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ラモー、新クラヴサン組曲集。 [before 2005]
4月1日です。何か大嘘をついてやろうと考えたのですが、なかなかおもしろいのが思い付かない... クラシックで、おもしろい大嘘をつくとしたら、どんなのがあるだろう?ま、どんなのがあるだろう?なんて考えているようでは、きっとつまらないものになるので、今年は、やめときます。さて、あっという間に桜が満開です。ちょっと、急展開過ぎて、びっくり... とはいえ、気温はすでに20℃を超えている!ともなれば、やっぱり、あっという間か... それにしても、20℃?!着るものがまだ冬仕様なものだから、参ってしまう。一方で、窓を開け放ち、うららかな風を部屋に呼び込める季節となったことに、ほっとさせられる。やっぱり、春はいいなァ。
ということで、春、フランスを巡る... いや、巡って来たのだけれど、ちょっとドイツの方へふらふらっと寄り道(?)をしたので、ここで、再び「フランス」の中心へ... アレクサンドル・タローのピアノで、ラモー(harmonia mundi FRANCE/HMC 901754)を聴く。
フランスの外から「フランス」を捉える... マスネ、フランク... [2006]
最近、神社の本をいくつか読む。で、神社について知らないことがいっぱいあることを思い知らされる。一方で、日本の神様について、実は、よくわかっていないことも多いらしいことを知る。つまり、本当の意味での日本のオリジナルとはどんなものだったか?記紀は多分に編集されているようだし、仏教ともハイブリットな期間が長かったわけだし、それをまた近代日本が強引にひっぺがしたことで、余計にオリジナルから遠くなったようなところもあるようだし、結局、オリジナルなんてものは幻想に過ぎないのかもしれない。裏を返せば、様々に外からの影響を受け歩んで来た道程こそが"オリジナル"と言えるのかも... 変容してゆく姿こそが、日本のオリジナル... それは一言で語り切れるような代物ではなく、安易に「日本的」なんて、ひとつのイメージで括ることはできない。
さて、この春、フランスを巡って来たのだけれど、フランスもまた、ひとつのイメージで括ることのできない国... 思いの外、ドイツ的でもあったシャブリエの音楽を聴いて、ふとそんなことを考えてしまう。そしてまたさらに、「フランス」というイメージを越えてゆく音楽を聴いてみようかなと... トルコのピアニスト、イディル・ビレットと、アラン・パリスの指揮、トルコのオーケストラ、ビルケント交響楽団の演奏で、マスネとフランクのピアノのための協奏的作品集(Alpha/Alpha 104)を聴く。
ドイツ的な手堅さの上に、カラフルなフランス!シャブリエ・スタイル... [before 2005]
えーっと、ちょっと報告というか、何というか... ほとんど更新のお知らせでしかなかった、音のタイル張り舗道。つぶやき版、でしたが、春分の日あたりから、突如、つぶやき始めています。春だからか?いや、ここで書き足りなかったことが、積もり積もって、つぶやきとなって、ドバっと溢れてしまったような... でもって、今頃になって、ようやく、つぶやくということが、どういうことか、解って来たような... というあたりはさて置き、書き足りない=蛇足であることがほとんどでして、とんだ軽口だったりするのですが、よろしかったら、twitterの方も...
さて、桜が咲き始めました。が、冬が戻る!一度、暖かな春の陽気を味わってしまうと、寒の戻りに、どうもテンションは下り坂傾向(おまけに、風邪気味... )。なので、ここはひとつ、楽しく弾けようかなと。ジョン・エリオット・ガーディナーの指揮、ウィーン・フィルハーモニー管弦楽団の演奏で、シャブリエの管弦楽作品集(Deutsche Grammophon/447 751-2)を聴く。
恐るべき若者... 鬼才、ベルリオーズのビッグバン! [before 2005]
さて、春分を過ぎました。春です。ふと見上げる桜の枝には、随分と膨らんだ蕾があり、すでに花弁の桜色が見え始めている!開花はもうすぐそこ、といった感じ。しかし、萌えいづる春... 桜に限らず、あちこちで芽吹き、蕾を付け、花を咲かせようとするパワフルさ!一見、穏やかな季節に思う春だけど、実は、どの季節よりもパワフルなのかも... ということで、そんなパワフルな春に聴く音楽... プーランク、ドビュッシー、ドリーブと、花々しいフランス音楽の系譜を遡って来ての、鬼才、ベルリオーズ!で、「ベルリオーズ」という個性が開花する目前、大きく膨らんだ蕾とも言える作品、いや、もはや爆弾か... 若さが爆発する、荘厳ミサ!
