映像’15「家族づくり〜子どもたちと里親の一年」 2015.03.30


もう来ないでまだ!もう来ないでよ!うぅ…。
来たら片づけられへん!
(永井サヨコさん)じゃあ片づけよう?なっ?こんな…暴れたらあかんな。
なっ?じゃあ自分でお片づけしよう。
なっ?こんな…こんな暴れたらあかんのんちゃうかなヒメちゃん。
(ヒメカちゃん)暴れたらだめ。
うんだめやなぁ。
じゃあ自分でお片づけしよう。
お母さんもお手伝いするから。
ごめんねお母さん。
ねっ。
いつもお母さんに手伝わせる事をして。
ほんまやなぁ。
(ナレーション)
「ずっとここにいたい。
学校にも行きたくない」
6歳のヒメカです
やり場のない悲しみがまたあふれました
あぁ〜あ。
ヒメカは大好きなママと一緒に暮らす事ができません
一人でいると不安になり育ての親がそばにいないと暴れてしまいます
聞いてます?
(ヒメカちゃん)うん聞いてる。

(ピアニカの演奏)
実の親と暮らせない子どもたちが共に暮らしています
10歳のリオです
ずっと一人だったので家族のぬくもりを知りません
無理。
難しい。
一見屈託ないように見えますが優しかったパパがある日突然姿を消し帰る場所がなくなりました
(スタッフ)パパはどうしてる?今?今どこにおるかは分からへんけど…。
(スタッフ)うん…。
いつまで覚えてる?う〜ん去年の1月くらいに…1月か2月くらいにおったのまでは覚えてる。
(スタッフ)リオちゃんのお母さんは?お母さんはもう私が2年生のときに亡くなったから。
うん…。
永井サヨコさんは居場所をなくした子どもたちを親代わりとなって育てています
夫の利夫さんは80歳
その半生をかけてそんな子どもたちと向き合ってきました
永井さん夫婦は里親です
子どもに恵まれなかった事から始めました
行政から認定登録された里親はさまざまな理由で親と一緒に暮らせない子どもたちを預かり育てます
この40年で80人の子どもを育ててきました
やっぱり子どもいてたら楽しいでしょ?それとあの〜やっぱり気持ちに張りが持てますんでねそれはいい事やなと思いますわ。
子どもからいっぱい元気もらうし教わる事もあるし一緒に勉強もねできるんで。
忘れてる事いっぱいありますから思い出さしてくれる。
ふふふっ。
いただきま〜す。
(ヒメカちゃん)はい。
(リオちゃん)いらない。
ゴクゴクゴク。
パクパクパク。
(リオちゃん)こっちをパクパク。
よしコーヒー掛けてやるよ。
家族とは何か
里親と答えを探し続ける子どもたちの日々を見つめました

永井さんが経営する工場の3階
そこで子どもたちは暮らしています
虐待や経済的な理由で親と一緒に暮らせない子どもが途切れる事なく行政の仲介でやってくるのです
ヒメちゃんおはよう。
よいしょ。
ヒメちゃん時間ですよ。
ヒメカは小学1年生です
いつも元気いっぱいですが朝が苦手です
サヨコさんは毎朝10回近く起こします
1日でも休むとそのまま不登校になるからです
行っちゃうよ〜。
おはようございます。
(永井利夫さん)えらい機嫌悪いな。
なんやねん小学生が。
夏休みになったら自分で練習ね。
塗ってよ。
実の親と暮らせる日まで規則正しい生活を送ります
ここに来る大半の子どもがまともなしつけを受けていません
虫歯ですべての歯を失った子や1か月風呂に入っていない子どももいました
サヨコさんは付きっきりです
くしゅん!おおっ。
うわ〜もう。
すごいわねあなた。
どうなってんの?今日は。
ははははっ。
