• rss

「もうすぐ死ぬってどんな気持ち?」「最高の気分じゃよ」 人生のヒントがつまった、9つのストーリー

  • 関連ワード: , , ,
    • このエントリーをはてなブックマークに追加
「もうすぐ死ぬってどんな気持ち?」「最高の気分じゃよ」 人生のヒントがつまった、9つのストーリー

日常生活における小さな悩みのタネは尽きません。起業家のDerek Sivers(デレク・シヴァース)氏が、9つのショートストーリーを通して、人生をスムーズに送るためのヒントを語ります。 (2011より)

【スピーカー】
起業家 

【動画もぜひご覧ください!】
TEDxNUS – 9 stories, 18 minutes for things that matter – Derek Sivers

量は質を生む

デレク・シヴァース氏:とある陶芸教室の先生が、あることを試みました。クラス初日に生徒の半数に向かって、「あなたたちは今学期、ひとつだけ作品を作ってください。学期末にはその作品を審査しますから、できるだけ完璧に仕上げてください」と言いました。

そして残り半数の生徒には「あなたたちは制作した作品の数で審査します。ですから、作った作品の総量で成績を決めます。重量50ポンドであれば『A』、40ポンドは『B』、30ポンドは『C』となります。作品の質はどうであれ、とにかくたくさん作ってください」 と言いました。

学期末に外部から審査員を招き、生徒が制作した陶芸品を審査しました。その審査員には、どの作品がどちらのグループに属しているかは伝えませんでした。さて、結果は意外かもしれませんが、「最高」と評価された作品の全てが「総量で成績を決める」と伝えられたグループの作品でした。

1つの作品に取り組んだ人たちは、あまりにも理論立てて考えすぎたか、必要以上に作品について考え込んでしまったのだと思います。一方、たくさん作った人たちは、次々と作品を作る過程で新しいアイディアが生まれたり、間違いをおかしたりしている間にどんどん腕が上達していったのではないでしょうか。

ですから、「量」をこなせば「質」につながるのかもしれません。そう考えると、もしあなたが実業家なら、ひとつの会社を10年経営するのではなくて、1年に1社ずつ経営してみるほうがいいかもしれませんね。

(会場笑)

ソングライターであれば、良し悪し問わず毎日とにかく歌を作ってみてはいかがでしょうか? そして、もし良い親になりたければ……。

(会場笑)

トニー・ロビンズは、よいパブリック・スピーカーとなるために、10週間パブリック・スピーキングのクラスに通いました。そのクラスの先生は生徒に「週に1度クラスメートの前で話をする」という課題を出しました。

トニーは、「量と質の法則」を知っていましたから、毎日3度人々の前で話すことに決めました。実際に図書館や外の通りなど、機会さえあれば人の前で話をしました。10週間後、クラスメートたちは10回スピーチしましたが、トニーは200回以上も人前で話す練習をしたのです。

ということで、私もひとつの長い話をするのではなく、これから18分間で9つの短いお話をしたいと思います。

さりげなく努力すること

さて、皆さんはエリザベス・ギルバート氏のTEDトークはご覧になりましたか? 私が1年半前にTEDに出演したとき、彼女のトークは大いに話題となりました。洞察力に優れた内容は面白く、情熱的でありながら、楽しいおしゃべりのように語られていました。まるで、準備をせずにステージに立ったかのようでした。

TEDが終わってから彼女と少しお話しする時間がありましたので、「最近はどうされているのですか?」と尋ねました。彼女は、「新しい本を大晦日に書き終えたところだ」と言いました。TEDがあったのは2月半ばでしたから、「では、6週間の休暇を取ったのですね」と言うと、「とんでもない、本を書き上げた翌日からTEDトークの準備を始めたのよ」と言いました。

彼女は6週間フルタイムで、18分間のTEDトークの準備をしていたと言うのです。240時間ですよ? イタリア語に「Sprezzatura」という言葉がありますが、「技巧を隠して、自分がしていることをあたかも労せずに無意識にできたかのように見せる、ある種の無造作さ」という意味です。

私が感心したのは、彼女がいかに自分のトークに時間をかけたかを知って、彼女の話に更に感銘を受けたことです。ですから、さりげなく自分がいかに時間と努力を費やしたかを人に知らせるということも良いことなのかもしれません。

損得勘定なんてつまらない

ある時私はラスベガスへ行き、タクシーの運転手さんとおしゃべりをしていました。彼に、何年ラスベガスに住んでいるのか聞くと、「27年」という答えが返ってきました。「いろいろな変化があったでしょう?」と聞くと、「そうだね、マフィアが懐かしいよ」と言いました。

