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 米国とロシアの宇宙飛行士3人を乗せたロシアの宇宙船ソユーズが現地時間の28日未明、カザフスタンのバイコヌール宇宙基地から打ち上げられた。米ロの宇宙飛行士2人は、国際宇宙ステーション(ISS)に通常の2倍の1年間滞在し、無重力状態や放射線が人体に与える影響などを調べるという。

 米航空宇宙局(NASA)によると、打ち上げの約8時間後、宇宙飛行士たちがISSに合流した。NASAのスコット・ケリー、ロシアのミハイル・コルニエンコの宇宙飛行士2人は、この先1年間の滞在に入る。5月下旬から半年間は、日本の油井亀美也宇宙飛行士も合流する。

 ケリー氏には、元宇宙飛行士で一卵性双生児の兄弟がいる。NASAは、ほぼ同じ遺伝情報をもつ2人のDNAを比べ、宇宙空間での遺伝子の発現の違いや健康や老化への影響などを詳しく調べる。その成果は、NASAが2030年代に計画する火星有人探査などに役立てるという。

 飛行士の宇宙滞在は1990年代にロシアの宇宙ステーション・ミールで約1年2カ月の記録がある。ISSでの滞在は半年が原則で、1年滞在すれば米ロともに過去最長となる。(ワシントン=小林哲)

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