おはようございます。
7時になりました。
フランス南東部で起きたドイツの旅客機の墜落。
捜索現場では、これまでに78人の遺体が収容されました。
一方、ドイツの大衆紙、ビルト日曜版は29日、ボイスレコーダーの音声情報を入手したと伝え、墜落するまでの機内の状況を詳しく伝えました。
乗客・乗員150人を乗せたドイツの旅客機が、フランス南東部に墜落してからまもなく1週間。
対策本部によりますと、これまでの捜索活動で78人の遺体が収容されました。
今後、家族から提供されたDNAのサンプルなどをもとに詳しい鑑定が行われ、身元の確認が進められることになっています。
墜落するまでの機内の状況はどうだったのか。
ドイツの大衆紙、ビルト日曜版は29日、回収されたボイスレコーダーの音声情報を入手したとして、その状況を伝えました。
その内容です。
旅客機は24日の午前10時過ぎに離陸し、操縦室で機長がルビッツ副操縦士に、出発前にトイレに行けなかったと話しているのが聞こえるということです。
午前10時27分に旅客機が、高度1万メートル余りの巡航高度に到達すると、機長は着陸の準備を始めるよう命じ、副操縦士は、そうなればいいですが、などと答えていたということです。
副操縦士はその後、機長に対して、もう行っていいですよなどと席を立つよう促し、機長が操縦室を出ると扉をロックするような音が聞こえるということです。
旅客機はその直後、10時29分から高度を下げ始めます。
その数分後、トイレから戻った機長がドアを開けてくれと、大声で呼びかけるのが聞こえ、背後には乗客の叫び声も聞こえるということです。
10時35分には、操縦室のドアを金属でたたくような大きな音がして、機長が再びドアを開けるよう命じていますが、副操縦士は無言のままだったということです。
そして10時40分に衝撃音がしたあと、記録が終わるとしています。
旅客機を故意に墜落させた疑いが強まっているルビッツ副操縦士。
ドイツのメディアは、副操縦士が目の病気で治療を受けていたことや、自宅から精神的な病気のために飲む薬が押収されたことを伝えています。
墜落現場では捜索が続いています。
しかし、その活動は難航しています。
山の急斜面にあるため、ヘリコプターで上空からの捜索が行われましたが、捜索隊はふもとの村から数時間かけて、徒歩で現場に向かっていました。
対策本部では、ふもとの村から墜落現場に行きやすくなるように、車両も通行できる道路の整備を進めていて、機体の破片の回収なども含めて、作業の迅速化を図りたい考えです。
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄県の翁長知事が名護市辺野古沖での作業を中止するよう指示を出したことについて、林農林水産大臣は、知事の指示の効力を一時的に停止することを決めました。
きょう、沖縄防衛局と沖縄県に通知することにしています。
アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って、沖縄県の翁長知事は、今月23日、沖縄防衛局に対して、名護市辺野古沖での埋め立て工事の前提となる作業を1週間以内に中止するよう指示し、従わない場合は、埋め立て工事に必要な岩礁を破壊する許可を取り消す姿勢を示していました。
これに対して沖縄防衛局は、埋め立て工事の遅れは、普天間基地の移設計画全体が遅れることに直結しかねないこと。
日米両国間の信頼関係に悪影響が及び、外交・防衛上、重大な損害が生じることなどを理由に、知事の指示の効力を一時的に停止するよう、林農林水産大臣に申し立てを行っていました。
林農林水産大臣は、沖縄県からも意見書の提出を受け、審査を行ってきましたが、知事の指示の効力を一時的に停止することを決め、沖縄防衛局と沖縄県にきょう、通知することにしています。
背景には、政府が進める普天間基地の移設計画が、大幅に遅れることを避けるために、緊急の必要性があると判断したものと見られます。