ジョン・エリオット・ガーディナーが率いるオルケストル・レヴォリュショネル・エ・ロマンティクの演奏、モンテヴェルディ合唱団のコーラス、ドナ・ブラウン(ソプラノ)、ジャン・リュック・ヴァイラ(テノール)、ジル・カシュマイユ(バス・バリトン)のソロで、1991年に再発見された、ベルリオーズの荘厳ミサ(PHILIPS/442 137-2)。いや、久々に聴いてみて、思わず戦慄する。
覚醒前夜の芳しき「フランス」!ドリーブ... [before 2005]
フランス・バロック、最後の巨匠、ラモー(1683-1764)の死から、再びフランスの独自性が覚醒する、ドビュッシー(1862-1918)の出現まで、フランスの音楽は、ウィーンの古典派、続くドイツ・ロマン主義、そしてイタリア・オペラに、すっかり押されてしまう。もちろん、フランス云々というレベルを越えた鬼才、ベルリオーズ(1803-69)、フランス・オペラ、最大のヒット作、『カルメン』(1875)を忘れるわけには行かないのだけれど、ラモーとドビュッシーの間のおよそ1世紀半、音楽史にインパクトを与えるような独自性を持つフランス音楽はなかなか探せない。とはいえ、「フランス」らしさはあちらこちらから聴こえて来る。かえってインパクトに誤魔化されない、さり気なさの中に聴こえるフランスこそ、より「フランス」を感じるのかも。でもって、魅惑的なのかも。
そんな「フランス」の作曲家、ドビュッシー出現前夜、劇場で活躍したドリーブ(1836-91)を聴いてみることに... ケント・ナガノが率いたリヨン歌劇場管弦楽団の演奏で、バレエ『コッペリア』(ERATO/4509-91730-2)と、ナタリー・デセイ(ソプラノ)がタイトルロールを歌う、ミシェル・プラッソンが率いたトゥールーズ・カピトール劇場による、オペラ『ラクメ』(EMI/5 56570 2)を聴く。
そんな「フランス」の作曲家、ドビュッシー出現前夜、劇場で活躍したドリーブ(1836-91)を聴いてみることに... ケント・ナガノが率いたリヨン歌劇場管弦楽団の演奏で、バレエ『コッペリア』(ERATO/4509-91730-2)と、ナタリー・デセイ(ソプラノ)がタイトルロールを歌う、ミシェル・プラッソンが率いたトゥールーズ・カピトール劇場による、オペラ『ラクメ』(EMI/5 56570 2)を聴く。
象徴主義の魔法に掛かった森で出会う、ペレアスとメリザンド。 [before 2005]
春の野原にピクニックに行ったようなプーランクの後で、じっくりとドビュッシーを聴いてみようかなと... ところで、ドビュッシーなのだけれど... 強い個性に眩惑されて、実は、その実体を掴み損ねて来たような... 改めてこの作曲家と向き合ってみると、そんなことを思わされる。長らく「フランス」としての個性を忘れていたフランスの音楽が、再び覚醒する、ドビュッシーの出現。ドイツのロマン主義に対抗する、フランスの印象主義の音楽、アンチ・ワーグナーにしてプレ・モダンのドビュッシー... 漠然と捉えていたそのイメージを、今一度、洗い直して見ると、そう簡単に構図化できるほどドビュッシーの音楽は一筋縄ではないことを思い知らされる。印象主義というよりは、象徴主義に傾倒したドビュッシー。アンチ・ワーグナーとはいえ、かつては熱烈なワグネリアンであり、その音楽は間違いなくワーグナーの延長線上に存在しているというパラドックス。この、聴く者を煙に巻くような態度から、強い個性が生み出されているわけだ。いや、だからこそ、眩惑されるような感覚が生まれるのかもしれない。
というドビュッシーに眩惑される春。春眠、暁を覚えず、覚めることのない夢を見続けるようなオペラ... クラウディオ・アバドの指揮、ウィーン国立歌劇場による、ドビュッシーのオペラ『ペレアスとメリザンド』(Deutsche Grammophon/435 344-2)を聴く。
プーランクで、ピクニック!ダンス! [before 2005]
すっかり日差しが春めいて来ました。しかし、太陽自体は冬と同じなのに、間違いなく日差しは朗らかになって来るのだから、不思議... もちろん、地軸が傾いているからなのだけれど、日々、明るさを増す日差しに、それほど地軸は傾いているのか?なんて、思ってしまう。って、そんなことを思っている頭がすでに春かァ。さて、春の兆しを求めて、フランス音楽の黎明を追って来たのだけれど、このあたりで、「フランス」が花々しく咲き誇る頃を聴いてみようかなと... ということで、時代は下り、20世紀前半、まるで花見の宴会のようなフランス6人組の音楽から、プーランクを聴いてみる。あっけらかんと「フランス」を繰り広げる音楽は、とにかく楽しい!
