<選抜高校野球>球種絞らずサヨナラ打 敦賀気比・林中
毎日新聞 3月29日(日)20時25分配信
○敦賀気比(福井)4−3静岡(静岡)●(29日・準々決勝)
同点で迎えた九回2死一、二塁のサヨナラ機。敦賀気比の3番・林中は、狙い球を考えず、来た球を打つことに集中した。「球種を絞ると力が入って打てない」。3球目。真ん中高めに入ったスライダーに自然と体が反応する。左越え二塁打で勝負を決めた。
仙台育英との2回戦で、五回に決勝打を放つなど勝負強さが持ち味の林中。九回の打席前、ベンチで林部長から「誰が決めんねん」と聞かれ、「僕です」と答えた。2回戦で得た自信がそう言わせたのか。「思いっきり振ってこい」と送り出した東監督は「これまでこぢんまりしていたが、最後にいいスイングをしてくれた」。
チームの柱が、準々決勝までの3試合を一人で投げ抜き、この試合でも先制の2点本塁打を放った平沼であることは間違いない。九回の打席前、その平沼から「俺が決めるから四球でいいよ」と声を掛けられた。2年生をリラックスさせるつもりの一言。これが、林中の闘志に火を付けた。「平沼さんだけのチームと言われるのは嫌。すごいやつはたくさんいると見せてやりたい」。チーム全員で勝ち上がってきたという自負が、決勝打につながった。
準決勝の相手は、昨夏の甲子園準決勝で9−15と大敗した大阪桐蔭。その試合をスタンドで応援していた林中が、雪辱を果たす鍵を握る存在になるかもしれない。【佐野優】
最終更新:3月29日(日)23時25分
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