広島という小さな町に僕を待ってくれる人がいる
男はそう考えて進路を決めた
プロ野球選手・黒田博樹40歳
年俸20億円以上を提示したメジャーからの誘いを断り広島カープに推定年俸4億円で復帰した
(黒田)野球できるのが当たり前じゃないですしそうやってたくさん応援してくれてる人もいるしそういう感謝の気持ちを忘れたらいけないかなと思って常に自分にそうやって頭にたたき込むようにしてるというかすぐ勘違いしてしまうんで
去年までいたニューヨーク・ヤンキース
世界最高のチームで黒田はエース級の活躍を見せた
メジャー通算79勝
「ヒロキはヒーロー」そういわれた
おととしの取材
住まいはマンハッタンにあった
一等地の最高級マンション
一流尽くしの調度品が成功ぶりを物語る
手に入れた最高の環境
しかし黒田は背を向ける
古巣・広島
ヤンキースでは当たり前だったチャーター機や贅を尽くしたクラブハウスはここにはない
20億円を捨てて日本に帰ってきた絶頂期のメジャーリーガー
その気概
男気という単語は今や黒田の代名詞になっている
やっぱりそれだけ期待して待ってくれる人がいるっていう…ファンの人たちがいるっていうのは一番…それがなかったら多分もしかしたらまた違う決断になってたんじゃないかなと思いますけどね
(スタッフ)21億円を断って4億円の世界に戻ってくるって考えられないというか…でもやっぱりそれ以外でねそういう決断をしてまたファンの人たちというかそういう人たちの気持ちを動かしたり子供たちにまた違った意味での夢を与えるっていうのもそれも一つのプロフェッショナルだと思うんで
プロの決断
そこには手にしたものを断ち切りながら前に進む男の生きざまがあった
黒田はドジャース時代から家族と住むロサンゼルスで自主トレを始めた
12月までのオフシーズンはボールには一切触らず肩と肘をしっかり休ませた
それがメジャーで培ったやり方
ここで一から体作りを始め広島のキャンプには遅れて合流することになっている
慣れ親しんだロスの街
ここもたまに朝飯来ますよ買い物するんだったらあっちのほうですねビバリーとかロデオドライブのほうですねこの辺は食事したりちょっとしたランチしたりっていう感じですね結構ねその辺のイタ飯屋でも誰やったかな…ハリソン・フォードがおったし飯食ってる時結構ね…ちょっと先のとこもシュワルツェネッガーとかおったり結構おるらしいんですけどねでも僕ね外国の人は有名な人を見ても全然分かんないですよね自分の一番下の子をあやしてたおばちゃんがシャロン・ストーンだったんですであとから嫁に聞いたら「あれシャロン・ストーンよ」って言われてそれまで気付かなかった
12歳を頭に3人の娘がいる
親として一つ大きな決断をしていた
日本へは単身赴任
出ましたねこれで日本帰ってもバイトできますよ
気持ちが優しくなってしまうから…と家族はアメリカに残していく
2月14日日本に帰国
広島市内で記者会見に臨む
(せき)
待ち受けていたのは200人の報道陣と12台のテレビカメラそして金屏風
本人はいささか照れ気味だったがこれこそが黒田自身が築いた価値なのだ
おはようございます
復帰後初めて赤いユニホームに袖を通した
着心地はちょっと分かんないですねあの〜そんな大して鏡も見てないしちょっとはい
(スタッフ)鏡見てない?あんまり見てないっすね
(シャッター音)
始まった日本での戦い
一挙手一投足に視線が集まる
大きな戦力アップに広島カープはいち早く優勝候補に挙げられた
40歳という年齢はチーム最年長
アメリカにいた間にチームはすっかり様変わりした
後輩たちとのゲーム
ボールをカゴに当てれば勝ち
大きく外れた
練習後に出来た長蛇の列
日付け…日にち?今日何日?2月の…21だっけ?自信はないですねそらぁないですよ40歳の体で投げるシーズン初めてですから何が起こるか分からないですしその中でそれだけの球団に評価してもらってこうやってまたユニホームを着させてもらってるんでそれに応えれる自信っていうのはまだ現時点ではないですね
