2015年4月1日18時44分
NHKの報道番組「クローズアップ現代」(昨年5月14日放送分)で「取材にやらせがあった」と週刊文春が報じた問題で、記者からやらせ指導を受けたと主張する大阪府内の男性(50)が1日、大阪市内で弁護士の立ち会いのもと会見し、NHKに訂正を求める申入書を提出したと明らかにした。
番組は、出家して戸籍名を変えることで債務記録の照会を困難にし、借金の返済を免れるなどの「出家詐欺」の特集で、男性は出家を斡旋(あっせん)するブローカーとして登場した。関西のビルの一室がブローカーの事務所と紹介され、この男性と、事務所を訪れた多重債務者とされる別の男性らに直接取材する模様が放送された。
しかし男性によると、事前に記者からブローカー役を演じて欲しいと指示を受けて撮影されていたという。男性は会見で、「ブローカーの経験はなく、犯罪者のような放送がされたことに憤りを感じている」と話した。
男性は1日、NHKの聞き取り調査に応じたという。その際に提出した申入書によると、NHK側に7日以内の回答を求め、聞き入れられない場合は放送倫理・番組向上機構(BPO)の放送人権委員会へ申し立てるとしている。
NHK広報局は「男性とそれ以外の関係者の話などに食い違いがあり、引き続き取材のプロセスを確認する。事実関係がまとまった時点で公表を考えている」としている。
この問題を巡っては3月18日、民主党の総務・内閣部門会議でNHK報道担当理事が「現在のところは問題ないと考えているが、これからも調査は続ける」と説明している。
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