NHKスペシャル「命と向きあう教室〜被災地の15歳・1年の記録〜」 2015.03.29


震災で家族を失った体験を打ち明ける生徒たち。
「あんなに悲しい思いをしたから無理に笑っているんじゃないか」。
宮城県の被災地にある中学校で行われた命とは何かを考える特別授業です。
これまで学校ではほとんど触れてこなかった大切な人の死。
それをあえて発表します。
一人抱え込んできた悲しみを共に受け止め分かち合うためです。
心の内を言葉にし始めた生徒たち。
次第に本音で語り合うようになっていきました。
前へ進むために命に向き合い続けた生徒たち。
イエ〜イ!イエ〜イ!共に歩んだ15歳。
1年の記録です。
宮城県の沿岸部にある東松島市。
震災からの復興へ向けトラックが行き交う町。
その一角にある…被災した2つの学校が統合して出来ました。
3年生は3クラス82人。
震災が起きたのは小学5年生の時の事でした。
4年前の東日本大震災。
東松島市では1,000人以上が犠牲になりました。
多くの子どもが身近な人を亡くしたり人の死を目の当たりにしたりしました。
心に刻まれた深い傷。
互いに気遣うあまり先生も生徒同士も触れる事ができずにいました。
あの日から3年が過ぎた去年の春。
先生たちは大切な人の死をあえて語り命とは何かを考える授業を行う事にしました。
命の授業は月に1度。
担当するのは保健体育の…痛みを抱え込んだ生徒をそのままにはできないと考えていました。
(制野)やっぱり心の傷は見えないのでどうアタックアプローチしていいのかが分からなかった。
いずれアプローチしなきゃいけないとは思ってたんですね。
その…ふだん見えないような部分にやっぱり我々手を届くように指導しなきゃいけないだろうというのは教員の中ではあったんですけどやっぱりそこがどうしていいのかが分からなかった。
制野先生はまず生徒に震災体験の作文を書いてもらいました。
直接話しにくい事も文章でなら表現してくれると思ったからです。
どれだけ書いてくれるか不安だった先生。
作文には予想以上に多くの言葉が並んでいました。
先生は作文を紹介する事から授業を始める事にしました。
作文を発表する最初の授業です。
先生はまず発表しても構わないと答えた生徒の作文を読みます。
ほかの先生や教育学児童心理の専門家が授業をサポートします。
授業の中盤先生がある生徒の作文を配りました。
母と姉が目の前で津波に流され亡くなりました。
大丈夫ですか?まあ佑麻くんはこういう思いをしょってずっとここまで来た訳です。
それから考えてる事率直に…。
佑麻くんの作文への感想は次の授業で発表される事になりました。
母と姉を亡くした佑麻くん。
その事をこれまでほとんど話してきませんでした。
2人を助けられなかった事をずっと後悔しているといいます。
なぜ大切な命が失われてしまったのか。
命の授業の作文を書いているうちにみんなの考えを聞いてみたいと思うようになりました。
次の命の授業。
家族を失った佑麻くんに同級生が初めて感想を伝えます。
生徒たちは震災で死を間近に感じた体験を次々と語りました。
先生は次の授業までにこの日の感想を書き考えを深めていこうと伝えました。
授業のあと佑麻くんの周りに輪が出来ました。
同級生が共感したのは命があるからこそ出会えたという言葉。
佑麻くんはもっと書きたいと作文用紙をもらっていました。
佑麻くんの作文をきっかけに命について考え始めた生徒たち。
先生はある生徒が書いた作文が気になっていました。
生徒会の副会長…母恵理さんを津波で亡くしました。
父俊也さんも津波に流され行方不明のままです。
今亜美さんは祖母の家で暮らしています。
行くぞ〜!学校での亜美さんはクラスのリーダー。
いつも明るくみんなを引っ張ってきました。
両親を失った悲しみを見せる事はほとんどありません。
いけいけ…フレフレフレ…!亜美さんが書いた作文。
そこには震災後ずっと自分を責めてきた事がつづられていました。
亜美さんが心の奥にある思いを率直に書いた事に先生たちは驚いていました。
こんな苦しいんだよというのをアピールしたのは初めて。
(取材者)あんまりでも今までそういう事は…?言わない言わない。
絶対言わない。
もう大丈夫って言う。
聞かれたくないオーラを出してたから今までは。
だから初めてです。
手を伸ばしちゃ駄目って思っているうちは何か前に進めないんじゃないかな亜美ちゃん。
亜美さんが一人で抱え込んできた苦しみ。
制野先生はそれをみんなに伝えてはどうかと話す事にしました。
そっか…。
何て言うんだろう…そっかそういう事か。
先生はふだん気持ちをあまり表に出さないある男子生徒の作文を見せました。
友達はきっと受け止めてくれると伝えた先生。
亜美さんは作文をみんなの前で発表する事にしました。
10月の命の授業。
(チャイム)はいお願いします。
それでは命の授業は命とは何かを考えるっていうのは今日で4回目になります。
なっ。
どっちでもいいよ。
うん。
っていうふうなね作文になります。
どこか意見出たところありますか?いつも笑顔の亜美さんがつづった苦しみ。
どんな言葉をかけたらいいのか。
生徒たちはすぐには発言する事ができませんでした。
はいでは終わります。
母と姉を失った事を作文で発表した…どんな言葉を伝えるか懸命に考えていました。
半月後亜美さんはみんなが書いた作文を制野先生から受け取りました。
う〜ん何か…こんな事思ってくれたんだみたいな…。
佑麻くんが書いた作文もありました。
同級生たちは亜美さんの苦しみを受け止めようとしていました。
友達のうれしい言葉。
その反面戸惑いもありました。
何ていうんだろ…。
震災体験を基に命について考える授業が始まって5か月。
震災に限らない心の傷を語り始める生徒も出てきました。
本郷蘭さんは幼い頃両親が離婚しました。
今は父と新しい母と暮らしています。
しかし親の離婚を引きずり自分には生きる意味がないのではないかと思ってきました。
蘭さんの作文に同級生が感想を書きます。
突然泣き始めた生徒がいました。
幼い頃親が離婚していました。
千尋さんは蘭さんに向けてこう書きました。
ほかの生徒たちも蘭さんの心の痛みと自分の経験を重ね合わせながら励ましました。
いると思います?何か随分他人の話に聞こえるけど君はどうですか?多分客観的に見ればタブーな話題いっぱいあるじゃないですか。
でもそれがなくなったんですよね。
前回今回くらいで。
それまでは何か「触っていいのかな?どうかな?」って…。
「こんな事触れたら本人がまた思い出すんじゃないか?」とかっていう触れ方だったじゃないですか。
でも4回目5回目辺りでやっぱりそこはもうなくなってるっていうか…。
何かみんなで乗り越えてるような雰囲気ありましたね今日はね。
命の授業で互いの気持ちを伝え合ってきた生徒たち。
全員で披露する御神楽。
要の太鼓をたたくのは蘭さんです。
息を合わせて仲間が舞います。