農林水産省は引き続き知事の指示について取り消すかどうか審査を続けることにしています。
国会は新年度・平成27年度予算案が、年度内に成立するメドが立たないことを受けて、政府が提出した暫定予算案がきょう、衆参両院の本会議で可決され、成立する見通しです。
与党側は今後、統一地方選挙の合間も重要法案の審議を進めたいとしているのに対し、野党側は、政治とカネの問題の再発防止に向けた、政府・与党の取り組みをただすなど、対決姿勢を打ち出す構えです。
新年度予算案は、参議院予算委員会で審議が続いていますが、年度内のあすまでに成立するメドが立たないことから、政府は憲法の規定で予算案が自然成立する来月11日までの間、社会保障費の支払いなどに支障が出ないよう、先週、暫定予算案を国会に提出しました。
暫定予算案はきょう、衆参両院の予算委員会と本会議で、それぞれ可決され、成立する見通しで、与党側は新年度予算案も自然成立を待たずに来週、成立させる方針です。
そして与党側は、統一地方選挙の合間も国民健康保険の財政基盤の強化を柱とする、医療保険制度改革関連法案や、いわゆる発送電の分離を5年後から実施するとした、電気事業法の改正案などの審議を進めるほか、5月の大型連休明けから、農協改革の関連法案や、派遣労働の期間制限を一部撤廃する、労働者派遣法の改正案の審議を本格化させたいとしています。
さらに政府は、安全保障法制の関連法案を、5月半ばには閣議決定したいとしており、与党側は、これらの重要法案を今の国会で成立させる方針です。
これに対し、野党側は、新年度予算案の審議を尽くすべきだとして、参議院予算委員会で、衆議院と同じ合わせて4回の集中審議の開催を求めていくことにしています。
また政治とカネの問題が相次いで指摘されたことを受けて、再発防止に向けた政府・与党の取り組みをただすほか、民主党などは、労働法制の見直しは、格差のさらなる拡大につながるとして、労働者派遣法改正案の廃案を目指すことにしており、対決姿勢を打ち出す構えです。
混迷深まる中東情勢。
事態打開の糸口となったのでしょうか。
アラブ諸国で作るアラブ連盟の首脳会議が、2日間、エジプトで開かれました。
アラブ連盟には、ご覧のアラブの22の国と地域が加盟しています。
今、この地域は紛争やテロ事件で揺れています。
イエメンでは、大統領支持派と反体制派の武装勢力との戦闘で国家分裂の危機に陥り、反体制派に対し、サウジアラビアなどが軍事介入しています。
チュニジアでは、今月、日本人3人を含む外国人観光客などが殺害されるテロ事件が起きました。
シリアやイラクなどでは、過激派組織IS・イスラミックステートが勢力を保ち続けています。
会議では、イエメンでサウジアラビアなどが行っている軍事作戦の継続を支持する声明を発表するとともに、ISを念頭にアラブ合同軍の創設を承認しました。
イエメンでことし2月、政権を崩壊させ、その後も攻勢を強めるイスラム教シーア派の反体制派武装勢力。
その反体制派に対して、サウジアラビアなどが空爆を行っています。
アラブ連盟の首脳会議後発表された声明では、軍事作戦の継続を支持しています。
軍事作戦に参加する意思を表明しているのは、イスラム教スンニ派の10か国。
一方、イエメンのシーア派の反体制派を、同じシーア派のイランが支援していると見られています。
反体制派のメディア担当者は、29日、NHKの電話取材に応じ、徹底抗戦の構えを見せています。
一方、首脳会議でのもう一つのテーマは、過激派組織ISなど、イスラム過激派への対策。
エジプトのシシ大統領が、アラブ諸国の治安維持のため、提案していた、各国の部隊で構成するアラブ合同軍の創設が承認されました。
ISを巡っては今月に入り、イラクの政府軍などが、ISが拠点とするティクリットへの大規模な奪還作戦を続けていて、25日からは、アメリカ軍が率いる有志連合が空爆による支援に乗り出しています。
アメリカのバイデン副大統領は28日、イラクのアバディ首相と電話で会談し、奪還に向け、協力していく方針を確認。
