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<大川小>遺族が真相究明を 昭恵夫人と面会

大川小校舎で児童遺族から被災状況などについて説明を受ける昭恵氏(手前左から2人目)

 東日本大震災で児童と教職員計84人が犠牲になった石巻市大川小の児童遺族の有志が29日、同小で、安倍晋三首相夫人の昭恵氏と面会した。遺族側は「助けられるはずの命を助けられなかった」と真相究明の必要性を訴え、昭恵氏は理解を示した。
 次女を亡くした佐藤敏郎さん(51)らが昭恵氏を案内し、津波で被災した校舎内を回ったり、校舎の裏山に登ったりして状況を説明した。
 佐藤さんは取材に「足を運んでもらいありがたい。現場を見るだけで津波の方向などが分かる。事故に関する検証は十分ではなく、事故が社会全体で何らかの意味を持つための良い機会としたい」と話した。
 昭恵氏は「子どもたちは校庭に残っていて亡くなった。現場を見ていてつらい思いがした。二度とこのようなことが起こらないようにしてほしい」と語った。
 保存の是非が議論となっている被災校舎をめぐり、只野哲也君(15)ら同小卒業生3人が保存を望む気持ちを手紙にして昭恵氏に手渡した。昭恵氏は面会後「二度と見たくないという方もいると思う。保存することで教訓になるという意見が多いのであれば十分検討してほしい」と述べた。
 面会は、三男を亡くした佐藤和隆さん(48)と昭恵氏がインターネットの交流サイト「フェイスブック」でやりとりしていたことがきっかけで実現した。


2015年03月30日月曜日

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