(スタッフ)何て言われました?大丈夫ですと言ってましたけどそれはでも彼の社交辞令かも分からないですし
アメリカ行きを発表したのは8年前のこと
(記者)もうカープ残留ではなくてメジャー移籍一本100%メジャー移籍ということで間違いはないですねはい
涙の決心
カープへの愛情を胸にしまい込み高みを目指した
メジャーでは去年まで5年連続の2桁勝利
抜群の安定感を見せた
だが苦労知らずというわけではない
無残に打ち込まれ罵声を浴びたこともある
戦う毎日
準備と調整に心を砕いた
これは相手打者の対策をまとめた自筆のノート
メジャー全30球団250人以上の打者が網羅されている
これだったらとりあえず…インサイドの…そこでカウントを稼ぐっていう
日本では「ミスター完投」と呼ばれたがその称号はあっさりと手放した
代わりに重視したのがクオリティースタートと呼ばれる数値
6イニングを自責点3以内に抑えれば先発の責任を果たしたと見なされる
黒田はその数値がすこぶる高い
昨シーズンはメジャートップクラス
日本人投手ではナンバーワンだった
3月広島での最終調整に入った
町は歓迎ムード一色
開幕カードはわずか2日で売り切れた
黒田は毎朝全体練習の1時間半前に球場入り
グラウンドに出る前に欠かさずトレーニングルームへ向かう
メニューは毎日同じ
チューブとマシンとバランスボール
骨盤と股関節の動きを気にしながら1時間以上かけて丁寧に行う
ここで最後こうやって股関節動かしながらこういう動きで自分でシャドーピッチングする
見込まれる初登板はデーゲーム
食事や寝起きなど生活のリズムを既にそれに合わせていた
おはようございます・おはようございますすいません首はちょっと左がやっぱりまだ…
欠かせない治療がある
ピッチャーライナー頭に当たってからず〜っと首がね状態が良くなくて…まぁごまかしながらじゃないですけど何とかここまでもってるかなっていう感じですね
6年前の出来事
今も後遺症に苦しんでいる
つらいですよ野球するのはつらいですよ
オープン戦の初マウンドがやって来た
日米の野球の違いは小さくない
ストライクゾーンやマウンドの硬さボールの感触や縫い目の高さも異なる
だが黒田は打者13人をパーフェクトに抑える
特に左打者の内角に投じるツーシーム通称・フロントドアが衝撃的だった
投球を見た桑田真澄はこう分析する
コントロールいいねやっぱりねボールゾーンからもストライク入ってくるボールゾーンからもストライク入ってくる…あれぐらい…今投球をしてますよね
魔球・ツーシーム
投げ方を教えてくれた
今ツーシーム投げるピッチャーの人が多いのは多分こういうこう縫い目をそろえて投げるのがツーシーム多いと思うんですけど中指がこの中心に来るようにして…でもう全くピタッとひっつけるんですよね最後はここの人さし指で押し込むひねるんじゃなくて最後に押し込むというか切るっていうイメージですよね僕はこれがなかったら多分現時点の僕はないんじゃないかなと思うし
メジャーに移籍した直後は勝負どころでシュートを使った
日本ではそれで打ち取れた
しかしメジャーのパワーは違った
詰まってもスタンドに運ばれてしまうのだ
そして編み出したツーシーム
苦境の中に成長はあった
7年間主のいなかった背番号15
広島カープは復帰を信じ黒田はそれに応えた
誰もが認める相思相愛
聞けば日本の他球団からのオファーは一切なかったという
本邦初公開
ロッカールームに入らせてもらった
グローブはこの時期だけですねいろんなのを試してやってるんで試合で使ってるのはこれですね試合っていうかまぁずっとこの間も試合で使ったの
スパイクにもこだわりがある
傷んできたりして横ぶれが出だすと嫌なんである程度かちっとしてるほうがいいんで
(スタッフ)一番下のは何ですか?これですか?