奪還作戦には、イランの革命防衛隊が参加していますが、イラクで影響力を強めるイランに、アメリカは警戒しています。
首脳会議が行われたエジプトのシャルムエルシェイクには西河記者がいます。
西河さん、イエメンでの軍事作戦について、今回の声明は、アラブ各国が一致して対応に当たることを意思表示できたということなんでしょうか。
声明では一見、サウジアラビアなどによる空爆を、一致して支持する内容となっています。
しかしイエメン側が求めている地上部隊の派遣など、より積極的な軍事介入については触れられていません。
背景には、各国の立場や宗派などが異なっていまして、一枚岩になるのが難しいという事情があります。
例えば、シーア派が主導するイラクのマスーム大統領は、外国の介入は状況をさらに悪化させるだけだと、軍事作戦に反対の立場を示しています。
アラブ諸国は今、それぞれ国内の安定すら担保できていない国が多く、地域全体を考えての対応というのは、後回しにならざるをえないのが実情です。
中東の過激派対策として、有効な手だてを打ち出すことができたといえるんでしょうか。
具体的な成果はなかったといわざるをえません。
ISなどを念頭に、アラブ合同軍の創設が決まりましたけれども、合同軍の規模や本部をどこに置くかなど、具体的には何も決まっていません。
しかも参加を表明したのは僅か2か国にとどまっています。
その理念では一致したものの、実効性のある軍になるかは疑わしいといえます。
今回の会議では、国境を越えてつながる過激派のネットワークを前に、もはやアラブ諸国だけの対応では限界があることが浮き彫りになったといえると思います。
ここからは、中東情勢がご専門の放送大学、高橋和夫教授と共にお伝えします。
よろしくお願いいたします。
おはようございます。
高橋さん、まずそもそもイエメン一国の情勢がアラブ全体を巻き込む問題になってしまっている。
これ、どういうことなんでしょうか?
イエメンのシーア派は自分たちの権利が認められていないっていう不満をずっと持ってたんですね。
2011年、アラブの春が起こって民主化が起こったと。
自分たちの権利を認めてくださいという運動をしてたんですけど、どうしても聞いてもらえないということで、軍事行動に出たわけです。
たちまち首都を陥落させて勢いがついてきたわけですね。
それを見ていたサウジアラビアは、どういうことだ、これはと、シーア派の後ろにイランがいるに違いないということで、危機感を抱いて空爆による介入を始めたわけですね。
シーア派の人たちは、実はそうじゃないと、イランの支援を受けてないというんですけど、実際、サウジアラビアの空爆などが激しくなって追い詰められると、もしかしたら、イランに助けてくださいと本当に言い始めて、イランが介入するという構図も見えてきますよね。
そうすると、これまで宗派対立でなかったのにシーア、スンニの対立、そしてサウジアラビア、イランの代理戦争という、2つの側面が出てくると。
これが今の状況の危なさなんですね。
もう一つは、イエメンも割れてます。
ただアラブ連盟も先ほど西河記者が、シャルムエルシェイクからご報告くださったように、イラク、そしてレバノン、そして今回、アラブ連盟の首脳会議には来てませんけれども、シリアなどシーア派の力が強い政府は、今回の空爆には批判的なんですね。
ですからアラブ全体も割れてると、そういう構図が見えてきましたね。
一枚岩とはいえないということですね。
鍵となるアメリカの動きなんですが、どのような対応をするんでしょうか。
アメリカは、実はサウジアラビアの空軍に目標の設定の情報を提供したり、影から、後ろから応援はしてるんですけれども、表には出てきていないんですね。
なぜ表に出てこないのかと考えますと、実はサウジとイランが対立してるんですけれども、イラクではIS対策では、イランとアメリカは協力してるんですね。
今、アメリカとイランの核問題の協議が、本当にヤマ場に差しかかってて、ここでイエメン問題でこの重要な交渉を挫折させたくないという思いもあって、アメリカは側面からしか出ていかないという絵になっていると思います。