(会場笑)

「え? マフィアが懐かしいってどういうこと?」と聞くと、彼は「昔は街に入ってくるお金と、出ていくお金のふたつの数字さえ知っていればよくて、入ってくるお金の数字が大きければそれでよかった」と言いました。

「でも過去10年間で、大きな企業が次々と入ってきて買収を繰り返したことで、MBAを持った人たちが『1平方メートルあたりの収益をいかにして上げるか』ばかり計算して、僕がいつも行ってるホットドッグスタンドだって、今じゃケチャップにまでお金を払わなきゃならなくなったんだ。つまらん街になったよ」と言いました。

私自身も同じような経験があります。以前経営していた会社は趣味から始まったのですが、成功して軌道に乗っていました。でも、時々会計士やコンサルタントが会社にやってきて、「収益率はどうだ?」とか、「今後の経営予測は?」とか、「ここを最大化しろ」とか、「保留利益パーセンテージがどうだ」とか言いました。

そういう時、私はいつもラスベガスのタクシー運転手の話を彼らにしたのです。

ジョン・レノンとオノ・ヨーコの出会い

皆さんはどのようにしてジョン・レノンがオノ・ヨーコさんと知り合ったかをご存知ですか? ジョン・レノンの友人がアートギャラリーを持っていて、そのギャラリーの展示会場にはしごが置いてあったそうです。そのはしごを上ると虫眼鏡があり、その虫眼鏡を通してみると天井に小さく「YES」と書いてありました。

ジョン・レノンはこの作品にとても感心して、この作品を作ったアーティストは誰かと聞きました。そのアーティストがヨーコさんだったのです。

15年ほど前ニューヨークシティに住んでいた時に、私はある女性と付き合っていました。彼女に私がオノ・ヨーコさんのファンだと言うと、「私もよ!」と言って意気投合しました。彼女とは数回デートに行っただけで終わってしまいましたが、数年前にFacebookで連絡がきました。彼女は既に結婚していて、私はまだ独身でした。

「未だに僕のオノ・ヨーコを探しているよ」と彼女に伝えたところ、彼女からの返事はとてもすてきでした。「歴史を見ると、最適の人は全く予期せぬ時に現れるもの。あなたのオノ・ヨーコもきっと現れるわ。とにかくはしごを上り続けるのよ」というメッセージでした。

(会場拍手)

目標は「今」を変えるためにある

皆さんには、いつかやろうと思いながら先送りしている目標はありませんか? もしもその「いつか」やろうとしている「目標」があるとすれば、それをすぐに手放すべきです。なぜなら、その目標はあなたの将来を変えるものではないからです。

あまり哲学的なことを言うつもりはありませんが、「将来」というものは存在しません。それは、想像に過ぎないのです。良い目標とは、現在を変えるためにあるということに気づきました。もしもあなたの目標が、現在を変えるため今すぐあなたに行動させていないようであれば、それは目標としての機能を果たしていません。

「悪い目標」とは、あなたを次にどうすればよいかわからなくさせるものです。「良い目標」は、あなたを行動に駆り立ててくれます。「悪い目標」は、「少し寝てから考えよう」と思わせますが、「良い目標」は寝ていられないぐらいワクワクするものです。

それと同時に、何か目標を達成するときには、その過程も楽しむ準備が必要です。例えば、「イタリア語を習得したい」と思うのであれば、その過程である文法を勉強し、語彙も暗記する必要があります。その過程を楽しむことができれば目標に達成することができますが、もしそれが無理なら目標達成も不可能でしょう。

メールの先には「人」がいる

私の友人のセーラは過去12年間オンラインビジネスを経営しています。彼女は宣伝広告の仕事をしています。彼女は仕事を発注されると、そのお客さんに深くコミットし仕事をこなしています。彼女は仕事が大好きでとても打ち込んでいます。

数か月前、彼女はクライアントの1人から長いクレームのメールを受け取りました。そのメールには、いかに彼女が不誠実な仕事をして、彼のビジネスをひどい状態に陥れたかが延々とつづられており、裁判を起こすとまで書かれていました。

彼女はそのメールを金曜日に受け取り、あまりのショックでコンピュータの電源を切ると泣き出しました。その週末予定されていた友人たちとの夕食もキャンセルし、ふさぎ込んでしまいました。そして、「12年もやっているこの仕事に、自分は向いていないのではないか」とまで思ってしまったのです。

彼女は週末の1日半を落ち込んだ気持ちで過ごしましたが、日曜日に「これではいけない」と思い、今までそのクライアントに施したサービスを全て見直し、どこに落ち度があったかを検討し彼に謝罪の手紙を書きました。そして、そのクライアントの費用は全て返金したのです。 

