トップページ政治ニュース一覧農水省 沖縄県知事の指示の効力一時停止を決定
ニュース詳細

農水省 沖縄県知事の指示の効力一時停止を決定
3月30日 12時29分

農水省 沖縄県知事の指示の効力一時停止を決定
k10010032241_201503301117_201503301123.mp4
沖縄のアメリカ軍普天間基地の移設計画を巡り、沖縄県の翁長知事が名護市辺野古沖での作業を中止するよう指示したことについて、農林水産省は知事の指示の効力を一時的に停止する措置を決定し、30日、沖縄防衛局と沖縄県に通知しました。
アメリカ軍普天間基地の移設計画を巡って今月23日に、沖縄県の翁長知事が沖縄防衛局に対して、名護市辺野古沖での埋め立て工事の前提となる作業を1週間以内に中止するよう指示し、従わない場合は埋め立て工事に必要な岩礁を破壊する許可を取り消す姿勢を示していました。
これに対して沖縄防衛局は、関係する法律を所管する農林水産省に知事の指示の効力を一時的に停止するよう申し立てを行っていました。
審査の結果、農林水産省は沖縄防衛局の申し立てを認めて、知事の指示を一時的に停止すると決定し、30日、沖縄防衛局と沖縄県に通知しました。
決定の理由について、農林水産省は知事の指示により作業を中止すれば普天間基地の移設が大幅に遅れ、基地周辺の住民にとって危険性や騒音の損害が続くこと日米両国間の信頼関係に悪影響がおよび、外交・防衛上の損害が生じることなどを挙げており、こうした損害を避ける緊急性があるため、沖縄防衛局の申し立ては相当であるとしています。
農林水産省では沖縄防衛局が同時に申し立てている知事の指示の取り消しについて、審査を続けることにしています。

農相「両方の意見を勘案」

林農林水産大臣は記者団に対して、「沖縄防衛局は埋め立て工事に必要な知事の許可を取ってやっているので知事の指示の効力を一時的に停止する申し立ての適格はあると判断した。沖縄防衛局と沖縄県、両方の意見を勘案して決定を行った。知事の指示を取り消すかどうかの不服審査請求の裁決については期限を定めるものではなく、内容を十分に検討して適切に対応したい」と述べました。

沖縄県知事「じっくり精査する」

沖縄県の翁長知事は30日朝、県庁で記者団に対し、「じっくり精査して、記者会見したい」と話しています。

「より沖縄に寄り添う対応を」

民主党の枝野幹事長は、国会内で記者団に対し「政府には、より沖縄に寄り添った対応を改めて求めたい。適正な法の執行は重要だが、法を振りかざして沖縄を切り捨てたり、沖縄の心情に目を背けることを繰り返せば、本当に抜き差しならない状況に陥りかねないと強く危惧している。単に実務的に処理することにとどまらず、政治的、心情的な対応を求めたい」と述べました。

「作業を粛々と進めたい」

菅官房長官は午前の記者会見で「沖縄防衛局からなされた申し立てに対して、水産資源保護法を所管する農林水産大臣が、公平、中立な立場から審査し執行を停止した。政府としては、引き続き、沖縄の負担軽減に取り組むと同時に普天間飛行場の一日も早い返還を実現することが重要だと考えており、ボーリング調査などの作業を粛々と進めたい」と述べました。
そのうえで、菅官房長官は、沖縄県の翁長知事が作業中止の指示に従わない場合は埋め立て工事に必要な岩礁を破壊する許可を取り消す姿勢を示していることについて「今回の判断はあくまでも作業中止の指示に対する執行の停止だ。
今後、どういう判断をするかは沖縄県知事の判断だ」と述べました。

関連ニュース

このページの先頭へ