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「NHKクローズアップ現代でやらせ」 番組中で〝ブローカー〟の男性が訂正申し入れ
NHKの報道番組「クローズアップ現代」などで記者の指示によるやらせがあったと週刊文春が報じた問題で、番組中で詐欺のブローカーと紹介された大阪府在住の男性(50)が1日、「ブローカーをしたことはなく、犯罪者のように放送されたことに憤りを感じる」としてNHKに訂正放送を求めたことを明らかにした。同日、大阪市内で報道各社の取材に応じた。
男性と代理人の弁護士によると、男性はNHKの記者から、多重債務者が出家して別人になりすまし、融資を受ける「出家詐欺」のブローカー役になって債務者とやりとりする演技をしてほしいと依頼され、昨年4月ごろ、撮影に協力。その際の映像は同月に関西地区ローカルの報道番組「かんさい熱視線」で、5月には「クローズアップ現代」で、実在のブローカーを隠し撮りしたものとして放送された。
男性は「再現映像の撮影だと思っていた。記者からどのように放送されるか一切説明はなかった」と説明。同日、NHKから聞き取り調査を受けた際に訂正を求める申し入れ書を提出した。NHKからの回答によっては、放送倫理・番組向上機構(BPO)へ人権侵害の申し立てを検討しているという。
NHK広報局は「男性と他の関係者の話に食い違いがあり、引き続き取材のプロセスを確認する作業を行っている。事実関係がまとまった時点で、何らかの形で公表したい」と話している。