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 JR金沢駅発の北陸新幹線が31日午後5時10分ごろ、給水用ホースを車両に取り付けたまま発車し、途中で点検のため約30分間停車するトラブルがあった。乗客約620人にけがはなかった。JR西日本金沢支社は「聞いたことがないトラブル。原因は調査中だが作業の確認不足の可能性が高く、再発防止の指導を検討する」としている。

 同支社によると、この新幹線は金沢発東京行きの、かがやき532号(12両編成)。午後5時47分ごろ、糸魚川―上越妙高駅間を走行中、乗客が車掌に「発車直後に床下から異音が聞こえた」と届けた。運転士が停車させて床下を点検したが、この時点では異状が確認できず、運転を再開した。

 その後、金沢駅で車両内のトイレなどに給水作業をしたJR西の関連会社から、給水ホース(長さ約3メートル)を取り外し忘れたと連絡があり、床下にホースを引きずって走行していたことが発覚した。ホーム下の給水機器には引きちぎれた長さ50センチのポリプロピレン製ホースが残っており、金沢駅から約1キロの上り線と下り線の間で引きずられた約2・5メートルが見つかった。

 このトラブルの影響で、北陸新幹線は富山―長野間の上下線で一時運転を見合わせ、計5本に最大で70分の遅れが出て、約2600人に影響が出た。(辻健治)