ええっ?すごいでしょ。
すごいですよ。
ヒメカが2歳の頃両親は離婚し母親は病に倒れました
永井さん夫婦に預けられたとき大人を怖がりました
「ライオンを飼っているのか」と苦情が来るほど暴れました
自分がどこまで受け入れられるのかを試したのだとサヨコさんは振り返ります
(ヒメカちゃん)ああ〜!痛い。
ヒメちゃんもう寝んねせな。
(ヒメカちゃん)痛い!痛い!寝んねして。
今も夜になると赤ちゃん返りです
一人では寝られずサヨコさんと肌が触れていないと暴れます
もう向こう行くよ。
いい?一人で寝んねしててね。
(ヒメカちゃん)ヒメもついていくから。
見てもう明日になるでヒメちゃん。
(ヒメカちゃん)いいよ。
12時やで。
(ヒメカちゃん)いいよ。
「いいよ」違うよ。
幼い子どもは特定の大人と密接な触れ合いがないと存在を否定されたと心に傷を負い前を向きにくくなるとサヨコさんは言います
(ヒメカちゃん)はははっ。
もういいよ。
もういいよ。
ヒメちゃんもういいよ。
置いてて。
いいよ。
ヒメカは今も時々「ここにいていい?」と尋ねます
サヨコさんは毎晩夜遅くまで寄り添っています
おやすみ〜。
寝よう寝よう寝よう。
早く寝ましょう。
今すぐに寝ぇ。
もう眠たくなってるよヒメちゃん。
眠たい眠たい。
小さいときに親からしてもらってないところが抜けてる場合があるんですね。
そういうときはそこまで戻してやりたいんですけどなかなか0歳まで戻す事はできないんですけど抜けたところを少しずつでも埋めていけたらなと思って。
持ち物もほとんどなしで来る子もいますんでひととおりだけはすぐにそろえてお名前書いて「これはあなたのよ」っていうふうな形で子どもたちに渡すとねほんとに喜んでくれて「これ着てもいいねんな?」「これで寝てもいいねんな?」って喜んでくれる子もいますし。
お箸の持ち方一つも分からなくてご飯食べるのも置いたままで口にかき込むような食べ方するとかそういう子どもさんが最近多いのでね。
まずこれが前のポケットで…。
急げ急げ。
ああ〜急げ急げ。
昨日ちゃんと教えて入れたのにまたぐちゃぐちゃにしてるあんたは。
半年前に施設からやってきたリオです
5年生ですが身の回りの事がほとんどできません
サヨコさんはあえて厳しく指導します
しおりは背中の方。
まっすぐ入れる。
それ前の方。
リオはこれまで叱られた経験がほとんどありません
そうそうそう。
立てて。
幼い頃母親を失い父親もある日突然失踪しました
ほとんど一人で過ごしてきたので人との関わり方が分からずうまく気持ちを伝える事ができません
あの子は本当さみしい気持ちを持ってると思うんですよね。
それで一人っ子っていう事もあるでしょうけどもお母さんが早くに亡くなってお父さんも今は一緒にいられないっていう事なんで心の中はほんと空っぽ状態じゃないかなっていうような事感じる事が多いんですね。
精神的に…やっぱり自分一人でやっていかないけないそういうのも考えていろいろ苦労は自分なりに考えてはいると思うんですけども。
永井さん夫婦は子どもたちに多くの人と関わってほしいと願っています
リオの誕生日
利夫さんはかつて育てた子どもたちとその家族を招きました
巣立っていった中には大人になってしっかり家庭を築いている子も少なくありません
ああ〜そやここの部屋やわ。
ここの部屋ここの部屋。
そうなん?ここで寝とった。
地震のときも。
あっそや阪神大震災のときはちょうどここで。
懐かしいなぁ。
(スタッフ)だいぶ変わってますか?
