます。もしくは識者や政治家の中には、そういうものを知っていて「戦略的に」「したたかに」黙っている方々もいるのかもしれません。もう10年しらを切れば、証言者が他界するし、ほとぼりも冷めると考えている方々ももしかすればいるのではないかとさえ思ってしまいます。
また今、韓国では慰安婦問題を取り上げた大々的なドキュメンタリー映画を制作してるそうですが、私はすでに韓国内で放送された海外向けのドキュメンタリー作品を見たことがあります。これもまたかなり生々しい内容であり、被害者として登場するのは、韓国だけではなく、中国・オランダ・フィリピンと幅広く、現地取材もしており、現存する上海の慰安所をはじめ「日本軍による集団レイ○の現場」とされる場所などが、当時の被害者の証言とともに紹介されます。効果的な音楽の使い方や再現映像なども含めて非常に完成度は高く、慰安婦の「実態」に、胸が詰まり、涙が浮かびそうなほどの出来栄えです。櫻井よしこさんや青山繁晴さんが見ても数秒間は黙ってしまうのではないでしょうか。慰安婦問題をよく知らない日本人の皆さんが見たらトラウマになってしまいそうな気もします。そして、これを全て捏造・嘘と押し切るのはどうにも無理があるように見えてしまいます。
これを見たときに思い出したのは、太平洋戦争への参戦を正当化するためにアメリカが制作し、400万人以上のアメリカ人の戦意を鼓舞したと言われる戦争プロパガンダ映画「バトル・オブ・チャイナ」です。同作品「バトル~」には捏造箇所が多かったにも関わらず、東京裁判の証拠資料となってしまい、現在でもなお中国の反日教育で使用されています。こういった韓国側の戦略的なプロパガンダ作品が世界中で放送されれば「バトル・オブ・チャイナ」ほどのインパクトがあると思いますし、同じ様に韓国制作の慰安婦ドキュメンタリー映画が、米国議会などで「証拠」として利用される可能性も十分に考えられるのではないでしょうか。いくら捏造箇所を発見して指摘したところで、東京裁判がどういうものだったのかを考えれば、それが今また繰り返されないという保証はどこにもありません。
「慰安婦問題」の前向きな解決方法を考える
日本の慰安婦問題は今、世界中が抱える女性に対する人権問題や「ヒューマントラフィッキング(人身売買)」の象徴にしたてあげられ、日本だけが時代を越えたスケープゴートにされようとしているのです。
そして万が一日本の慰安婦問題のみが国際社会で裁かれるのであれば、こんなに理不尽なことはないわけですが、その結果がどうであれ、日本人が日本語の教科書で子供たちに何を教えるべきか、また国歌、国旗、旭日旗、靖国参拝、外国人参政権、憲法などの扱いについても、決してこれを他国に意見されたり、指図されるべきことではない全く別の問題だと考えます。
慰安婦問題が、日韓の問題ではなくて、国際社会で取り上げられるのであれば、これは「女性に対する人権問題」という広い観点で、世界各国が同時に裁かれ、その解決策も世界各国が手を取りあって考えるべきことだと思います。
そう考えたときに私が思うのは、慰安婦問題を世界普遍的な「人権問題」のひとつと位置づけてこれをどう解決するか、新しい世代にどう引き継いでいくかの「教育問題」として、逆に日本が世界に向けて訴えかけ、国際社会でリーダーシップを発揮していくことは出来ないのかということです。それを、現安倍内閣であれば、小渕優子さん(「平成おじさん」小渕元首相の娘)のように、若くて芯のしっかりされた、世界に通用するような存在感のある女性議員が主導で行い、首相以下周囲と日本国民全体が支えながら、国際社会に訴えかけていく。そんな日本であれば未来も明るいような気がします。あくまでも私の考える理想論でしかありませんが。
先日、慰安婦問題を「教育」という観点から見るというきっかけを与えてくれた大変興味深い出来事がありました。今回グレンデール市では残念ながら、慰安婦像が設置されましたが、7月23日にブエナパーク市で開かれた公聴会では、日本にとっては頼もしく、心強い、そして、当事者ではない第三者であるひとびとの意見を聞いて、なるほどな、そういう見方もあるんだな、ととても関心させられましたので、次回の記事にさせていただきますが、この公聴会で発言された(韓国系ではない)アメリカ市民の方々や、ブエナパーク市長のエリザベス・スイフトさんのご意見を聞くと、日中韓間で現在起きている問題の解決の糸口が見えてくるような気もします。
< 注 意 > 今回、私がここに書かせていただいたことは、あくまでもワーストケース・シナリオであり、取り上げた文書や事例に関しての解釈を日本側に不利に受け止めた場合、また他の事柄につきましても最悪の事態を想定した場合を前提にした意見ですので、これらを以って日本政府を非難するような意図ではないことをご理解ください。
< 慰安婦問題 in ロサンゼルス >
– 慰安婦問題 in ロサンゼルス 第1弾 – ロサンゼルス・グレンデール市に設置された慰安婦記念像を実際に見てきたから報告するよ。
– 慰安婦問題 in ロサンゼルス 第2弾 – ホントはもっとドロ臭かった韓国人老夫婦とのやりとりと筆者のホンネ
– 慰安婦問題 in ロサンゼルス 第3弾 – 慰安婦像設置案を一蹴したブエナパーク市長エリザベス・スイフトさんの発言が素敵だっ!