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 米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の同県名護市辺野古への移設問題で、林芳正農林水産相は30日、県が沖縄防衛局に移設作業を停止するよう求めた指示をいったん無効とする「執行停止」を決定し、県と防衛局に通知したと発表した。移設が大幅に遅れることで、普天間飛行場周辺住民に対する危険性や騒音が継続するほか、日米間の外交・防衛上の「回復困難で重大な損害」が生じるとして、県の指示を退けた。

 執行停止により、沖縄防衛局は移設作業を継続できるようになった。防衛局は、県の指示の妥当性を審理する「審査請求」と、審査結果が出るまで指示をいったん無効とする執行停止の2点を林氏に申し立てていた。審査請求については今後、林農水相が県と防衛局から意見を聴いた上で、最終的に県の指示を取り消すかどうかの「裁決」を出す。