(太鼓)発表が終わったあと蘭さんに仲間からうれしい言葉が届きました。
仲間と共に見つめてきた命の意味。
1月命の授業に終わりが近づいていました。
最初に作文を発表した佑麻くん。
そして人に頼る事をためらっていた亜美さん。
3年生全員が1年かけて考えてきた事を作文にします。
お願いします。
それではですね1年間のまとめをしたいと思います。
題です。
「私が見つめた命」。
最後の発表です。
何度も悩んで書き直した生徒がいました。
母と姉の失われた命について考え続けてきた佑麻くん。
自分には生きる意味があるのか。
悩んでいた蘭さん。
それを言われてから…心の内を友達に伝えられずにいた亜美さん。
「自分の知らない本当の自分を知った」。
亜美さんがみんなに伝えた言葉です。
誰だか言ってましたよね。
このお題というかは…
(拍手)・「懐かしい友の声ふとよみがえる」・「意味もないいさかいに」明日からはそれぞれの道を歩み始める生徒たち。
亜美さんは人を助ける仕事に就きたいと看護師を目指しています。
佑麻くんは自分の思いを伝えられる作家になりたいと考え始めています。
声優になる夢を抱く蘭さん。
新しい家族と共に一歩を踏み出します。
すごいうれしいです。
震災から4年。
これからも命と向き合い続ける82人の仲間です。
・「いま別れのとき」・「飛び立とう未来信じて」・「弾む若い力信じて」・「このひろいこのひろい大空に」2015/03/29(日) 21:00〜21:50
NHK総合1・神戸
NHKスペシャル「命と向きあう教室〜被災地の15歳・1年の記録〜」[字]

震災のつらい体験を打ち明ける友に心を寄せ、涙ながらに作文をつづる同級生。宮城の中学校で行われた命の授業だ。前に進むためにともに命と向き合った15歳の1年の記録。

詳細情報
番組内容
宮城県の鳴瀬未来中学校の3年生が授業で「命」と向き合った。これまで学校で、ほとんど触れてこなかった震災の記憶。それを毎月作文につづって発表し、感想を伝え合う。親しい人を亡くした悲しみを抱えて苦しんでいた生徒を心配した先生が、児童心理や教育学の専門家と相談して始めた。つらい気持ちを吐露する友に寄り添い、涙ながらに言葉を探す同級生。前に進むために、ともに命とは何かを考え続けた15歳の1年を見つめた。
出演者
【語り】高畑充希

ジャンル :
ドキュメンタリー/教養 – 社会・時事
ドキュメンタリー/教養 – ドキュメンタリー全般
ニュース/報道 – 報道特番

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