(2人)いや全然変わってないです。
もう〜ほんとこんなたくさん子ども連れてきてくれるのうれしいですよね。
ふふっ。
わあ〜。
(リオちゃん)速いなぁみんな。
初対面でも子どもたちはすぐに仲よくなれます
バイバ〜イバイバ〜イ。
あっ2つ!あっ向こうからも来たよ。
ほれ向こうからも来たよ。
(リオちゃん)見えない見えない。
ほらほらほらほら。
両方来たよ。
この日集まったのは40人近く
もちろんこれほど大勢の人に祝ってもらうのはリオは初めてです
開けていい?リオちゃんがいちばん喜ぶようにと思ったんやけど。
ふふふふっ。
バースデーケーキはサヨコさんが選びました
ああ〜。
ふふふふっ。
いちにぃ〜のさん。
(一同)あはははっ。
・逆だった。
はい。
ふふふふっ。
は〜い。
ふふふふっ。
(拍手)こんなんです〜。
どうですか?ふふふっ。
この日11歳になったリオは幼く見られるのが恥ずかしくてアンパンマンが好きな事を隠していました
おめでとう。
ふふふっ。
あのねあの〜私とこの家族になって初めてのリオちゃんの誕生日です。
あんた泣いてる場合やあれへん。
なんで?すごく感激して泣いてます。
ちょっと待ってね。
(一同)・ハッピーバースデートゥーユーリオちゃんおめでとう。
・おめでとう。
(拍手)
ここに来て半年人前で初めての涙です
あれ?あれ?ふふふっ。
は〜い。
これアンパンマンにした理由いうのがねリオちゃんは小さいときからキャラクターのものをしてもらった事があんまりなくてうちへ来たときもあの…小さい子が持つようなおもちゃがいっぱい欲しかった。
それで体は大きくなってるけど心はまだいっぱい小さいときの事を求めてるような子どもさんなんで今日はアンパンマンにしました。
これからは少しずつ成長して大人のケーキが食べれるような状態に持っていこうと思います。
それでいいかな?
(リオちゃん)うん。
(拍手)みんな育ちは全部違うんですけどね全部兄弟なんですよ。
家族なんですよ。
そういう事がほんとに実感できてこんなほんとに私感動した事ないです。
ほんとによかったなそう思います。
かわいい。
ありがとう。
リオは自分の傘を持つのは初めてです
失った子ども時代を取り戻してほしい
永井さん夫婦の願いです
これから梅雨なるしね学校行くとき折り畳みの方がいいと…。
これってどうやるん?
里親の利夫さんは金属加工会社を経営しています
25歳のときに独立してから働き続けてきました
座る暇もない重労働ですが80歳になっても引退できない理由があります
これはどこの仕事?「京セラ」さんの仕事です。
あの〜もう私も年なんですけども若い人が頑張ってくれるのとそれから育てた子どもたちが私とこへ仕事来てくれてるんですよ。
その子らのためにも頑張ってやらんとあかんなと思てるんです。
工場では永井さん夫婦が育てた2人の若者が働いています
社会に出てから居場所を見つける事が難しく転職を繰り返していました
利夫さんは日に何度も声を掛けています
やっぱ端っこははねてるけどな全部。
ああ〜どうしてもね。
うん。
サヨコさんは事務を引き受けています
経営は楽ではありませんが子どもたちが戻れる場所を残そうと利夫さんを支えてきました
里親を始めて40年仕事の合間は家事に追われ休む暇もありません
ちゃんときれいにしていかな…これっ足!ヒメちゃん!
ヒメカの母親が病から回復し再婚したと連絡がありました
実の親子で暮らせるかどうか夏休みの間一緒に過ごしてみる事になりました
スカートが2つ。
半ズボン。
ママが大好きなヒメカですが一緒に暮らすのは4年ぶりです
どこか落ち着きません
あとママに買ってもらってね。
たくさんいるから。
全部持っていかれへんから。
なっ?いい?言える?なくなったら「ママ買ってください」って言える?言えない?言われへん。
言われへん?じゃああの大きいの持ってく?
