格安SIMの実際の通信速度は今、どうなっているのか。IIJmio、ぷららモバイル、NifMo、楽天モバイル、OCNモバイルONEの実際の通信速度を比較テストしてみた。
格安SIMの実効速度はバラバラ、どれが本当に速い?
スマートフォンやタブレットに挿すと、大手携帯電話会社よりはるかに安い料金で使える格安SIMは、事業に参入するプレーヤーが増えた昨年から市場が大きく伸びている。
格安SIMは、NTTドコモやKDDI(au)といった大手携帯電話会社の通信網を使って端末から無線基地局を経由しインターネットに接続する。そのため、格安SIMを提供する各社とも、最大速度は大手携帯電話会社の通信網の最大速度と同じ「下り最大150Mbps、上り最大50Mbps」などと記載していることが多い。通信速度は、ほぼ横並びに見える。
だが、実際は格安SIMによって、実際の通信速度は大きく異なる。交換機からインターネットまでの回線帯域の幅や設備能力の部分で会社ごとに差があるため、速度が違ってくるのだ。
また利用場所と時間帯によっても、格安SIMの通信速度は大きく左右される。一般的に、周囲に同じ通信キャリアの携帯電話を利用している人が少ないと通信が速く、利用者が多いと通信が遅くなる。そのため、携帯電話を利用している人が多い平日の昼休みにあたる12時から13時、もしくは、帰宅時間に該当する17時から18時は、通信速度が低下しやすい。
格安SIMは大手携帯電話会社に回線を借りる際に最大通信量が定められているが、その通信量は会社によって異なる。付近に同じ格安SIMを利用しているユーザーが多いと、限られた回線を複数のユーザーで奪い合うことになるため、速度が低下することがある。
それでは、格安SIMの実際の通信速度は今どうなっており、今どれが最も速いのだろうか。NTTドコモの回線を使っている主要な格安SIMを横並びで比べて東京・渋谷と大手町とでテストし、その実力を測ることした
テストでは、SIMフリースマートフォンとして人気の高いエイスース(ASUSTek Computer)の「ZenFone 5」に挿して、通信速度をチェック。テストの条件をそろえるためZenFone 5を複数台用意し、ほぼ同じ時間帯で速度を測定した。アプリは「RBB TODAY SPEED TEST」(イード)を利用し、3回計測した時の最高値を掲載している(なお、平均速度の結果も最高値の傾向に準じている)。なお参考として、格安SIMのほかにNTTドコモ(Xperia Z2)とKDDI(au)(Xperia Z3)のスマートフォンを用意し、その速度も測ってみた。