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【社会】

「民主主義史上に残る証言」 密約を報じた西山太吉さん

 沖縄密約を報じた元毎日新聞記者の西山太吉さん(83)は、密約を認めた吉野氏の証言を「日本の民主主義史上に残る出来事だった」と振り返った。

 沖縄密約の実態が米国側から開示されても外務省は真っ向から否定した。その中で密約の存在を認める吉野発言が出たわけだから、本当の反逆だった。吉野さんが発言した決断と実行は外務省には二度とないほどの衝撃的な大事件だった。彼の発言は日本の民主主義史上に残る価値がある。

 吉野さんは、うそをつき続けることに耐えられなくなったんだと思う。「密約はございません」とうそをつくことは日本の外交にとってプラスになるどころかマイナスになる、国民の信頼のない外交はやがて外交でなくなり、民主主義の崩壊につながると認識して発言に踏み切ったのではないか。特定秘密保護法ができ、今後はこのような証言をする官僚は二度と現れないだろう。

 現在の沖縄の辺野古(へのこ)問題も同じ。米国は普天間の代替地としてではなく以前から辺野古に大規模な基地建設を構想してきた。しかし日本政府は日米同盟のいいところだけを装飾して強調してきた。特定秘密保護法も、政府にとって都合の悪いことをカムフラージュし、隠ぺいする。デメリットや実態も正確に伝えたうえで国民に理解と協力、議論を求めていく。それが今、吉野証言を教訓とすることにつながっていく。 (談)

 

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