ヒメカの心がママと新しい父親に向かうようサヨコさんはあえててきぱきとヒメカの準備を進めます
あと6枚。
なっ?夏休みの宿題全部やってきてよ。
いい?うん。
じゃあこちらの…ここの朝顔はお水やりしときます。
ヒメちゃんの代わりに。
うん。
一生懸命ヒメちゃんや思ってお水やりしときます。
練習しといてね。
おむつ取れる練習。
サヨコさんは「いっぱい甘えておいで」と送り出しました
はいバイバ〜イ。
どの程度まで親子でやっていけれるのかお母さんがあと子どもについてあの〜どのように対処していけるのかねそれを練習していただくためにも連れて帰った方がいいっていう事になりましてね。
今回ちょっと長期で行ってスキンシップやとかママとの触れ合いを上手にコントロールできるようになればねそれがいいかなぁと思って。
まっ今回は試験的っていうお話なのでしばらく行かしてみようかなぁと思ってます。
リオの父親の行方が分からなくなって10か月
この日突然リオに宛てて手紙が届きました
ずっと気がかりだったパパからの手紙
今は事情があってどうしてもリオを迎えに行けないと書かれていたそうです
落ち着いたので気持ちを話してもいいとリオから連絡があったのは手紙を読んだ2時間後でした
ああ〜今日…うん学校も楽しかったし。
けどいちばんうれしいのはパパからの手紙が来た事かな。
これ手紙が…。
うんパパから。
「リオへ。
リオ元気にしていますか?ずっと連絡もなく会いにも行かなくて本当にごめんなさい。
去年の夏にリオと約束した事一日も早く住む家と仕事を探して一緒に暮らせるようにするからっていうリオとの約束を守る事ができなかった事は本当に反省しています。
本当にばかなパパでごめんなさい。
いちばん大好きでいちばん大事なリオの事をほっておいて。
でもリオの事が嫌いになったりリオの事を忘れたりしたんと違うからな」。
(スタッフ)朝起きてお父さんがいなくなってたとき覚えてる?うん覚えてる。
最初はあの〜お父さんとかいつもそういう事があるから。
なんかご飯…朝ご飯買いに行ったりなんかちょっと行ったりしてたまにそういうのあったからなんとも思わんかったんやけど最初。
ずっと…1時間くらい待っても帰って来ぉへんかったから電話してみてなんやろ…夜になってもずっと帰って来ぉへんかったからもう一回電話して。
じゃあ「明日くらいになりそうや」ってなったからまたうん…また寝てそれで明日になってまた掛けてみたらもう次は「1週間くらい待って」って言われてずっと待ってても来ぇへんかった。
(スタッフ)お父さんを嫌いになるような気持ちってあるの?それはない。
うん…。
(スタッフ)久しぶりのお手紙どうだった?めっちゃうれしかった。
ちょっと涙出たけど。
(スタッフ)お父さんどこにいるんだろう?今。
う〜ん…分からん。
(スタッフ)何をしてるのかな?う〜ん…何してるんやろ?お父さんはすごくリオちゃんに対して愛情を持っておられるんですね。
あの手紙を私も読ませてもらいましたけどもほんとにリオちゃんに会いたいとリオちゃんに謝りたいというてあの〜そういう事は手紙に書いてありました。
それ読んでリオはほんとに大きな声出して泣きましたわ。
私らがなんとかして元気なリオに…立派に育ててお父さんとこに帰してあげたいなと思うんです。
いつか帰せると思います。
せやからリオもしばらく辛抱するようにってこう言うてるんですけども。
「こんばんは」って。
きゃあ〜〜!!帰って来ました。
はははっ。
夏休みを産みの親と過ごすはずだったヒメカが僅か1日で帰って来ました
戻りたいと泣き続けたそうです
何すんの?ほらほら。
もう見んな〜!!はい。
ほんでおでこもほい。
お鼻も…。
何があったのかヒメカはひと言も話しません
(ヒメカちゃん)ヒメ自分でやる。
うんやって。
ひひひっ。
ひひひひっ。
うわっ!もう!わあ〜すごい。
様子が変です
いたずらを一向にやめようとしません
