こんにちは、エディターのエリーです。
みなさん、エントリーフォームを最適化できていますか?
わたしが前職でポイントサイトのディレクションをしていた頃、会員獲得のためにエントリーフォームをよく改修していました。
出口の見えない洞窟のようで、結局最後まで答えが見えませんでしたが、今ならもっと健闘できそうです。
なぜなら、EFOでCVRを爆上げするためのグロースハックを、EFOに関するノウハウが豊富なショーケース・ティービーさんにお聞きしたから!
今回はそのノウハウをみなさんに共有したいと思います。
▼もくじ
「EFO」は「Entry Form Optimization」の略称で、エントリーフォームや入力フォームの最適化を指します。
などなど、エントリーフォームが活躍する場面は多々あるかと思いますが、そのフォームの形によって離脱率やCVRが大きく変わってしまうことをサービス担当者であれば実感しているのではないでしょうか。
そこで、それぞれの場面でCVへ導きやすいようフォームを最適化させることがEFOになります。
出稿したりプロモーションしたり認知拡大に力を入れてるのに「なかなかCVにつながらないなあ……」とお悩みの方、エントリーフォームが以下のようになっていないかチェックしてみましょう!
かなりクリティカルな問題として、そもそもそのエントリーフォームの送信が完了できないという場合があります。
エントリーフォームは改修の機会が多いので、いろいろ変更している間にいつのまにか送信できなくなっていたというケースです。
多くの項目を入力し、エントリーボタンをクリックしたら、エラーが発生して入力フォームが真っ白に……なんてことになれば、意欲が高かったユーザでも多くの人が離脱してしまうでしょう。
必ずエラーの発生を検知して、問題箇所の検出をしましょう。そもそもフォームが送信できなければ、どんなにEFO対策をしても元も子もありません。
エラーが起きたことを把握できる監視体制にしておくことが大切です。
これも意外とありがちです。
エントリーボタン送信後「入力内容に不備があります」と表示されるものの、一体どこが間違えているのかわからない……というパターン。
内容に不備があった場合は、必ず「どこが」「どのように」間違っているのかを表示させましょう。
例えば、電話番号の記入欄に半角数字を入力してもらいたいのに全角で送信された場合は、電話番号欄のまわりに「※電話番号は半角数字で入力してください」と赤字で表示させるなど、ユーザがどうしたら良いのかわかるよう誘導してあげると良いですね。
内容の不備やエラーがあって何度か再入力することってありますよね。そのとき、パスワードやメールアドレス、カード番号などの重要な項目が、エラーの度にクリアされて再入力が必要な場合もあるかと思います。
そうした項目が増えれば増えるほど、離脱率は高くなりがちです。
できるだけ内容の不備が少なくなるよう、リアルタイムで不備のチェックをしてあげることが効果的です。「半角数字で入力してください」「8文字以上で設定してください」など、随時促すことで、CVR向上が見込めます。
入力の不備があって修正をしようとしたらすべて消えていた……その場合にもう一度入力してくれるのはかなり熱意を持ったユーザだけでしょう。
まず入力クリアが発生しないように防止し、どうしてもクリアが必要なときは警告アラートを出すと良いでしょう。
人間だれでも間違えることはあります。間違えることをはじめから予測して設計することが本当のユーザビリティかもしれません。
ユーザが開発者と同じブラウザを使っているとは限りません。どんなに確度の高いユーザだったとしても、そのユーザのブラウザで正常に動作できなければCVには結びつかないでしょう。
動作確認をする際は、単一のブラウザだけでなく複数のブラウザでテストしましょう。潜在ユーザの取りこぼしを防ぐことがCV数増加につながります。
これが意外と一番多いのではないでしょうか。
どんなユーザがCVしてくれたのかデータを集めたいがゆえに、必要最低限以上の入力項目を設けがちですが、あまりに項目が多すぎるとその途中でユーザが離脱してしまいます。
まずCVを獲得したいなら、項目の取捨選択をして必要最低限の質問に絞りましょう。
どうしても多くの項目への入力が必要な場合は、「ただいま70%です」などの進捗率を表示することでユーザ心理のケアをすると良いでしょう。
ここまで代表的な失敗例をご紹介してきましたが、EFOではその他にもつまずきやすいポイントが多々あります。
今回はそんな課題を乗り越えて、EFO効果を上げた事例を見てみましょう。
都道府県や職業、年代などがプルダウンで選択できるエントリーフォームも多いかと思います。
プルダウンは自分で入力をしなくても選択肢をクリックするだけで回答できるというメリットがあり、一見ユーザフレンドリーであるかのように見えます。
しかし、選択肢が多すぎることによってユーザの意欲が削がれるという説があり、プルダウンで多くの選択肢を表示させることが離脱につながっているケースが多く見られるそうです。
