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【プロ野球】

高木勇 涙の1勝 球団55年ぶりルーキー開幕カード勝利

2015年3月30日 紙面から

◇巨人11−3DeNA

プロ初勝利を挙げた巨人・高木勇は、ヒーローインタビューで感極まる=東京ドームで(北田美和子撮影)

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 巨人は新人の高木勇が初登板勝利。6安打3四球ながら6イニング2失点と粘った。打線は1回に阿部の犠飛などで2点を先制。4回は亀井の2ラン、5回は亀井の2点二塁打などで計5点を奪った。DeNAは投手陣が踏ん張れなかった。

     ◇

 ずっと夢見てきたプロの世界で踏み出した第一歩。高木勇は初めてのお立ち台で言葉に詰まり、涙をぬぐった。「やっと…。今まで頑張ってきて本当に良かったです」。高校卒業時に指名されず、社会人で7年プレーしてきた苦労が、ようやく報われた瞬間だった。

 「自分のボールを信じて気持ちを込めて投げました」。ストライク先行の小気味よい投球で1回を三者凡退。2回2死満塁で飛び出した井端の超美技などバックの好守にも助けられ、ピンチでの粘り強さを発揮した。6イニングを6安打2失点でまとめ、今季新人で一番乗りの白星。巨人の新人投手では55年ぶりとなる開幕カードでの先発勝利をつかんだ。

 原監督は抜てきの理由を「強さ」と説明した。その源は高木勇のマイペースな気質だ。「断るのが嫌なんです」とファンのサインに快く応じ、あまりの時間の長さにチーム関係者から注意されることもしばしば。この日の晴れ舞台をスタンドで見守った父の泰樹さん(65)が「こっちの方がプレッシャーがかかる。本人は人ごとみたいな感じで」と苦笑いするほどのマウンド度胸につながっている。

 投球術も兼ね備える。相手打者を分析して自分なりに配球を考え、プロ21年目の相川のリードに何度か首を振った。「ピンチではギアを上げて打者に向かっていく」と明かす投球のメリハリといい、並みの新人にはできない芸当だ。

 お立ち台では涙から一転、最後は笑顔になった。「どんどん…あれ!? いっぱい勝ちたいです」。初々しい言い間違えもあいまって、G党の温かい大声援とスポットライトを一身に浴びた。 (小林孝一郎)

 

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