月曜日の朝、彼女はクライアントに電話をかけて、手紙を受け取ったか確かめました。すると彼は「ああ、あの日自分は機嫌が悪かっただけで、あなたたちはいい仕事をしていますよ。あのことは気にしないでください」と言ったのです。

(会場笑)

別の友人のヴァレリーはオンライン・デートで恋人募集中です。先日彼女に会ったときに、その成果を聞いてみました。彼女は何人かの男性とやり取りしたメールを見せてくれましたが、どの人もすごく情熱的にメールを書いてきていました。しかし彼女は、そのできすぎたメールの内容に関心が持てないようでした。

今の時代、忘れがちなのは私たちがメールでメッセージを送った先には「人」がいてそのメッセージを読んでいるのです。こちらの機嫌が悪いときに、トースターや機械に怒鳴りつけても構いませんが、機嫌が悪いときにコンピュータに向かって怒鳴りつけて、同時にその怒りをキーボードに入力していると、そのメッセージを受け取った人にダメージを与えてしまいます。

死ぬってどんな気持ち?

私にはビルという祖父がいました。数年前、彼は病棟生活を送っていましたが、病状は悪化しており最期が間近だと気づいていました。彼は病院から家に戻って静かな日々を過ごしていましたが、自分がやり残したことを心配していました。また、彼は数分間しか起きていられない状態でした。

私が祖父に会いに行ったとき、私のビジネスはうまくいっていて、お付き合いしている人もいました。祖父は、私を見るなり「君のことは心配しなくていいな」と言いました。

祖父と私は少しの間おしゃべりをしましたが、彼が疲れて眠りかけていたので帰ることにしました。でも私は、どうしてもひとつ聞いてみたいことがありました。もしその時聞かなければ、もうチャンスはないと思ったのです。

「これから死ぬってどんな気持ち?」と思い切って聞いてみました。すると、祖父は大きな目を開けて、「すごくエキサイティングな気分じゃよ」と言いました。そして、「僕の人生はとても良かった。だからきっと死もエキサイティングなものだと思うよ」と言ったのです。

人生はおとぎ話のようにはいかない

皆さんは、カート・ヴォネガット氏をご存知ですか? 私はニューヨークシティに住んでいた時に、彼の講演を聞いたことがあります。

彼はその講演でこんな話をしました。黒板に縦軸(幸福度)と横軸(時間)のグラフを書いて、シンデレラのストーリーがいかに右肩上がりで最後にはグラフから飛び出すほどの幸福度で終わっているかを説明しました。その話が何百年も語り継がれていて、「人々はそういう話が大好きなんだ」と言いました。

また、「ある平和な田舎町で、ある日男の子が井戸に落ちてしまいました。村人たちは力を合わせてその子を救いました。村の生活は元に戻りましたが、以前より村人たちは結束し幸せに暮らしましたとさ」という話が何百年も語り継がれていて、「人々はそういう話が大好きなんだ」とも言いました。

しかし、普通の人の生活は多少のアップダウンはあろうとも、グラフで示すと平坦なものです。それが何百年も語り継がれたおとぎ話のせいで、みんな自分の人生もおとぎ話なのではないかと錯覚してしまうのだと言っていました。

人間万事塞翁が馬

これが最後のお話です。私の大好きな物語です。ある村に男がいて馬を飼っていましたが、その馬が逃げてしまいました。他の村人たちがやってきて「ひどいことになりましたね」と言いました。その男は、「さあどうでしょうね」と言いました。

翌日、逃げた馬が3頭の馬を引き連れて戻ってきました。村人たちがやってきて「良かったですね、馬が4頭に増えて」と言いました。男は、「さあどうでしょうね」と言いました。

ある日、男の息子が野生の馬に蹴られて両足を骨折してしまいました。村人たちがやってきて「ひどいことになりましたね」と言いました。その男は、「さあどうでしょうね」と言いました。

その後戦争が始まり、若者は戦場へと送られますが、男の息子は足を骨折していたおかげで戦争へ行かずにすみました。村人たちがやってきて「あなたは幸運ですね、息子さんを戦争にとられなくて」と言いました。男は、「さあどうでしょうね」と言いました。

これが私の大好きなお話です。ありがとうございました。

※ログミーでは、TED Talksおよび各TEDxの定めるCCライセンスを遵守し、自社で作成したオリジナルの書き起こし・翻訳テキストを非営利目的のページにて掲載しています。

↓この記事を気に入ったらログミーをフォロー!↓