ハートネットTV ブレイクスルー25「シッティングバレーボール・嵯峨根望さん」 2015.03.30


ただ「危ない」と教えるだけではなくて自分は安全で大切な人たちに見守られていると感じる事それが子どもが自分で自分を守る力を育てる基本になります。
地域で協力して子どもを見守りましょう。
足に障害のある選手が上半身を駆使してプレーする…
パラリンピックの人気競技だ
来年のリオ大会出場を目指す日本代表
だ〜!
チームを明るく引っ張るのが…
最大の強みは両足を切断している事で生まれる…
そしてどんな時でもへこたれない前向きな性格
しかし過去には障害を隠し続けた日々があった。
義足をつけて歩く姿をからかわれいじめられた
嵯峨根さんを変えたのは一人の友との出会い
外すで?
それまで隠していた足を人前で堂々とさらけ出せるようになった
人と違う体だからこそ出会えた人生がある。
義足を脱ぐ事で切り開いた嵯峨根望さんの挑戦です
・すんません。
和泉市役所高齢介護嵯峨根です。
嵯峨根さんは地元の市役所で働いています。
地域で暮らすお年寄りの支援を続けて5年。
お年寄り一人一人の相談に熱心に乗り帰宅は深夜になる事もあります。
一日中義足をはいていると帰った時には足はパンパン。
(嵯峨根)これは…汚れないんでね。
(嵯峨根)僕の足じゃないんで。
生まれた時から骨の病気で両足が変形していた嵯峨根さん。
発育に影響するため足を切断せざるをえませんでした。
2歳になると義足をつけてみんなと一緒に走り回って遊ぶようになりました。
保育園ぐらいの時。
期待に胸を膨らませ小学校に入学。
しかし新たな生活はつらい日々になりました。
からかわれるようになりました。
以来嵯峨根さんは足の事を徹底的に隠します。
プールに入る時でさえバスタオルを巻いたまま。
人と違うのはダメだという思いを抱えるようになったのです。
そんな嵯峨根さんに声をかけた友人がいます。
土の感じが…いや分からへんわ俺義足やから。
いつも明るくふるまう嵯峨根さんに引かれ一緒に遊ぶようになりました。
学校帰り毎日この公園で遊んでいた2人。
(嵯峨根)パンツ一丁になって遊んでた?パンツ一丁になってたのは多分こっちやと思うんだけど。
多分ね。
中学生になるとさらに友情は深まります。
成績の事や恋の悩み…。
日が暮れるまで語り合いました。
しかし嵯峨根さんは自分の足の事だけは中塚さんにも話しませんでした。
本当の足を見せたら離れていってしまうのではないか。
そんな嵯峨根さんに転機が訪れます。
中2の夏中塚さんの家に泊まりに行った夜の事。
足を隠したまま朝を迎えるつもりでしたが暑さと痛みに耐えられなくなります。
そして恐る恐る中塚さんに切り出します。
中塚さんは変わらぬ表情で答えました。
望の気持ちも…僕には分からなかったので…中塚さんは自分が言いだすのを待っていてくれた。
嵯峨根さんは自分が隠していたのは足ではなく心だったと気付きました。
スタジオには嵯峨根望さんとご友人の中塚伸夫さんにお越し頂きました。
よろしくお願いします。
(2人)よろしくお願いします。
VTRの中では望って言ってましたけれども中塚さんの事は何て呼ばれてるんですか?ノブリンですね。
もう小学校の時からずっとノブリンやったんで。
やっぱつきあいが長いとあだ名のままそのまま大人に突入するからね。
ちょっと嫌なんですけどね。
どっかでもうバツッと。
バツッとね。
テレビでノブリンっていうのも…。
ちょっと恥ずかしいですね。
27歳でもノブリンですもんね。
はい。
中塚さんはまあ「やっと見せてくれた」って言ったけどその時どう思いましたか?まあやっぱり初めてこの形を見たら「お〜」とは感じましたけど子どもやったらやっぱり意識すると思うんですけどこういう足の事とか。
でもそれを逆に意識させないぐらいのこのキャラクター性っていうのがあって正直もう僕からしたらあまり関係ないんですよね。
望が足がないとかいうのは。
見せてよかったですか?見せてよかったですね。
足悪かったのは知ってたけどそれが生まれつきやったのか交通事故やったのかそんな事も全然僕は言えてなかったですし仲いい友達やのに…隠してた事自体が何か恥ずかしいし申し訳なかったなぐらいまで思うようにはなりましたね。
見せた事によってやっぱり出会えた人とかできた経験っていうのはすごい大きい事なんで見せてなかったらもしかしたら…家おったんかもしれないですね。
ずっとね。
嵯峨根さんは今学校での講演に力を入れています。
こんにちは!
(児童)こんにちは〜!はいよろしくお願いします。
ありがとうございます。
子どもたちに話すのは足を隠し続けていたみずからの過去。
そして自分を受け止めてくれた友達の存在についてです。
(嵯峨根)じゃあ外すな?人と違うという悩みがある時どうすればいいか。
自分の体験が少しでもヒントになればと包み隠さず話します。
(嵯峨根)何て?
(嵯峨根)かわいそう?せやな。
「いつか自分から勇気を出して打ち明けられる人にきっと出会える」。
これまで30校以上で伝えてきた思いは子どもたちに届いています。
「私は友達があまりいないです。
でも嵯峨根さんのお話を聞いて少し勇気をもらいました」。
「私は前やけどを負いました。
まだやけどのすごい痕が残っています。
友達に見せたくないと思っています。
いつか無理して隠さなくてもいいんだと思えるようになるまで待ってみます」。
嵯峨根さんの言葉に影響を受けているのは子どもだけではありません。
嵯峨根さんの小学1年生の時の担任です。
当時嵯峨根さんから「足の事で周りにからかわれ傷ついている」と相談を受けました。
渡辺さんはいじめられないようにと学年全員の前で嵯峨根さんの足について説明しました。
しかしその行為について改めて考えを巡らせているといいます。
もしもし渡辺先生。