画像のように、詳細に分けられていた選択肢を簡略化。
選択肢の文章が長く、読みづらい場合も離脱につながります。不要な表現を省いて、スッキリ読みやすくしましょう。
以上2点の施策を行ったことで、離脱率に改善が見られたそうです。プルダウンをフォーム内で使用している場合は、一度見直してみましょう。
ユーザが登録しやすいよう、項目に注意書きを付けてあげることはとても大切なことです。でも、時にはその注意書きがCVを妨げていることがあります……。
例えば、以下のフォームをご覧ください。
親切に注意書きが入れてあるのですが、ゴチャゴチャとしてすこし見づらいですよね。このフォームを以下のように改善しました。
改善したフォームがこちらです。
など、文字だけでなくアイコンやデザインで見せることで、パッと見でもわかりやすくなりましたね。メリハリが生まれて、目が留まりやすくなったかと思います。
入力フォームでは「面倒」と思わせないことがキモなので、わざわざ注意書きを読むような労力をできるだけ省くようにしましょう。
ここまで項目ごとの事例を見てきましたが、実は項目の順序も重要です。
こちらは、太陽光発電機の購入に関するお見積りフォームです。
フォームの目的である「お見積り条件」の下に「お客様情報の入力」があり、一見ユーザのインサイトに沿っているように見えますよね。
でも、このフォームは「お見積り条件」の途中での離脱がとても多く見られました。
企業にとってはすべて見積りを出す上で必要な項目なのですが、これ以上わかりやすい表現を見つけられずにいたそうです。
そこで、以下のような構成に変更しました。
以下のように「お客様情報の入力」を上に持ってきたのです。
本題を下げることで離脱を招いてしまいそうに思えますが、「屋根の種類」や「予算」などの調べたり考えたりする項目より、住所などのスラスラ入力できる項目を先に置いた方が離脱が防げるようになりました。
また、先に住所や連絡先を入力してしまうことで、続きの項目を入力するハードルが下がってCVにつながりやすくなったようです。
デザインを統一するために、ボタンだとわかりづらい色味にしていませんか?
以下のフォームは、利用可能な会員IDかを確認するためのボタンの箇所での離脱がかなり多かったそうです。実際、グレーで設置されていて、あまり目に留まりませんよね。
このボタンをグリーンにして、ABテストをしました。
グリーンにした場合とそれまでの場合で、離脱率に以下のような違いが出ました。
IDチェックの部分での離脱数が半分以下に減ったのです。
ボタンに色をつけ、ユーザの目につくように変更したほうが離脱が減るということがわかった事例ですね。
ボタンの色や文言を変えることはEFOでも定番の施策なので、グリーンより効果のある色はないか、さらに効果のある文言はないかと常にテストをくりかえすことが大切です。
住所や電話番号など、数字を入力するテキストボックスの場合、以下のように全角や半角などで制限をかけているフォームが多いかと思います。
特に金融機関の入力フォームは、システムの影響で「住所」や「住所カナ」項目は全角入力のみと制限しているケースが多いものの、ユーザは以下の理由から半角数字を入力しがちなのだそうです。
これでは、入力時にエラーが出やすいのも当然ですよね……。
そこで、あるフォームで住所項目に「半角」で入力したら、自動で全角に変換する施策を実施しました。
施策前のエラー率がこちらです。
軒並み30%を超えて、特にスマホでのエラーが多いことがわかります。
対して、施策後のエラー率がこちらです。
なんと住所に関しては驚異の0%〜0.5%! それぞれ大幅に改善されましたね。
さらに、このフォームはCVRも4.1ポイントアップしたそうです。エラーが離脱につながることが改めてわかる事例です。
いかがでしたか?
今回ご紹介した事例は「これが絶対に正しい!」というものではなく、サービスや商品によって適切なフォームの形は異なります。そのため、EFOは長く険しい道でもあります。
また、継続的な計測も大きな鍵になります。これがけっこう手間なんですよね……。
だれかが計測してくれたらいいのになあ。
「ナビキャストフォームアシスト」なら、項目ごとに問題点を分析できるため、今まで気づかなかった離脱ポイントを知ることができます。改修後の計測もラクにできそうですね。
また、導入も簡単で、既存フォームへの大幅な改修が不要です。
さきほどご紹介した全角への自動変換などの施策も、開発なしで対応できるとのこと。開発リソースがなくてEFOに悩んでいる場合は試してみると改善につながるかもしれませんね。
フォームを変更するのは開発コストもかかるので、そう簡単には変えづらいかもしれませんが、できるところから始めていけると良いですね。
それでは、また!
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