そんな、楽しいプーランク... シャルル・デュトワが率いたフランス国立管弦楽団による、プーランクの管弦楽曲集を2枚... 田園コンセール、フランス組曲といった、フランスのカントリー・サイドを活き活きと捉えるVol.1(DECCA/452 665-2)に、『牝鹿』、『ジャンヌの扇』、『エッフェル塔の花嫁、花婿』など、お洒落で都会的なバレエを集めたVol.2(DECCA/452 937-2)を聴く。
そんな、楽しいプーランク... シャルル・デュトワが率いたフランス国立管弦楽団による、プーランクの管弦楽曲集を2枚... 田園コンセール、フランス組曲といった、フランスのカントリー・サイドを活き活きと捉えるVol.1(DECCA/452 665-2)に、『牝鹿』、『ジャンヌの扇』、『エッフェル塔の花嫁、花婿』など、お洒落で都会的なバレエを集めたVol.2(DECCA/452 937-2)を聴く。
悲しみを越えて、送り出す、ジルのレクイエム。 [before 2005]
3月11日、再び、この日がやって来ました。普段は何気なく過ごしていても、あの日のことを思い起こすと、未だに胸が締め付けられ、居た堪れなくなる... きっと、被災された方々ならば、なおのことだろう... そして、亡くなられた方々だ... 少し前に、被災地で幽霊の目撃談が多く語られている、という記事を読む。信じるか信じないかは、あなた次第... かもしれないけれど、語られているケースをつぶさに見つめると、そこには単なる怪談では片付けられない切実さ(例えば、死んだという現実を認識できていない... )があって、胸が痛い。また、そうした幽霊の存在を、温かく見守る被災地の人々の心情もあって、切なくなってしまう。そこで、今日は、祈りを籠め、レクイエムを聴いてみようと... ただその死を嘆くのではなく、死者を静かに送り出すようなレクイエムを...
フィリップ・ヘレヴェッヘ率いる、フランスのピリオド・アンサンブル、ラ・シャペル・ロワイアルと、アニェス・メロン(ソプラノ)ら、ピリオドで活躍する歌手たちによる、フランス・バロックの隠れた名作、ジルのレクイエム(harmonia mundi FRANCE/HMC 901341)を聴く。
ポスト・リュリ、ニュー・エイジなクープラン。 [before 2005]
えーっと、湯島天神の梅まつりに行ってきました。
ちょっと渋過ぎ?けど、みんな桜は見に行くよね?そんな風に考えたら、梅だってもっと見に行っていいはず... とか何とか言いながら、梅まつり初体験。いやー、梅干しではなく、梅の花を見るというのが、かなり新鮮だった。で、やっぱり、梅と桜は違うなと。似ているようで、違う。梅の花は桜の花に比べると小ぶりだからか、グっと枝ぶりが強調されるところがあって、引き締まった印象を受ける。華やかにして精悍。そんなイメージ。で、江戸時代における、梅=若衆というアレゴリーに、何だか合点がいった。しかし、江戸の人々の観察眼、物事を捉えるセンスって、冴えている。そんな日本のかつての姿、キリスト教近代主義に裏打ちされた作為的な「伝統」ではなく、日本が長い時間を掛けて育んで来たはずの豊かな感性、多様性というものに、今、もの凄く興味を覚える。現代日本社会には、今こそジャポニスムが必要な気がする。ナショナリズムではなくて、ジャポニスム。
とか書きながら、クラシックなんだなァ。説得力無し... ということで、音楽に話しを戻しまして、春、フランスを巡る、の続き... 梅のリュリの後の桜だろうか?ロココへとうつろう頃のたおやかさ... ウィリアム・クリスティ率いるレザール・フロリサン、ソフィー・ダヌマンとパトリシア・プティボンのソプラノで、クープランのルソン・ド・テネブル(ERATO/0630-17067-2)を聴く。
春、フランスを巡る... [selection]
春の兆しを求めて、フランス音楽の黎明期、多声シャンソンの新しい潮流からコメディ・バレまでを辿って来たのだけれど、ここで、改めて、春に聴く「フランス」をセレクションしてみる試み。って、そもそも「フランス」って春なの?と、突っ込まれそうなのだけれど、どうも、当blog的には、春は「フランス」、というのが定番になっているようでして... 一年前、どんなCDを取り上げていたかなと見返すと、それこそ現存最古のバレエ、『王妃のバレ・コミック』に始まり、フランス革命の頃まで、フランス音楽史を追っていたり... さらにニ年前には、フォーレ、ロパルツ、ケクラン、さらにはフェヴァンに、ペロタンと... 意識して「フランス」を取り上げていたわけではないのだけれど、どうも春先になると、「フランス」が聴きたくなる?という自身の習性から導き出した、春は「フランス」。
明朗なるフランス音楽の春的性格を探りつつ、この春に聴きたい、春の匂いを漂わせるフランス音楽をセレクション。まだまだ肌寒く、桜の頃はまだ先ですが、一足先に音楽から春を感じてみる。ということで、冬の「北欧」に続いて、春、「フランス」を巡る。
明朗なるフランス音楽の春的性格を探りつつ、この春に聴きたい、春の匂いを漂わせるフランス音楽をセレクション。まだまだ肌寒く、桜の頃はまだ先ですが、一足先に音楽から春を感じてみる。ということで、冬の「北欧」に続いて、春、「フランス」を巡る。
タグ:フランス
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