(渡辺)はい。
よろしくお願いします。
風間俊介と申します。
よろしくお願いします。
・よろしくお願いします。
渡辺先生みんなに話したっていうのは…今振り返ってみてどうですか?・ところがそれからいろんな話をいろんな人に聞いたり彼自身の大学の卒論なんかを読んでいくうちに…大人の対応としては正しいように思うんですけどやっぱり子どもの世界で言うと子どもたち同士が自分たちで見つけていくみたいな事が大事だったって事なんでしょうかね?・そうですね。
・望君に限らず…みんなの前で言うっていう事自体があんまりピンとは来てなかったとは思うんですけれどもまあ僕は先生が前に立った事を今でも覚えてるんですけれども舞台の前に立って話しだしたぐらいのタイミングで僕はその時の記憶がスッと抜けてて次に気が付いたら1年生から同じクラスやった子が僕の肩をたたいて大丈夫やでって言うてくれてたんですけど僕自身それがみんなと違うんやっていう事をまあみんなの前で言う事で感じさせられるというか…。
でも渡辺先生がほんまに言ってくれて今思ったらそれでほんまに僕の嫌な思いっていうのは確実に減ったんでそれはでもありがたい事ではあったんですけどね。
ありがとうございます渡辺先生。
・望君頑張ってね。
はい。
またお願いしときます。
は〜い失礼しま〜す。
・失礼します。
という事で渡辺先生のお話を聞いて中塚さんはどう思われましたか?子どもから見る目線と大人から見る目線というのは全然違うんだなというのは改めて感じましたしほかの友達にする気遣いとか気配りと同じ事をただしてるだけっていう感覚ですね本当に。
だから気持ちの問題じゃないかなと思うんですよね。
そういうところをうまく…大人の人も子どもに対してうまく砕きながら伝えられればいいな〜っていうふうに思いましたね。
嵯峨根さんが自分の体を生かして挑戦している事があります。
義足を脱いでプレーするシッティングバレーボール。
日本代表として来年夏のリオパラリンピック出場を目指しています。
シッティングバレーボールはお尻の一部を常に床に着けてなければなりませんがそのほかのルールはバレーボールと同じです。
嵯峨根さんのポジションはセッター。
ボールの下に素早く体を入れいかに正確なトスを上げられるかが勝負です。
最大の強みは両足を切断しているからこそ生まれるスピード。
そしてピンチに負けない精神力。
よし来い!嵯峨根さんたちの前に立ちはだかるのは世界の強豪国。
リオに行くためには来年3月の最終予選で優勝しなければなりません。
嵯峨根さんの活躍が期待されています。
ちょっとじゃあ前のほうに落としますね。
はい動いて。
そうですそうです…。
すげえドキドキする。
あれ?動いて動いて…。
そうですそうです。
うん。
動かれない。
前のほうに…。
うわっ!
(笑い声)横やったら横に。
うん!そうですね。
そうそうそうなんです。
これすごいですね!この何か…手で移動する時に必ず今手を使わないと俺移動できないんですけど手で移動してから上に上げるから速く動かないと全然間に合わない。
そうですね。
こっちに来たら…。
うわ〜!だからもう読み合いというか落ちる所の下に入りたいけどそれって相当難しいですよね。
そうですね。
もうほんまに相手がどういう格好であるかというのを見てどこにボールが飛んでくるかっていうのを早く予測して下に入ってボールに触る。
一回ボール借りてもいいですか?お〜!お〜!やっぱり仲間とのコミュニケーションだったりとかアイコンタクトだったりとか信頼関係だったりとか。
そうですね。
僕とノブリンが築けてるように信頼関係が大事やと。
ふだんやんないと思うんですけどアタック的なのって…。
ちょっと軽く上げてもらって。
誰に?はい。
あっいいんですか?そんなに…ここじゃあノブリン。
そこに?いくよ。
うお〜!怖っ!パラリンピックの最終予選まで残すところ1年。
お世話になってます!チーム力を底上げしなければ世界とは戦えない。
嵯峨根さんがその鍵になると考えてるのがコンビを組む柳昂志さん。
エースアタッカーです。
柳さんは9年前交通事故が原因で左足を切断。
人と違う体になった事を気にするようになりました。
