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日向清人のビジネス英語雑記帳:スペースアルク
 

2013年12月 3日

助動詞+完了形の使い道は憶測と後悔

must have, should have といったニュアンスの強中弱を伝える助動詞と完了形の組み合わせにアレルギーを持つ方が多いようなので、まとめてみました。この手のものは、憶測と後悔を表すために使うのが普通で、とりあえずそれをおさえておけば十分と言えます。

すなわち助動詞と完了形の組み合わせは、本当のところは知らないし、あるいは確たる根拠はないが「こうなんじゃないの、こうだったんじゃないの」と憶測する場合、それと、「ああすればよかった」と後悔する場合に使われます。

英語ユーザーは惰性で何気なくこういう用法に従っているだけなので、それじゃ、こういう組み合わせの意味はどうなんだと勝手に手を広げたりせず、ひとまず、ここでのパターンをおさえるのが得策です。

憶測の例

She can't have won the game.(彼女が試合に勝ったなんて、そんなことはないでしょう)← can haveという形はなく、can+have の組み合わせとしては、can't haveという格好でしか使いません。

She could have won the game. (彼女が勝つというのは十分ありうるよ)← coudは力量といったポテンシャルにスポットライトを当てる助動詞です。

She may have won the game.(もしかして、彼女、試合に買ったかもしれないね)← 五分五分という読みを感じさせます。

She might have won the game. (ひょっとして彼女、勝ったかもね)

She must have won the game.(彼女、絶対、勝ったと思うよう) ← これまでの実績、実力等を総合判断しての自信による裏づけを感じさせます。

She should have won the game. (彼女、勝てるはずなんだけれど)

後悔の例

I could have won the game.(あの試合、ほんとは勝てたのになああ)

I might have won the game. (あの試合、勝っていたかもしれんなあ)← 別に誰が悪いというわけでもなく、そんな可能性もあったよなあという程度の言い方。

I should have been more careful. (もっと注意すべきだった)← もっとちゃんとしていれば、失敗しなかったのになあという、不注意や判断のまずさに対する反省の色が強く出た言い方です。

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Comments

日向先生

冠詞について検索していたところ、このようなブログを初めて知り、秀逸な解説に感動しています。特に『修飾句等が続き、絞りがかかっている場合も、そのことにより原則として「特定され」るが、カテゴリーの領域を出ない場合は例外』の解説はこれまで冠詞の本や英語学校で質問しても得られない貴重な解説で目から鱗でした。

助動詞+完了系も苦手とする分野ではありますが、本稿は整理に役に立ちました。1点だけ確認させていただきたいのですが、上記の「憶測」She could have won the game. は 試合(the game) がまだ行われる前、つまり未来の憶測でも使うことはできるという意味と解釈してもよろしいでしょうか?

[返信]

haveがあると「完了」を意味しますから、試合の前には使えず、代わりに、She may win the game.等、have抜きの助動詞をニュアンスに応じて使い分けることになります。

日向先生、僭越ながらお願いがあります。
来年に発売されるGSLの単語帳?に
今年、Charles Browne, Brent Culligan and Joseph Phillips がまとめ直したNGSLの単語も入れていただけないでしょうか?
従来のGSLのカバー率が84%にnewの方は90%もカバーするみたいです。

[返信]

お気持ちよくわかりますあ、新版の方はold, newが新旧を言うのと老若を言うのと、どちらの割合が大きいかといった分析がまだのようなので、GSLをおぼえるためのクイズづくりに当たり、どの語義を優先しておぼえるかを決めるかの判定上、旧版の方が優れていると考えます。

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