となると今後のイエメン情勢、そして解決への道筋というのはどのようになると、高橋さんはお考えですか。
空爆を続けても、もしこのシーア派の力を抑えることができなくなると、鍵はサウジアラビアが陸上部隊を送り込むかどうか。
ただイエメンの北部、シーア派の拠点は山岳地帯なんですね。
ですからアフガニスタン…地形で、守る側に有利なんです。
ですから、仮にサウジアラビアの陸軍が入っていって、うまくいくかどうかというのはかなり疑問で、となると、どういうことになるかというと、戦争が長引きますとサウジアラビアの国内で、不満が出てくるという可能性もありますよね。
ということになると、やはり陸上部隊を送り込んでも、軍事的解決は恐らくないだろうということになると、イエメンの人たちがやはり集まって政治的に協議するしか手はないんですね。
その中でやっぱり求められるのは、このシーア派の権利をいかに政治のシステムの中に反映させるかということなんですね。
国際社会のチョイスも、実はそれしかなくて、このイエメン人の対話を支援すると、もしこれがうまくいかないとすると、混乱しますから、IS、あるいはアルカイダのような過激派の力が伸びてくるというのが、やはり懸念なんです。
ですから、政治的解決の道しかないという国連事務総長のことばどおりの状況だと思いますね。
さらに不安要素が増す可能性もあるということですね。
日本はどんな影響がありますか?
そうなんですね、一つはイエメンの沖、紅海ですね、短い狭い海峡を抜けて紅海に入って、スエズ運河に至ると。
貿易路なんですね。
ここが阻害されるということになると、貿易上大きな問題が出てきます。
それからイエメンの不安定は、サウジアラビアの不安定なんですね。
サウジアラビアが不安定になれば、石油価格に跳ね返りますから、もうわれわれの生活に、経済に直接、日本も含め、世界経済に打撃が伝わってくるということになると思います。
今後、注目ですね。
放送大学の高橋和夫教授と共にお伝えしました。
ありがとうございました。
次です。
北朝鮮との政府間協議の再開からきょうで1年となります。
安倍総理大臣は、拉致被害者の家族らと来月3日にも面会し、引き続き、北朝鮮に対し、速やかに拉致被害者らの調査結果を報告するよう促し、早期帰国に全力を挙げるよう伝えることにしています。
日本政府は、平成24年11月以来途絶えていた北朝鮮との間の政府間協議を、1年前のきょう、再開しました。
北朝鮮はその後、拉致問題は解決済みとしてきた従来の立場を改め、特別調査委員会を設置し、拉致被害者を含む日本人行方不明者の全面的な調査を始めましたが、依然として具体的な進展は見られません。
こうした中、日本政府は、北朝鮮に対する日本独自の制裁措置のうち、来月13日に期限が切れる輸出入の全面禁止と、人道目的を除く北朝鮮籍船舶の入港禁止措置を2年間延長することをあすにも閣議決定することにしています。
一方で、調査開始から1年となることし夏までには、結果の報告だけでなく、日本側による検証作業も終えたい考えで、引き続き北朝鮮に対し、速やかに結果を報告するよう促していくことにしています。
安倍総理大臣は、拉致被害者の家族らと来月3日にも面会し、こうした方針を説明し、対話と圧力、行動対行動という基本方針のもと、拉致被害者らの早期帰国に全力を挙げる考えを伝えることにしています。
ニホンウナギの稚魚の漁獲が減少する中、外国産の別のウナギの稚魚を、ニホンウナギと偽って販売される被害が、国内で相次いでいます。
水産庁は、北里大学と共同で、稚魚が泳いでいる水を調べるだけで種類を判別できる新たな方法を開発しました。
ニホンウナギの稚魚の漁獲量はここ30年ほど、減少傾向にあり、1キロ90万円を超える高値で取り引きされていて、フィリピンやインドネシアで漁獲された別のウナギの稚魚を、ニホンウナギと偽って販売される被害が国内で相次いでいます。
こうした中、水産庁は、北里大学海洋生命科学部の吉永龍起講師らと共同で、稚魚が泳いでいる水を調べるだけで種類を判別できる新たな方法を開発しました。