ヒメカは戻ってきてしまった自分を責めているとサヨコさんは感じていました
はいはい足。
はいっ!ママも今日しんどかったんやと思うよ。
ヒメちゃんな…そやからヒメちゃんもちょっと…ちょっとしんどかったからなヒメちゃんもしんどかったからな。
うわ〜ん!はい。
は〜いはい。
分かった分かった。
はい。
分かった。
はい。
ヒメちゃんよ〜し。
いいよいいよ。
いいよいいよ。
はいはい。
はい。
(ヒメカちゃん)もっと。
気持ちのやり場がないみたいな感じ。
子どもなりに気ぃ遣ってるんやろね。
それでいてママ帰るとやっぱりさみしいって後追いみたいな事ね…気持ちもあるんやけど。
ミンミンミンミン…
(セミの鳴き声)
夏が終わろうとしています
突然ヒメカの母親と再婚相手から今すぐにヒメカを引き取りたいと電話が掛かってきました

(ヒメカちゃん)ママ捕まえたらな…。
(サヨコさん)・まだまだ…。
(サヨコさん)・あんたが今そこで心配する事と違うわ。
・私はちゃんとやりますよって。
・こっちもやるから聞いてんねん。
サヨコさんは転校手続きが間に合わないと訴えました
里親と産みの親それぞれがヒメカを思い感情が高ぶりました
あの子賢い子やからね親元行ったらね「お母さんとこがいいよ。
ママとこがいいよ」ってこう言うんよ。
ところがうちへ帰って来たときにはお母さんにもう付きっきりやろ?そやからどうかなぁと思ってちょっと心配なんやけどどない思う?あの〜やはりママがいちばんよ子どもにとったらね。
うん。
向こうも夏休み前から連れて帰りたいという事があったからねまあ子どもがその気になればそれでいいと思うんやけど。
だからヒメカの気持ちがそうであればそれでいいんよ。
私らは育てんのが使命だしまたヒメカを育てて4年間育ててほんとに楽しい思いをさしてもろたやん。
ヒメカは再び親元へと戻っていきました
ヒメカが引き取られて2か月最近リオは反抗的です
この日もサヨコさんに相談もなく突然外出すると言いだしました
自分の行きたいばっかりの気持ちやんな?はははっ。
行きたいんやからいいやん。
いや行きたい気持ちはいい。
そやけどやり方が間違ってるっていう事。
違うか?リオちゃんどない思う?順番いうのがあるやんな?分かってるんやけどもまだ分かってないねん。
ヒメカと違いリオに戻れる家族はありません
生活は乱れ1週間お風呂にも入っていません
リオもなぜ反抗的になるのか分からず自分を持て余していました
なんか…お母さんはなんか正しい事言ってると思うけどなんかリオは…なんか受け入れたくない。
なんでかなんか反対しちゃう。
なんやろ?う〜ん。
リオを元気づけたい
利夫さんは週末はすべて子どもたちと過ごします
この日も会社の仲間やかつて育てた子どもたちを招き夏祭りを企画しました
80歳の利夫さんが体を張って生まれて初めてのサッカーに参加する姿を見てリオも思わずボールを追いかけはじめました
・わあ〜大丈夫?
一緒に暮らすだけでは家族にはなれません
時にぶつかり合い時に互いを思いやる
家族の形は一朝一夕には出来上がりません
お父さんもう調子に乗ったらあかんで。
何があってもすべてを受け入れる
40年里親を続けてきた永井さん夫婦の思いです
・足の方は大丈夫なん?大丈夫。
ヒメカが親元に戻って3か月そろそろ落ち着いてきた頃かと皆思いはじめていました
ところがこの晩突然ヒメカが戻ってくる事になったのです
飲んでないで早く降りて。
(リオちゃん)おかえりヒメカ。
よいしょ。
はいこれ持って。
(ヒメカちゃん)なあなああの傘壊れたから。
どうして戻ってきたのかヒメカは何も話しません
虫が来た!ふふふふっ。
・虫…。
(高い声で)虫が来た〜!・変な声変な声。
(高い声で)このご飯は…。
(リオちゃん)リオねえちゃん踊ったんやで。
見ときや。
子どもたちは何があったのか決して聞きません
あはははっ!
(リオちゃん)めっちゃ笑うやん!
