趣味Do楽 茶の湯 武者小路千家“春の茶事を楽しむ”(最終回) 第4回▽春の立礼茶会 2015.03.30


朝食の楽しさを広げてくれる一品です。
千利休以来400年以上にわたって人々を魅了し続けてきた茶の湯。
多くの人々が新たなスタートを迎える春は茶の湯の世界でも節目を祝う茶会が数多く開かれます。
大勢の客を招く時などによく行われるのが椅子とテーブルを使った立礼形式の茶会です。
椅子とテーブルは簡単に持ち運べるためさまざまな場面でお茶を楽しむ事ができます。
今回は春の兆しが感じられる京都の郊外に出かけて立礼茶会を楽しみます。
「趣味Do楽茶の湯武者小路千家」。
今回は春の茶会に参加します。
お相手は武者小路千家家元の千宗守さんです。
どうぞよろしくお願いします。
こちらこそ。
今回はいつもの稽古場を出て京都の郊外にやって来ましたけれども気持ちがいいですね。
そうですね。
今日郊外…西やや北に寄ってるかな。
いわゆる嵯峨野といわれてね京都でも最も美しい所の一つです。
中国の詩人の白楽天がね「春風春水一時に来たる」という早春の頃の詩を詠んでるんですが全くそのとおりだと思われません?心地よい風そしてぬるんだ水。
そうですね。
まさに五感で楽しめる春という事ですね。
いわゆるスプリングハズカムですね。
今回はいつものお座敷ではなくテーブル席で頂く茶事お茶会。
そうですね。
後ほどご覧頂いたらお分かりでしょうがねいわゆる立礼。
それを使ってのお茶会をしておりますのでゆっくりと堪能して頂きましょうかね。
今回2人が訪れたのは京都市の北西部に位置する嵯峨野と呼ばれる地区です。
市内中心部から僅か10キロほどの距離にありながら山々に囲まれた自然豊かな環境が広がっています。
その中心にあるのが広沢池です。
平安時代より月見の名所として知られ多くの貴族たちがこの景色を楽しみました。
今でもその美しい自然が手付かずのまま残されています。
向こうのちょっと小高いポコッとした山小倉山っていいましてね藤原定家が「小倉百人一首」というのを選んだでしょう。
その小倉山!だから歌人の定家なぞはしょっちゅうここへ来て歌も詠んだし。
昔から風光明美なとこだったんですね。
それがそのまま変わってないというのが貴重なんですよ。
池の周りには長い冬を終えてツクシやフキノトウが芽を出し始めています。
梅の花も見頃を迎え春はすぐそこまでやって来ていました。
今回はこの山里の景色を望む茶室春遊亭でお茶を頂きます。
ゆっくり来て下さい。
はい。
茶事の稽古で石橋を挟んで挨拶をするというのを覚えてられます?あ〜はい。
これは渡ってから挨拶するんでしょうな。
あっ来ました来ました。
芳野先生。
(2人)どうも。
(家元)はいご苦労さま。
ありがとうございます。
ようこそおいで頂きましてありがとうございます。
今ねご案内して岩槻さんを。
ここまでやってまいりました。
後はひとつよろしくお願いします。
よろしくお願いいたします。
お願いいたします。
本日はこの景色のよいあちらのお茶席でお茶会をいたしております。
若い者ですので至らぬ点ございますと思いますけれども私もちょっと後見でお手伝いをさせて頂いてるんですけどもいろいろと至らぬ点あると思いますけれどもどうぞよろしくお願いいたします。
どうぞこちらでございます。
(家元)さあ参りましょうか。
もうね始まってるんだと思いますよ。
どうぞこちら入り口になっております。
皆さんこんにちは。
乱入します。
おじゃまいたします。
アナウンサーのね岩槻さんをお連れしましたよ。
はじめましておじゃまいたします。
立礼で行われる今回の茶会は蹲踞での清めや席入りなどの作法を省略する事ができます。
正式な茶事とは違いお茶に不慣れな人でも気軽に参加して楽しむ事ができます。
さあこの今日の茶席の床なんですがなかなか華やかだと思うんですがいかがですか?そうですねピンク色でかわいらしいですね。
「春秋に富む」とはこの先の人生が長く将来が有望である事を意味します。
茶の湯の世界で祝いの言葉として親しまれています。
また床の間には桃や菜の花などの春の花が飾られています。
芳野さん今日はこれやはり桃の節句という事をかなり季節だという事を意識してられる床飾りでしょうな。
はい。
まあ色めもそうですしちょっと大きいかなとは思ったんですけれどもねこちらの景色に負けないようにと。
やっぱりこっちが景色がすごいからね。
茶室もこまごましたものでは負けちゃうからね。