この方法では、ウナギの稚魚が泳いでいた水をフィルターにかけて、ふんや体の粘液をこしとり、中にあるDNAから種類を判別します。
これまで稚魚は、見た目での判別が難しかったうえ、DNAを調べるには体の一部を切り取る必要があり、生きたまま判別するのは困難でした。
吉永講師らは合わせて3000匹余りのウナギのDNAを分析し、データベースを構築することで、高い精度で種類を判別できるようにしたということです。
水産庁では、この新しい方法を、稚魚の販売業者やその養殖業者で活用してもらうことを検討しています。
この研究結果は、きょう、東京で開かれる日本水産学会で発表されます。
さて、次は桜です。
こちらは広島市の桜、今の様子です。
桜は多くの人たちを楽しませて、心が癒やされますよね。
しかし今、各地で危機ともいえる事態が起きています。
きのう、満開になった東京の桜。
暖かさが続いて、例年より5日早い満開です。
桜前線は列島を北上中。
気象台がこれまでに開花を観測した地点は、九州から関東北部にまで広がっています。
しかし、各地のソメイヨシノに今、危機が。
桜の名所で、弱ったり病気になったりする木が増えているというのです。
強い風や雪の重みに耐えきれず、木が倒れるなどのケースも見られます。
なぜこうした事態が起きているのか。
全国各地で、桜の植樹や保全活動をしている団体の主任研究員、和田博幸さんです。
ソメイヨシノは、戦後の復興に伴って全国各地に広がりました。
樹齢を重ねて、勢いが衰えている木が多くなっていると指摘します。
桜並木など、狭い場所に密集するように植えられていることも、今の危機の原因になっています。
大きく育ったあと、枝がぶつかり合うため、手入れをしないと、光合成がうまくできず、衰弱しやすくなっている木が出るのです。
さらに最近、新たな病気の流行も懸念されています。
増生病という伝染病です。
病原菌が入り込み、枝などにこぶが出来て、その先が枯れてしまいます。
ソメイヨシノを守るために、和田さんは早めに木の手入れをすることが大切だとしています。
桜を見守る活動を、地域のボランティアが行っているのが、東京・上野公園です。
園内の桜はおよそ800本に上ります。
ボランティアグループの運営委員長を務める木村雄二さん。
公園を管理する東京都と協力し、桜の木を定期的に見回る活動をしています。
木の異常をいち早く見つけるためです。
木村さんは、桜の木すべてに番号を振った、管理台帳のコピーを持っています。
花をつけていない枝や病気の木を見つけたら、番号をもとに東京都の職員に伝えます。
都はすぐに枝切りや肥料を与えるなど対応します。
さらにボランティアグループは、苗木に公園で育った木の枝を接ぎ木して、後を継ぐ桜を育てる取り組みも行っています。
ことしも大勢の人たちを楽しませている桜。
これからも美しい花を咲かせるように、人が見守り、手をかけていくことが求められています。
そしてこちらは広島市。
去年、74人が亡くなった土砂災害の被災地の桜です。
被害に耐えて残り、花を咲かせました。
ことしもしっかりと花をつけました。
ここ数日の暖かさで一気に開きました。
花に力強さ、勢いを感じます。
広島市、土砂災害の被害が大きかった安佐南区の公園の桜です。
去年8月、この公園にも土砂が襲いました。
この桜の幹、根元は完全に埋まりました。
土砂は背の高さを超えたこの辺りまで来ていたといいます。
当時の被害の大きさが改めて分かりますね。
そうですね。
この公園の隣、今はさら地になっていますが、ここには、もともと家が建っていました。
そしてこの右のほう、山に向かって斜面が続いています。
上のほうに並んでいた家も流されました。
亡くなった方もいます。
自宅に被害を受けて、今も家を離れて暮らしている人もいます。
そんな中、この桜が咲いたんです。
毎年、この桜を楽しみにしてらっしゃる近所の方に来ていただきました。
この花が開くまで、どんな思いでことし、見てました?