その時思いましたけど。
事故から2年。
柳さんは気晴らしに始めたシッティングバレーで日本代表に選出されます。
そこで出会った嵯峨根さんと練習を重ねる中で柳さんの考え方は少しずつ変わっていきます。
「切断した足とつきあう人生も悪くはない」。
2人の息が合えば世界の強豪にも太刀打ちできるはず。
外国人の高さとパワーに対抗するため攻撃のバリエーションを増やしています。
この日は試合で速い攻撃を試します。
あ〜ごめん!そりゃそうやな。
そりゃそうやな。
なかなか思うようにはいきません。
厳しい顔。
そしてようやく…。
(歓声)可能性が見えてきました。
柳さんとのコミュニケーションがやっぱりこれから大事になっていきますか?そうですね。
手を上げた時に外国の選手とかやったらもうすごいこのひじぐらいまで出るんですね。
僕らはほんま手首のちょっと下ぐらいなんですけどひじぐらいまで出てくるのでそこの相手に勝つためにはスピードやったりとかコンビネーションっていうのがすごい大事になってくるんかなと思うんで…。
これからねやっぱり世界と戦っていく中で嵯峨根さんとノブリンみたいな関係がそこに生まれていくとさらなる飛躍なんですかね?やっぱ。
そうですね。
やっぱりチームメートっていうのもそうですけどまあ家族って言ったら言い過ぎですけど何かほんまに何でも話し合える何でも相談できる仲でまあお互いやっぱり代表としていいライバルでありチームメートっていう形で思ってますけどね。
そして嵯峨根さんの人生の中で今自分に乗り越えたい壁みたいなものは感じてますか?結婚とかそういった部分とかでももしかしたらこれから僕が結婚する事になった時に相手の両親やったりとか家族の方とかが障害もってるからとかって言う事ってあると思うんですよね。
そういった壁には絶対僕はぶち当たるんかなとは思ってるんです。
友達としてどう思われますか?いや〜でもあるんじゃないかなとは思いますよね。
実際自分がもし親の立場になったとしたら絶対…ちょっと大丈夫かなという意識がそこで一つ生まれると思いますし。
もちろんそういうその人柄とかいう部分でサポートができる部分は大いにあるとは思うんですけどね。
そうですね。
だからそういう部分で何かこう何が障害って考えた時に足がないからあかん…「僕の何知ってるの?」っていう話やしそうやって僕がこうやって明るくやったりとかいろんなところで僕にしか伝えられない事とかというのを何かいろいろ広めていく事で障害もってるけどもほんまにね「別に足がないだけなんや。
みんなと変わらへん。
逆にみんなより前向きにいろんな事チャレンジしてるやん」って思ってもらえるように頑張りたいなと思うんですけどね。
乾杯!
(一同)乾杯!
(テーマ音楽)2015/03/30(月) 20:00〜20:30
NHKEテレ1大阪
ハートネットTV ブレイクスルー25「シッティングバレーボール・嵯峨根望さん」[字]

今回のブレイクスルーの主人公は、シッティングバレーボール日本代表・嵯峨根望さん。骨の病気で両足を切断、義足で生活する。足を隠さず生きるようになったきっかけとは?

詳細情報
番組内容
ブレイクスルー。今回の主人公はシッティングバレーボール男子日本代表の嵯峨根望さん。幼い頃に骨の病気が原因で両足を切断し、義足で生活を送っている。今でこそ堂々と見せられるようになった足だが、かつてはからかわれたことをきっかけに、徹底的に周囲に隠し続けた。嵯峨根さんが変わるきっかけをくれたのは、そばでずっと見守ってくれた友だった。「足」と向き合い人との絆を紡ぐ嵯峨根さんのメッセージと、挑戦の日々。
出演者
【出演】シッティングバレーボール男子日本代表…嵯峨根望,中塚伸夫,【司会】風間俊介,【語り】Chiko

ジャンル :
福祉 – 障害者
ドキュメンタリー/教養 – スポーツ
ドキュメンタリー/教養 – インタビュー・討論

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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