それから香合なぞはあるのはこれ芳野さん炭点前を省略してられるという事かな。
そうなんです。
通例経験されたとおり炭点前の時に香合がね。
それから掛け物がありましたけど花ございませんでしたね。
そうですよね。
後半になりますと花が真ん中に。
それを全て飾るのを「諸飾り」と申しておりますね。
それは飾る事によって今回は濃茶と炭点前を省略しまして薄茶をいたしますよという。
今日は気軽にお若い方の亭主だからっていう事でね薄茶一服という事にしてあるわけですね。
床前を見ればそれだけの事が全て分かるようになってるんですね。
これはもう亭主が訴えてるわけですよ。
このようなかわいらしい春のしつらえでもてなしてくれる亭主とは一体どんな方なのでしょうか。
失礼いたします。
先ほど皆様にはご挨拶させて頂きましたけれども改めましてお家元岩槻様本日はお忙しいところをお出でまし下さいましてありがとうございます。
今日の亭主を務める吉村彩子さんです。
茶の湯を習い始めておよそ4年になる吉村さん。
この春に京都の大学を卒業し就職する事が決まっています。
その門出を祝って今までお世話になった方などを招いての茶会を開く事にしました。
今回初めて亭主を務めます。
もうご卒業なんですね。
だから今日はそのご自祝のお茶会という事ですな。
卒業記念のお茶会という事で開かせて頂きました。
楽しみにやってまいりました。
よろしくお願いします。
(亭主)ではよろしくお願いいたします。
亭主は準備のために一度席を離れます。
お家元就職が決まった側がこうしてお茶会を催すんですね。
我々の学生時代も謝恩会というのをしたじゃないですか。
先生たちやねお世話になった方たちを呼んで。
我々の世界であれば「自祝」みずから祝うと書きましてね。
他人様から祝ってもらう「他祝」。
今はその方が多いんだけどね。
今日いらっしゃってる皆様も…。
(家元)多分先生方とか先輩とかまた一緒にお茶の稽古をしたりね。
彼女が今まで対社会と結び付く場面でいろいろお世話になった方また一緒に遊んだ方とかね。
そういう方を一つのけじめとして私はこれから社会へ行きますよ。
今後ともよろしくというような気持ちでお茶会をしたんじゃないかな。
そういう事なんですね。
今日はあちらが立礼のお点前という事ですね。
今点前が始まって帛紗さばきかな。
それをしてられますかね。
今まで勉強してきた茶室の中での様子とはちょっと違うでしょ。
もちろんいわゆる椅子テーブル状の卓があるんだけれど。
テーブルの上でお茶を点てる事ができる立礼卓です。
亭主は椅子に座ったまま点前を行っていきます。
立礼が広まったのは明治5年に開催された京都博覧会がきっかけでした。
訪れた外国の人たちに日本が誇る伝統文化のお茶を気軽に楽しんでもらおうと考案されたのです。
以来立礼はお茶の点前の一つの形式として現在まで発展を続けてきました。
洋間にも置く事のできる立礼卓は現代の生活様式に調和し茶の湯をより身近に感じる事ができます。
見やすいですね角度的に。
そうですね。
しかもこちらへ立礼の軸を自由に動かせますからお客様の方へ。
茶室だとその茶室の条件によって点前が隠れてしまう事があるけどこれだとまともに見られるようにいわゆるセットできるわけですからね。
茶会に招かれると客にはまず菓子が出されます。
茶事での作法と同様に前の客がお茶を頂く頃に菓子を頂きます。
今回は桃の形をした主菓子が出されました。
かわいらしいお菓子ですね。
桃のお菓子ですね桃の形をしたね。
もう何とも言えないかわいらしさです。
今月は桃の節句の月ですよね。
だからこういうお菓子を出す事が多いですね。
色といい形といい。
中国の神話に登場する女神が持っていた食べると不老長寿になるという桃の実をイメージした主菓子です。
これを使って…。
もうこういうお菓子ならこのお皿のままで頂かれたらどうかな?いただきます。
こぼれるようなお菓子だとね懐紙に載せなくちゃならないでしょうけどね。
そのようじで少し切り口を入れられて3/3ぐらいに切った方が頂きやすいかな。
中は白でかわいらしいですね。
どうぞ。
どうかな?おいしいです。
茶会では菓子が出されたあと順番にお茶が振る舞われます。
今回の茶会は薄茶だけを頂きます。
茶碗に抹茶を入れると柄杓を使って釜に水を注ぎます。
釜の湯の温度を下げてから茶碗に注ぐ事で頂く薄茶が熱くなり過ぎないようにする亭主の心遣いです。
茶筅を使って円を描くように薄茶をすばやく点てていきます。