(スタッフ)いやその下ですこれですか?これは普通の…健康食品の…
(スタッフ)時々お飲みになる?飲みますよ体が資本なんで
父はプロ野球選手母は砲丸投げの選手だった
高校時代の背番号は17
ずっと控え投手だった
大学時代に才能を伸ばし卒業後ドラフト2位で広島入団
当時の初々しい映像が残っている
好きな言葉をと頼まれると…
「苦しまずして栄光無し」です
そして今単身赴任で2度目の広島暮らし
夕食は外でとることが多い
食前酒は店の心遣い
(店員)赤じそ酒でございますお疲れさまですお疲れさまですおいしい
気心の知れた球団スタッフとの食事
リラックスした黒田がそこにいた
コンビニ行きたいねんけどな
(比嘉さん)コンビニもちょっと…コンビニ行きたいこっちに帰ってきたらやっぱりテンション上がりますよねコンビニ行くと…いろんなものが売ってるししかも24時間やってるというのはアメリカではありえないんでいや〜でも…まだですか?やっぱり気ぃ遣うんじゃない?俺も気ぃ遣うもんやっぱりそうやって下手なこと言えないからね下手なことを教えれないというか伝えれないから結構僕は…どんどん来たらいいのにやっぱり気ぃ遣うのも分かるし何を聞いていいか分からない自分が逆の立場だったら何を聞いていいか分からないと思うから難しいのは難しいと思うんだよね
こんな本音も
早よ辞めたいと思うんですけどねホンマにもう早よ辞めたいなと思ってやっぱりこんなしんどい…まぁそれなりにはちゃんとお金をもらってるんで逆にそう思うのかも分からないですけど早よ辞めたいなと思いますよねしんどいですもんねマウンド上がるのはまた今年も野球やってるでって思いますもんやっぱり
今も続く準備と調整の毎日
19年目のシーズンがもうすぐ始まる
練習後の日課があった
熱っ!
マツダスタジアム内にある疲労回復風呂
さすがにサウナでその辺のおじさんに捕まったら出られへんやろからね
体調は万全あとは投げるだけだ
字幕放送は終了しました2015/03/29(日) 23:00〜23:30
MBS毎日放送
情熱大陸[字]【黒田博樹/独占密着!20億円を捨てた移籍の裏側…本音激白】
プロ野球選手/黒田博樹▽昨年メジャーリーグ複数球団の20億円を超える契約金の提示を断り、古巣の広島東洋カープで8年ぶりに異例の日本球界復帰を果たした男に独占密着
詳細情報
番組内容
黒田カープ復帰のニュースを聞いた広島県民は「男気だ!」「優勝だ!」とヒートアップした。しかし黒田は戸惑いを感じている。「男気で帰ってきたんじゃないしそもそも自信もない。実際に1勝すらできるかどうか分からないですから」と意外な一言を漏らす。練習ではチーム最年長ながら誰よりも早く球場入りし、若手選手や裏方を思いやる謙虚でストイックな姿勢も健在だ。この番組だけが許された密着取材。開幕までの足取りを追う。
出演者
【プロフィール】
黒田博樹
プロ野球選手。1975年大阪府出身。
専修大学時代150キロを投げスカウトの目に留まり、1996年広島東洋カープに入団。2005年最多勝、2006年最優秀防御率のタイトルを獲得。2007年にFAでロサンゼルス・ドジャースに入団。2012年にニューヨーク・ヤンキースへ移籍し地区優勝に貢献。メジャー通算79勝は野茂英雄に次ぐ日本人2位。今年広島カープに8年ぶりに復帰。
制作
【製作著作】MBS(毎日放送)
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