そうですね。
土砂に埋まってましたので、ことし咲くかどうか心配だったんですけども、つぼみがたくさんついてましたので、安心いたしました。
きょうもうれしそうにご覧になってましたね。
そうですね。
ことしもこんなにたくさん花を咲かせてくれて、うれしいです。
人それぞれ思い出の桜って、家の近くの公園や学校の身近な桜だったりしますが、まさにこの公園の桜が、長年、地域の人たちに親しまれてきました。
実は5年前、地域の人たちがみずから植えた桜が、ここから500メートルほど離れた山の中にあります。
地域の絆を結び付けようという桜です。
地元でだんご屋を営む石橋清行さんです。
子どもからお年寄りまで、地元の人が気軽に立ち寄る、憩いの場になっています。
去年の災害では、店にも土砂が流れ込みましたが、周囲を励ませればと、3週間後には店を再開しました。
この地域は、古くからの住民と、新しく移り住んだ住民とが混在する、ベッドタウンです。
そこで5年前、石橋さんは地域の結び付きを強めようと、地元の人たちと一緒に、裏山にヤマザクラを植えました。
去年の春には、10本余りが背の高さほどに成長していました。
しかし、石橋さんが様子を見にいくと、土砂災害で至る所が削り取られ、植えたヤマザクラは見当たりません。
茂みの中に、1本だけ見つかりました。
残ったヤマザクラは、今にも芽吹こうとしていました。
石橋さんは、ヤマザクラが1本残っていたことを、植樹した仲間に伝えに行きました。
この辺りでは、土砂災害のため自宅を離れて暮らす人が、10世帯以上に上ります。
広島市全体では1800人近くになります。
そのうちの一人、土谷正樹さんです。
この日は被災した自宅の片づけに来ていました。
あの日、土砂は土谷さんの近くの家を次々と押し流し、この地区全体で10人の命を奪いました。
土谷さんの家はかろうじて残りましたが、今も市内にある避難者用のアパートで仮暮らしを続けています。
さらに、国が砂防ダムの建設を計画。
土谷さんは、この土地を離れることになったのです。
先行きの見えない不安。
石橋さんは、1本残ったヤマザクラを見に行かないかと、土谷さんを誘いました。
石橋さんは、土砂によって断たれた地元の絆を、桜を通じて再び育めないかと考えたのです。
この日、家が全壊して地元を離れた女性が、石橋さんにあのヤマザクラのことを尋ねてきました。
きのう。
石橋さんは、地元のなかまたちに声をかけ、1本残ったヤマザクラの手入れに行きました。
地域から離れることになった、土谷さんの姿もありました。
地元に残った人、家を離れた人。
災害を耐え抜いた桜が、再び地域の人たちの気持ちを結び付けようとしています。
土砂災害から7か月余り。
まだ桜を楽しむ気持ちになれないという人もいます。
それでも地域の桜がこうして例年と同じように花を開いていることが、被災した人たちの力になっていると感じました。
広島市安佐南区からお伝えしました。
地元の皆さん、ヤマザクラが咲くのを楽しみにしていらっしゃいましたけれども、本当にあのつぼみが開く日が待ち遠しいですよね。
そうですよね、ヤマザクラ、まだ小さな木でしたが、地元の皆さん、気持ちのよりどころとして大事に見守っているんですね。
スポーツはきょうから森アナウンサーです。
おはようございます。
よろしくお願いいたします。
まずはプロ野球・広島の黒田投手。
勝ちましたね。
大リーグから復帰の黒田博樹投手、見事な投球を見せました。
日本のプロ野球で8年ぶりの勝利です。
大声援ですね。
盛り上がってますね。
黒田は3万人を超える大声援に送られて、マウンドへ。
力が入り過ぎてしまったと、序盤はランナーを出しますが、得点は与えません。
5回は、1アウト1塁の場面。
素早く正確なバント処理で、みずからを助けます。
ナイスプレー!