はしゃいでいたヒメカが突然布団にもぐり込みました
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!
(リオちゃん)メモしとこ。
「もう泣いてんの?」言わな。
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!ははははっ。
にぎやかやなぁ。
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!うう〜〜!ヒメちゃんどうした?ヒメちゃん。
(ヒメカちゃん)ごほごほっ。
どうした?
(ヒメカちゃん)おぇっ…。
(リオちゃん)「おぇっ…」って言った。
もう眠たくなったんかな?
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!すごい興奮してるわ。
そやからその感情が今出てんねん。
泣きたいねん。
ヒメちゃ〜んどしたん?ヒメちゃんどしたん?ん?
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!よしよし。
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!泣きたいな泣きたいな。
泣いていいよ泣いていいよ。
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!はいはい。
はいはい。
(ヒメカちゃん)うわ〜ん!うわ〜ん!ばあ〜!ばあ〜!ほらほらほら。
今まで我慢してたんや。
しんどい…そのな…。
ママと再婚相手の間に赤ちゃんが生まれていたそうです
ヒメカは自分の居場所を見つける事ができなかったのかもしれません
コロンコロン転がった。
よっこらせ。
うわっ重たくなったなぁ。
ヒメカは20分間泣き続けました
(ヒメカちゃん)うぅ…。
重いわ〜。
ほらコイ見たって。
コイほら。
(リオちゃん)・世界がひとつになるまで
(リオちゃん・ヒメカちゃん)・ずっと手をつないでいようここで見てるから。
はいここで見てるからな。
(ヒメカちゃん)こっち!狭い。
狭いでしょ。
ははっ。
はよおいで。
はよおいで。
はよおいで。
ははははっ。
狭っ狭っ。
・何これ?上にのってんねやん。
何これ?何これ?
(ヒメカちゃん)ここが家。
ここが家な。
何も我慢しなくていいよ
サヨコさんはそっとヒメカに伝えました
うわっうわっ。
うわっ汚ぇ〜。
(ヒメカちゃん)おいで。
ちょっとこっち来て。
来てるやん。
もうこれ以上行けません。
秋が深まる頃リオの父親から封筒が送られてきました
幼稚園のときか。
リオが好きだった絵本それにずっと捜していた両親との写真も同封されていました
保育所…幼稚園とかの分の写真がいくつかこれ入ってる。
両親がそろっていた頃の楽しかった家族の思い出がよみがえります
お母さんべっぴんさんやなぁ。
べっぴんさんやろ。
なあ?リオちゃんのかわいいのあったでほら。
あっこれか。
ふふっ。
これスペイン村?スペイン村ちゃう。
えっとどこやったっけなぁ?和歌山のあそこちゃうか?ああそうそう。
痛っ。
舌かんだ。
ははっ。
和歌山の…。
お母さんリオの事をとっても愛しとったんやな。
亡くなったお母さんもお前の事をすごく心配して亡くなったと思うよ。
だからお前は頑張って…頑張ってね。
これからも頑張らなあかんで。
うんうん。
立派な人間ならなあかん。
なっ?お母さんのためにも頑張るんやで。
なっ?たくさんの思い出あるやん。
お母さんに会いたいときいつでも会えるやん。
そやな。
だからなお母さんのためにもお父さんのためにもこれから一生懸命勉強して頑張るんやで。
なっ?うん。
(リオちゃん)どうなんのかな?これ最近のやつかもしれへん。
この封筒を覚えたのがえっと2年のときやからたぶん最近の。
子どもたちにとって特別な日がやってきました
リオは落ち着きません
(2人)お母さんの誕生日。
(スタッフ)何かするの?
(2人)うん。
なんかプレゼントなこれやねんけど。
ふだんサヨコさんに反抗してばかりのリオですがこの日のために初めて手づくりのプレゼントを用意しました
ハートのつもりが三角なってん。
・ははははっ。
(リオちゃん)でも刺繍入れた。
「サヨコ」って刺繍入れた。
(スタッフ)感謝してる事があるの?うん。
やっぱり…。
ありがとうっていう…。
(一同)・ハッピーバースデートゥーユーはいありがとう!
