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 みなさまごきげんよう。

 フェルディナント・ヤマグチでございます。
 マラソンシーズンが終わったので、早速スキーに来ております。

奥志賀の山頂に作られたユーモラスな雪像。この場所では毎シーズン、パトロール隊による力作が展示されています。何しろ2000メートルの高地ですから、さっぽろ雪まつりのように気温上昇で、崩落…という心配もありません。

 「寒の戻り」、と言うのでしょうか。5月中旬並みまで気温が上がったので、それっと重衣料をクリーニングに出したら、直後にガクンと気温が下がってしまいました。
 服の選択に往生する毎日であります。

 クリーニングに出すタイミングは誤りましたが、スキーヤーにとっては“恵みの寒波”でありまして、ここ奥志賀も例年より1メートルほど積雪量が多い。どこのゲレンデもなかなかのコンディションです。

豊富な積雪量。まだまだ滑れます。

 我々が定宿としている奥志賀のグランフェニックス。金曜から翌週の木曜日まで上層階はすべてブロックされています。確かに人気のホテルですが、平日までスィートがいっぱいとはこれ如何に……と訝しく思っていたら、何のことはない、恒例の皇太子ご一家奥志賀スキーツアーが行われるのでした。我々のチェックアウトが23日。皇太子ご一家がチェックインされるのも同じ23日。普通であればダッシュで部屋の清掃をすれば済む話ですが、何しろ皇室ですから、“普通”では済みません。チェックインあそばす2日前の金曜から上層階2フロアを完全にブロックし、徹底チェックが行われるのです。貴重な土日を潰されるホテルは大損害……とはならず、全室部屋代は支払われるそうですから何の問題も有りません。よかったですね。

 このホテルのスィートは真ん中に大きなリビングが有りますから、テーブルを持ち込めば立派なダイニングになります。お食事はレストランをご利用にならず、すべてお部屋で召し上がりますから、下のレストランも“通常営業”が可能になる。よかったですね。

 そういうことで、今回は止む無く麓の上林温泉に宿を取りました。

上林温泉の仙壽閣。大変いい宿でした。ここはまたぜひ来てみたい。

 大して期待もせずに訪れた宿がまさかの大当たり。仙壽閣という所謂“ホテル旅館”なのですが、大変素晴らしい宿でした。何しろ温泉が凄い。源泉から湧き出る1日に3060トンもの膨大な湯を盛大にかけ流す贅沢な風呂で、ここに24時間好きなときに入浴できるのです。温泉好きの私は、朝に夕にもう茹だるほどの長風呂を決め込みました。さらに食事もスタッフのホスピタリティも素晴らしい。部屋飲みするのに氷を頼んだら、「お夜食にどうぞ」とオニギリを持ってきて下さったのには感激しました。

部屋に氷を頼んだら、なんと夜食のオニギリまで。これは嬉しかった。

 問題はスキー場までのアクセスです。グランフェニックスなら目の前がゲレンデですが、上林温泉からは毎日クルマで山まで上がらなくてはならない。最終日の23日(皇太子ご一家が奥志賀にお出でになる日)は、山へ繋がる一本道がなぜか朝から大渋滞。警備のための通行止めかとガックリしていたらお巡りさんが駆け寄ってきました。

交通整理のお巡りさん。警備渋滞でありましょうか。

 皇太子ご一家は例年新幹線で長野まで来て、それからクルマに乗り換えて奥志賀入りされていたのですが、今年は全行程をクルマに換えられました。お陰様を持ちまして当日の関越下りは大渋滞になった訳ですが、ここにもその影響が出ているのでしょうか。

「お急ぎの所申し訳ないです。この先でスリップして立ち往生しているクルマがありましてねぇ。交互通行をお願いしているんです」「アレ?雅子様渋滞じゃないんですか?」「雅子様は午後からです」

 なるほど。単なるスリップ渋滞でしたか。しかし迷惑な話です。余程のヘボがいるのでしょうか。

あらららら。反対車線から左側まで滑ってしまったようです。見るとタイヤは素ノーマル。3月中旬とはいえ、ノーマルタイヤで志賀に来るなんて自殺行為です。

 とまれ、スキーシーズンはまだまだ続きます。連休前には開場直後の月山からリポートしますのでお楽しみに!

 さてさて、それではボチボチ本編へと参りましょう。
 飛び石連載となってしまいました、海上自衛隊小月基地での「航空学生」体験続編であります。


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