粘る黒田に、その裏、打線が応えました。
梵がしぶとく落としてタイムリー2ベース。
先制点を奪います。
沸きますよね、これは。
黒田は7回。
ランナーを背負うのは6回目でしたが、最後まで粘りました。
ナイスピッチング。
黒田は7回無失点。
日本のプロ野球では8年ぶりの勝ち星です。
声援ひときわ大きかったですけど、それに応えるさすがのピッチングでしたね。
そうですね。
緒方監督も、黒田は最高の結果を出してくれました。
簡単なことばでは言い表せない、ことばにしようがない、それだけのものを見せてくれたと話していました。
さて続いては、サッカーの日本代表ですね。
ハリルホジッチ監督が率いて、初戦で快勝しましたが、あすは就任2試合目のウズベキスタン戦です。
初戦のチュニジア戦に続き、2連勝を目指すハリルホジッチ監督。
腹筋。
そして笑顔ですね。
はい。
集中してやっていこうと呼びかけました。
監督は、前の試合で出場しなかった選手を、あすは起用する考えです。
今度は誰が起用されるのか、楽しみですよね。
気になりますよね。
乾選手は、ほかの選手に刺激を受けていると活躍を誓います。
香川選手はチュニジア戦では、途中出場で2得点に絡みました。
次はゴールを狙います。
ここまでスポーツ、お伝えしました。
今週から月曜日のコーナーとなりました、けさの知りたい!こちらも新メンバー、芳川アナウンサーです。
よろしくお願いします。
この番組もきょうから新年度、新しい生活を迎えて、今、引っ越しシーズンの真っ最中とね、私自身も、つい最近、東京に着たばかりなんですが、そのときもずいぶんお世話になったのがこれ、段ボールですよ。
ですよね。
この段ボールが最近、さまざまな進化を遂げているんです。
まずね、これを見てください、これ。
これ、段ボールの球体です。
ちょっと見えづらいので、中ね、こうなってます。
卵が入ってます。
これを私、どうしようかなということを考えて、こうしました。
いきます。
あー。
えっ、これ、いいんですか?
これ、パソコンなどの精密機器のこん包材を作っている会社が、この段ボールの組み立て方で、一体どこまで強度が出るんだということを試したいと、突き詰めたいということで、作ったんですよ。
だんだんこれ、見えます?卵ね、これ、割れてないの。
無事ですか。
割れないんですよ、どうですか。
割れるはずだったんじゃないの?割れないの?
割れなくていいです。
これ、生卵?
生卵です。
同じ会社がこれなんと、ヘリコプターで高度200メートルから落とした実験を行ったんです。
そのときも卵、ひび一つ入らなかったんです。
素材は一般的な段ボールなんですが、こうして組み立て方しだいで強度が出る。
さらに段ボールというのは、適度な衝撃を受け止めてくれる、柔らかさがありますから、中の卵が守られるということなんですね。
こういった組み立て方だけではなくて、段ボールの素材そのものにもさまざまな工夫が最近なされてまして、最初に持ってきたこの段ボールも、実はこれ、ただの段ボールではあーりません。
なんか貼ってある。
防虫段ボール。
防虫?
