子供にスマホを持たせる前に親がすべきこと4つ
【ママからのご相談】
受験生の母です。高校に行ったら、スマートフォンを持たせてほしいとせがまれました。「みんな持っているから」とのこと。実際に持たせるとき、どのようなことに注意したら良いでしょうか?
今年の6月から7月にかけて、総務省が全国の高校1年生約3,500人を対象に、インターネット上の危険・脅威へのリスク対応能力のテストと実態調査を行いました。その結果、「スマートフォンの保有率」(保有するインターネット接続機器)が84%にも及びました。娘さんが言うように、ほぼすべての子が持っていると言っても過言ではないようです。
また、ジャストシステムの調査によると、10代の男女、20代の女性が、『LINE』『Facebook』『Twitter』といったSNSアプリを使用。その利用時間は、1日80分間以上という結果に。中でも10代女性は、利用時間は『LINE(38分)』『Facebook(14分)』『Twitter(37分)』となっています。
SNSの世界ではネット環境を通じて、日本中、世界中の人とも交流できる利点があります。ただその一方で、悪意を持つ人物が言葉巧みに近寄り、個人情報やID、パスワードなどを聞き出し悪用することも。
最近では、携帯やスマートフォン、PC以外にも、携帯ゲーム機やタブレット、音楽プレーヤー等でも簡単にネット環境につながることができます。また、上記にあげたSNSサービスにも接続する事が可能です。
お子さんをトラブルにあわせないために、親の方でも出来る限り注意していたいものです。
ユーザーとなるお子さんに教えたい、ネット・SNSの危険性と発言のルール
(1)SNSを始めネットの情報は、不確かなものが多いということ。情報をそのまま鵜のみにしないことです。
(2)自分や友だち、個人を特定する情報や画像は載せないこと。画像に写った風景からも住所や、個人を特定することができてしまいます。携帯やスマートフォンのGPS機能がオンになった状態で撮影された画像ファイルには、位置情報が一緒に記録されてしまうのです。
(3)匿名で発言しても、責任はあるということ。他人を誹謗中傷することは、人権侵害。立派な犯罪です。ネット上でも、社会と同じ責任を問われます。
(4)知らない相手のメールや、リクエストは無視すること。
(5)SNSでのやり取りは秘密ではない。たとえグループ内のチャットでも、その画面を第三者に見せることはいくらでもできるのです。見られて困るようなことは、やりとりしないこと。
お子さんに渡す前に、親がしておきたいこと
(1)フィルタリングはダブルでかけよう
各携帯電話会社は、18歳未満の青少年が利用する場合、保護者が不要の申し出をしない限り、フィルタリングの利用が条件になっています(無償)。ところがこのフィルタリングは、携帯回線のみでの保護機能となっています。Wi-Fi(無線LAN)を使用するとき、このフィルタリングサービスが有効とならない場合があります。
無線LAN(Wi-Fi)空間でも安全に使わせたいのであれば、新たにそれ専用のフィルタリングソフトを利用する必要があります。機能としては、子どもの学齢に応じたレベル設定(「小学生以下」「中学生」「高校生」など)、子どもの設定をリモート管理する、利用時間の制限、アクセス履歴の閲覧などの機能があります。
またその際、パスワードは保護者が管理することが好ましいでしょう。携帯各社でも機能制限アプリを用意しています(一部有料)。スマートフォン購入時に、販売店に相談することをおすすめします。
(2)アプリ(アプリケーション)使用時の注意点
アプリをダウンロードする際、フィルタリングが使えないことがあります。アップル「iOS」のペアレンタルコントロール機能、グーグル「Google Play」のコンテンツフィルタリング機能などを使用し、不適切なアプリの使用を制限する方法があります。
(3)ウイルス対策
スマートフォン向けのウイルス対策ソフトを使用しましょう。また、「アプリの安全性」が確認されているアプリケーションマーケットを利用することを徹底させます。
(4)家族のルールを決める
時間制限を設ける、どんなアプリをなにに使うのか、使用料金は誰が払うのかなど、家族の取り決めを作ります(詳しくは後編で)。
スマートフォンやネット機器は包丁のようなものです。包丁は、美味しいお料理で人を幸せにもしますが、一歩間違えれば危険を伴う道具です。スマートフォンも正しく使えば素敵な可能性を広げ、使い方を間違えれば悲しい出来事を生んでしまいます。
この道具の一番良い使い方は何なのか? お子さんと話し合うことが大切ですね。
【関連コラム】
・(後編)「スマホ18の約束」に学ぶ、子どもにスマホを持たせる親の心得
●ライター/*SARASA*(ママライター)