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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2014年3月30日

なぜコロケーションは重要なのか

普通、コロケーションをマスターするに応じてより英語が自然になる、つまり「ネイティブライク」な英語に近づく、だから大事なのだと説かれるようですが、「ネイティブ」などというものは存在しないと考えていますので、そうではない角度からコロケーションを知っておき、使いこなせるようになることのメリットを考えてみたいと思います。

なぜコロケーションかと言うと、話し言葉、書き言葉を通じて英語の7割前後が組み合わせの決まった語句(コロケーション)で占められていることが知られているからです。

実際、代表的なコロケーションがわかっていると、話したり書いたりするのが楽になり、スピードアップできます。

日本語でも「説明責任」という名詞を使う場合、われわれは「 〜 に対して説明責任がある」「説明責任を果たす」という決まった組み合わせを使っているわけで、使うつど「 〜 に対して説明責任が存在する」「説明責任を履行する」と勝手なものを創り出したりはしません。ましてや会話の場合、そんな時間はありませんし、相手も呑み込むのに時間がかかってしまいます。

英語でも同じで、「説明責任」すなわちaccountability と組み合せる動詞は have か owe を使うのが一般的であり、また、「果たす」と言いたいときは、discharge を使うのが普通です。こういった知識を予め仕入れておき、練習しておけば、効率よく書いたり話したりできる上、相手も同じぐらい、こういう「かたまり」を使っている訳ですから、リスニングやリーディングにも役立ちます。


もう少し素朴なものに目を向けても、例えば wind という名詞を使いこなすには、セットで使う gentle, light, cutting, heavy, gustyといった形容詞を知っておかないと話になりません。同様に、セットで使う自動詞も、blow, fall, pick up くらいは知らないようでは、そもそも wind という単語を知っているとすら言えないのではないでしょうか。

以下、いくつか誰でも知っている名詞を挙げますが、これらを使いこなすには、ここで紹介する形容詞や動詞くらい知っておかないと使えたものじゃありません。意欲のある方は、ネットや辞書を使って、せめてここで紹介している程度のセットをセンテンスとしてまとめる練習をしてみてください。ちょっと英語に対する見方が変わってくるはずです。結局、話すにしろ、書くにしろ、こういう「固まり」がインプットされていないと、処理速度が追いつくものではないのです。


chilly, cold, fresh, heavy, moist AIR

bitterly, extremely, exceptionally, really, quite COLD

CLOUDS + drift, form, gather, hover,

FOG + clear, come, descend, lift

oppressive, scorching, unbearable HEAT

bolt of/flash of LIGHTNING

heavy, light, pouring, torrential RAIN

SNOW + accumulate, blow, ,fall, melt, pile

STORM + arrive, erupt, hit, subside

average, ,freezing, high, low, sub-zero TEMPERATURES

clap, crack, roll, rumble of THUNDER

good, extreme, inclement, lovely, severe WEATHER

chilly, gusting, rising, rough, strong WIND

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Comments

先生こんにちは。先生が当コラムでコロケーションの重要性を説いていらっしゃる一方、英語教育者の田中茂範さんは「チャンク」の重要性に関する書籍を数多くしていますが、コロケーションとチャンクの違いをご説明いただけませんでしょうか。

これからもよろしくお願い致します。

[返信]

田中先生の本は『表現英文法』した手元になく、それを見ると、チャンクというのは、have to extractといった動詞句を含め、まとまりのある語句のことのようです。

ここで言うコロケーションは、heavy rainと言うのに heavy windとは言わず、strong windとは言うのに strong rainとは言わないという、定型的な言葉の組合せを指します。

形容詞+名詞のみならず、「責任を認める」のは accept/admit/acknowledge responsibility であり、recognize は使わないという具合に名詞にどういう動詞が組み合わせるかでも問題になります。

このように、可能性としていろいろある中、常に固定的な選択肢として現れる定型的な言葉の組合せがコロケーションです。

お返事、ありがとうございました!
もう発売されていたのですね。
失礼致しました。会社帰りに買いに行ってきまーす。
仕事に役立ちそうで楽しみです。後輩にも教えておきました。

[返信]

こちらこそ、どういたしまして。

http://eng.alc.co.jp/newsbiz/hinata/2009/12/post_639.html

で内容をご紹介しております。また、その下のコメントの「しろうとさん」からのご連絡にありとおり、ちょっとした誤植があります。申し訳ありませんが、ご留意くだされば幸いです。

英語を使用して海外と仕事をしています。今日もaccountabilityは、コロケーションはforだったかしらと
確認していたら、ここに何故か来ました。
発売楽しみです。家の夫も英語の本を
書いている人間なので発売されたらきっと
買いますよ!

[返信]

ありがとうございます。この本、既に出ておりまして、『即戦力がつくビジネス英単語』というタイトルです。出版社はDHCです。

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