(ヒメカちゃん)ケーキおめでとう。
ケーキおめでとう?・お母さんジャン!
ほかの子どもたちはお小遣いをためて買ったプレゼントを渡しました
でもリオはなかなか渡せません
タイミングが悪いな。
ははははっ。
ん?でもあれやで?
(ヒメカちゃん)かか!はい?あらら。
あんたそれで拭いちゃだめだよ。
さっきのタイミングに渡せばちょうどよかったのにな。
ふふふふっ。
大人への甘え方が分かりません
「ありがとう」を言いだすきっかけもつくれません
サヨコさんに手紙を書く事にしました
自分の口でちゃんと言えないもどかしさが募ります
(リオちゃん)はい。
あっ。
リオからのプレゼント。
はい。
はははっ。
まあ。
ハート形やん。
ハート形。
ありがとう。
・あらなんか付いてるよ。
あっ付いてる付いてる。
自分の言いたい…何を言おうかなっていうのをちょっとまとめといて話しかけんねん。
うん。
で言わんならん思うてるから何言うのんか忘れてまう。
ははははっ。
なっ?んじゃさっきのどうやった?何が?あっこれくれたの?これ?うんありがとう。
上手に出来てるよ。
ハートになってるやん。
なっ?一生懸命つくってくれてんやろ?
(リオちゃん)ううっ…。
ありがとな。
(リオちゃん)うん…。
ありがとう。
リオの気持ち分かるよ。
一生懸命やってくれてたん。
なっ?うん。
ありがとね。
一生懸命つくっててんな。
一人でそっとやってたやろ?知ってるよふふふっ。
なっ?ありがとう。
一生懸命つくってくれた。
気持ちは伝わってるよ。
ねっ?はいありがとうありがとう。
なっ?リオちゃんの気持ちは大切にします。
だから大事にするよ。
なっ?「おたんじょう日」…。
何それ?「いらんかったらステテ!」って書いてある。
ははははっ!リオちゃんらしいな。
(ヒメカちゃん)どこに書いてるん?・はいはい。
お父さんにはもう知らん。
うんハートやな。
このあと些細な事からケンカが始まりました
リオがここまで感情をあらわにした事はこれまでありません
ねえどしたん?これっ!やめなさいもう!もう!
リオはサヨコさんにうまく思いを伝えられなかった自分にいらだっていました
どうしてそういうふうになるん?ん?縫い直して。
(リオちゃん)知らんしそんなん。
縫い直してって!お前のせいで取れてんねやん。
(リオちゃん)知らんし。
はいもうおしまいもうおしまい。
もうおしまい。
これっ!
(ヒメカちゃん)リオちゃんの…。
ヒメちゃんはそっち行きなさい。
我慢せず気持ちをぶつけ合えるのも本当の家族に近づいたからかもしれません
サヨコさんはリオが一歩前に進んだと感じていました
(ヒメカちゃん)もうやめとき。
もうやめよ!二人ともええかげんにしなさい。
「ほほうこれはすばらしい。
じいさんは思わず子どものように声を上げて喜びました。
1羽だけであったが生きている。
ガンをうまく手に入ったので」…。
年が明けました
サヨコさんと利夫さんはリオに毎日音読をさせています
表現力を身に付け思っている事を相手にちゃんと伝えられるようになってほしいとの思いからです
(リオちゃん)「がなんと思ったかまた銃身を下ろしてしまいました。
ガンはいちばん最初に」…。
リオは入浴や着替えを嫌がる事もあり時々生活が乱れますがどれだけ注意されてもサヨコさんから逃げなくなりました
春のお洋服。
わあ〜!