薄茶が点つと亭主は茶碗の正面が客の方に向くようにして置きます。
さあ温かそうなお茶がやってまいりましたね。
お稽古の成果を存分に発揮して召し上がって下さい。
いただきます。
お相伴ですな。
こちらに送って頂いて…。
そしてご自分の前近くへ寄せられて亭主の方へご挨拶と。
ではいただきます。
軽くおしいただかれてそして飲み口を探して下さい。
少し吸いきられてで軽く飲み口をねそうそう。
そしてもとの…そうそう。
はいそういう事ですね。
とってもおいしかったです。
おいしかったでしょう。
いい香りでした。
薄茶を頂き終わると次に茶碗の拝見を行います。
「花の香」という銘が付けられた赤楽茶碗です。
茶碗を彩る鮮やかな赤は咲き頃を迎えた梅の花を思わせます。
色がねとってもかわいらしいですね。
そしてねこのお茶碗で大切なのはこの後ろ。
高台際っていうんですねこういうところね。
これで作った人の特徴などがよく出ておりますのでそこもじっくり鑑賞の対象になるわけですね。
とてもきれいですね。
渦巻き。
これね巴高台といいましてねこういう処理のしかたをするんですよ楽茶碗では。
だからちょうどね我々が梅の林を通ってきたでしょ。
あの香りをまた思い出してもらおうという亭主の算段でしょうかな。
すてきです。
今回の茶会では祝いの意味が込められた道具が多く使われました。
抹茶を入れる棗には松の枝が輪になった翠輪と呼ばれる祝いのしるしが描かれています。
伝説の鳥鳳凰が飛び立つ姿を金で描いた水指しです。
器の内側にまで伸びた鳳凰の尻尾にはめでたい事が長く続くようにという意味が込められています。
拝見が終わると亭主は道具を清めて片づけを始めます。
道具をしまい終わると挨拶をしてこれで茶会は終わります。
さあこれで「春の茶事」全4回が全て終了しました。
さあ終わられてどうでした?率直にですね思うのはほんとに亭主の方からおもてなしをすごくされているなという心尽くしをすごく感じまして。
それに応えるためのお客の作法でありそれを知っている事でよりおもてなしの心その奥深いところまでどんどん知っていく事ができるんだなと分かりました。
茶の湯はねやもすれば亭主側の動作だけをねただ点前なんかだけを習得するのが目的のように言われる事があるんですがそうじゃなくてやっぱり…客が反応する事によって亭主は更にねそのもてなしぶりを発揮できるという面があるんですよね。
やっぱりはっきりね亭主側に意思表示をしてやる。
それを受けて亭主は更に次に進めるという面が茶の湯には多いですのでね。
その客作法をしっかり今回ご覧頂いたという事はきっとこれから役に立つと思いますね。
どうでしょう?そうですね全ての場面で役に立つと思います。
そうですね。
ますます今後もお勉強したいと思いました。
機会がある度に積極的にね茶の湯の世界に足を踏み入れて下さい。
ありがとうございました。
ご苦労さまでした。
あなたもご苦労さん。
ありがとうございました。
2015/03/30(月) 11:30〜11:55
NHKEテレ1大阪
趣味Do楽 茶の湯 武者小路千家“春の茶事を楽しむ”[終] 第4回▽春の立礼茶会[解][字]

千利休以来400年の歴史を誇る、武者小路千家の茶の湯を学ぶ、全4回。最終回は、春めいた嵯峨野の茶室で、イスとテーブルで行う立礼(りゅうれい)茶会を楽しむ。

詳細情報
番組内容
千利休以来400年に渡り人々を魅了してきた茶の湯。その精神を受け継ぎ発展させてきた武者小路千家に学ぶ全4回。最終回は、「春の立礼(りゅうれい)茶会」。立礼とはイスとテーブルを使った点前の形式。自然豊かな京都・嵯峨野にある茶室で、春の風情を愛でながら気軽な茶会を楽しむ。亭主は、今春学校を卒業し、社会人として一歩踏み出す女性。これまでお世話になった方々などに、もてなしの心を込めて薄茶を振る舞う。
出演者
【出演】茶道(武者小路千家家元)…千宗守,茶道教授…芳野宗春,岩槻里子

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – カルチャー・伝統文化
趣味/教育 – その他

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
日本語
サンプリングレート : 48kHz
2/0モード(ステレオ)
日本語(解説)
サンプリングレート : 48kHz

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