防虫段ボール、紙とか衣類を食べてしまう虫から守ろうということで、虫が嫌がる薬が塗ってあるんです。
防虫段ボール。
さらに段ボールの強度に注目して、いろいろなものが誕生しているんです。
こちら、段ボールで作ったテーブルや収納の棚。
家具。
それからいす、これ全部段ボールで出来ております。
さらにこんなものまで。
あれ、これ、布団じゃなくて、下に見えているのがでしょ。
この下の部分ですね。
これ、段ボールのベッド。
この段ボールのベッドを開発した会社のこれ、社長。
ピースで寝てますけど、この社長は段ボールのベッドの耐久性を調べようということで自分の部屋でこのベッド、ずっと使ってるんですって。
なんとも10年以上使っているんですが、まだ丈夫。
ずいぶん丈夫なんですね。
段ボールの家具、さらには家具だけではなくトイレですね、中にバケツや袋を入れて使うもの。
こういった段ボールの家具は、日常使いだけではなくて、東日本大震災の被災地などでも活用されてきました。
さらに、さらに今では段ボールは、子どもたちに夢を与える存在にまでなってるんです。
遊んでますね。
これね、鳥取県の境港市で、現在、開催中のイベント、段ボールの遊園地。
ずいぶん楽しそうに遊んでますね。
段ボールのお山ですとか、それから段ボールの迷路、こういったものが用意されてまして、転んだり当たったりしても、それほど痛くないということで、子どもたちも跳んだり、跳ねたりはしゃいでいるんですけれども、この会場で見つけたのがこれ、段ボールの滑り台です。
なんか宇宙船みたいでかっこいいですね。
ねえ、ずいぶん大きいものなんですが、しっかりとした素材を使って、ちゃんと組み立てることで、強度がもちろんありまして、子どもさん、こうして2人が乗って遊んでも大丈夫ということで。
身近な段ボールがこのように遊具に変わるということで、子どもたちもみんな、興味津々なんですけれども、ここに遊びに来ていた鳥取県のこちら、米子市から来ていた丸橋さん親子ですけれども、母親の真帆さんは、段ボールでここまでのものができることを知って驚きました。
子どもたちも想像力を働かせて、段ボールでこれからいろんなものを作って成長してくれるんじゃないかなあというふうに話していました。
段ボールといいますと、荷物を守ったり、運んだりするという、脇役の役割が多かったんですけれども、今ではさまざまなシーンでこのように主役に躍り出てるわけです。
これからもいろいろ、段ボールの使いみち、表情が見えてくるんじゃないかなというふうに感じました。
けさの知りたい!段ボールについてお伝えしました。
続いて気象情報です。
きょうは汗ばむような陽気になりそうですね。
渡辺さん。
そうなんです。
けさはもうすでに気温が高いんですよね。
もう全国的にも、けさ晴れて、暖かな朝を迎えています。
もう風がちょっと吹いても、全然寒くなくて、気温が高いんです。
このあと日中も、ぐんぐんぐんぐん気温が上がります。
例えば東京だと、23度まで上がって、これ、本当にちょっと動くと汗ばむぐらいの陽気です。
きょうは東北から沖縄にかけて、初夏の陽気の所が多いでしょう。
2015/03/30(月) 07:00〜07:45
NHK総合1・神戸
NHKニュース おはよう日本[字]
▼装いも新たに。メインに和久田麻由子キャスター、スポーツに森花子キャスター登場!▼緊迫化するイエメン情勢に過激派組織=IS対策。注目のアラブ首脳会議を徹底解説。
詳細情報
番組内容
▼装いも新たに「おはよう日本」がスタート。メインに和久田麻由子キャスター、スポーツに森花子キャスター登場!▼中東のイエメン情勢が緊迫化する中、アラブ諸国の首脳が一堂に集まり、協議。先鋭化する宗教対立、そして過激派組織IS=イスラミックステートの脅威にどう対応するのか。専門家が緊迫する中東情勢を解説します。▼東京のサクラが満開!一方で、老いて倒木の危険のあるサクラを守るための活動が続けられています。
出演者
【キャスター】阿部渉,和久田麻由子,【スポーツキャスター】森花子,【気象キャスター】渡辺蘭
ジャンル :
ニュース/報道 – 定時・総合
ニュース/報道 – 特集・ドキュメント
スポーツ – スポーツニュース
映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 1/0モード(シングルモノ)
サンプリングレート : 48kHz
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