(ヒメカちゃん)もういいわ!ヒメのないねんな。
(一同)ははははっ。
ヒメちゃんこないだ買ったやん。
最近はちょっとした事でも感謝の言葉が言えます
(リオちゃん)お母さん見て。
おっちょうどええちょうどええ。
よかったよかった。
(リオちゃん)これ合うてる?合うてる合うてる。
かわいい。
かわいいわ。
うん。
(リオちゃん)ありがとう。
11歳になってようやく素直に甘える姿を見せるようになっていました
かわいいやろ?そうそうそう。
(リオちゃん)うん。
ポケットなってんねん。
この冬リオは離れている父親と1日だけ会う事ができました
事情があって今は一緒に暮らせません
ひと月たって気持ちを聞かせてくれました
もうすごいドキドキしてて緊張しててなんかなんも考えられへんかった感じ。
そんな…頭ん中が真っ白になってすごい緊張しとった。
(スタッフ)お父さんの姿を見たときはどうだった?涙出た。
久しぶり…もう1年くらいかなたぶん約1年くらい会ってなかったからすごい涙出て…会えてうれしいっていう涙が出た。
ごめんなってずっと言ってた。
ああいう朗らかな子やからあの〜うれしかったいうて話したときはポロポロっと泣いてましたけどそのあとはもう普通に返って。
でもあの子はあの子なりに悩んでたりとか会いたいとかいう気持ちね…それとほっとした部分もあったん違うかな。
うん精神的に落ち着いたよね。
落ち着いてたね。
ちょっと落ち着いたかなって。
うん。
その分反抗期が出てきた。
(2人)ふふふっ。
ふふふっうん。
あの〜私とこではねこの家に慣れてくるとどうしても反抗心が出てくるんですよ。
まあそうなればしめたもんなんですけどねうん。
里親ってね出会いと別れの繰り返しですのでねいい事も悪い事も含めて子どもたちみんな夢とそれからいろんな思い出いっぱいつくってくれるんでねやっていって…あとからやっててよかったかなこんな事もあったなあんな事もあったなって思い出すんですけど子どもからはやっぱり夢と…。
喜びいうか思い出はいっぱいもらいましたね。
だからこれからももうちょっともらおうかな。
はははっ。
欲張りかな?はははっ。
そんなに欲張ったらいかんのかなと思うんですけどね。
まあそれぞれ子どもたち成長していってくれてうちの家から巣立っていってまあ自分自分で親のとこへ帰った子自分で自立した子いろんな子どもたちが幸せになってくれんのがいちばんいいのかなと思いますねんけど。
(リオちゃん)よろしくお願いします。
よろしくお願いします。
(リオちゃん)おはようございます里親会です。
リオは街頭で自ら見知らぬ人に呼びかけています
里親制度への理解はまだ十分とは言えません
2時間近く立ちっぱなしです
(リオちゃん)おはようございます。
よろしくお願いします。
親と一緒に暮らせない子どもたち
里親に生涯をささげた夫婦と共に家族をつくり直そうとしています
里親会です。
よろしくお願いします。
すみません。
おはようございます。
よろしくお願いします。
家族っていうのは…。
助け合える…。
助け合えたり信じ合えるもの。

(スタッフ)永井さんのお父さんとお母さんとは?家族。
うん。
2015/03/30(月) 00:50〜01:50
MBS毎日放送
映像’15「家族づくり〜子どもたちと里親の一年」[字]

親と暮らせない子どもを育てる里親として40年間で80人近い子どもを育ててきた老夫婦の日常〜ある里親と子どもたちの泣き笑いの日々を見つめる

詳細情報
番組内容
厚生労働省が昨年実施した「児童養護施設入所児童等調査結果」によると、里親に委託されたり、児童養護施設へ入所するなどで、親と離れて暮らさざる得ない子どもたちは3万4500人にのぼる。5年前に実施された同調査より約1000人ほど増えている。
番組では、これまでに80人を超える子どもを育ててきた老夫婦の日常を描く。
親のぬくもりを知らない子どもに家族とは何かを知ってほしいと願う、泣き笑いの日々を見つめる

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
福祉 – 文字(字幕)

映像 : 1080i(1125i)、アスペクト比16:9 パンベクトルなし
音声 : 2/0モード(ステレオ)
サンプリングレート : 48kHz

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