株式会社トランスリミット 社内規程
https://github.com/Translimit/company-regulation
順調に従業員が増えてきて、そろそろ労基署へ就業規則を提出する必要があるということで、改めてちゃんとした就業規則を作りました。そして、その就業規則をGitHubで公開することにしました。
これまでは、ネットに落ちている適当なテンプレートを組み合わせて小1時間程度で作成したもので、お世辞にもちゃんとしたものではありませんでした。従業員が10名未満であれば、就業規則を労基署へ提出する義務が発生しないため、このように就業規則が甘かったり、そもそも就業規則なんてものは存在しないスタートアップもあるのではないでしょうか。
今回、弊社は初めて就業規則を労基署へ提出することになりますが、このような状態で中途半端な就業規則のままだと、従業員はおかしな条件で働かされるリスクを負い、会社も何が起こるか分からないリスクを負うといった不安の残る状態で運用することになります。提出したらそんな頻繁に変えるわけにはいかなくなりますし、中長期的に見ると会社に悪影響を与える可能性があります。
見直すならこのタイミングしかない!ということで、社会保険労務士と相談しながらじっくりと就業規則を作りました。合わせて福利厚生や社内制度も含めて「社内規程」としました。
就業規則の元となっているのは、GitHubに会社の就業規則を公開したという記事で話題になったデンキヤギ株式会社様の就業規則です。昨年、この記事を拝見させていただき先進的な取り組みに感銘を受けました。こちらを参考にして弊社の就業規則を制定させていただきましたので、当記事タイトルの「弊社も」という表現はデンキヤギ株式会社様の取り組みに相乗りした意を込めております。
社内規程について
弊社の社内規程は、就業規則と福利厚生・社内制度の2部となります。就業規則は労基署に提出する必要のあるもので、従業員と会社での取り決めが色々と記されています。就業規則を制定することによって、従業員の職務の範囲、権限、責任が明らかになり、仕事をする上で発生する各種の判断軸が明瞭になります。これによって従業員は安心して仕事に取り組むことができるようになります。福利厚生と社内制度は、就業規則の中に入れる必要はないようなので、柔軟に変更できるように就業規則から切り離して規程を設けました。
就業規則
デンキヤギ株式会社様の就業規則から大きく変えた点としては、年俸制を採用したところ。それ以外はほとんどそのままとなります。就業規則の内容にはあまり関わりませんが、条番号の採番を連番方式から「◯章の◯条」というような相対パス方式に変えています。連番方式だと、上位が変わると下位に影響を与えるためです。
福利厚生・社内制度
弊社の制度でリフレッシュ休暇制度や家賃補助制度が特徴的で、前職お世話になったサイバーエージェントで良かったものを参考にさせていただいております。またエンジニアが従業員の内の8割を占める会社なので、開発環境アップグレード制度なんてのもあります。
なぜ公開するのか
時にリスクが伴う公開ですが、それなりのメリットがあります。社内規定に限らず、公開しても不利益にならないものであれば、ある程度オープンにしていきたいと思っています。
健全性を保つ
規則を公開すると社内だけでなく社外の第三者の目に触れることになるため、会社は変なルールを作れなくなり、就業規則の健全性が保たれるようになります。就業規則って入社直前にサイン前提で渡されるイメージがありますが、まともな内容の就業規則であれば、公開しても何も問題はないと思っています。
入社検討の材料になる
入社を考える人からすると、事前に会社のルールを知れると安心して入社することができるのではないでしょうか。特に私たちのようなスタートアップとかベンチャーは、世間からするとブラックというイメージがあり、興味があったとしても足を踏み入れるのに勇気がいると思います。私にも「会社に健康保険はある?」とか「有休はある?」とか聞かれることがよくあります。
もちろんあります!保険だけでなく社内制度も充実してるよ!というのが、公開された資料により証明できるのは、非常にメリットがあるのではないでしょうか。
広報活動になる
就業規則や社内制度が素晴らしいものになっているなら注目を集めるでしょう。採用を目的とする広報であれば、上記のように求職者から信頼を得ることが最大の武器となります。
オープンソースに貢献する
エンジニア的発想ですが、オープンソース(厳密にはソースではないかも)から利益を享受したなら、可能な範囲で自身もコミュニティに貢献すべきです。他のスタートアップが就業規則を作ろうとしたとき、弊社のものが何かの参考になることを願っています。
働きやすさの重要性
社内規程を制定するにあたり「働きやすさ」を最重要として考えました。
楽しく働く
働くことで最も重要なことは「楽しい」ということだと思います。楽しくないものに本気になれるほど人間は器用ではありませんし、楽しくないと能力を最大限に活かすことはできないでしょう。
好きなことと得意なことは違うとよく言いますが、弊社では好きと得意が一緒な人、またはそれを好きな人というのを採用しており、職業エンジニアというか仕事のためだけにエンジニアやってますみたいな人はいません。エンジニアに限らず、仕事のためにやってますみたいな人は必要としていません。
好きなことを楽しんでやっていたら成果が出るというようにしたくて、従業員には常識の範囲内で好き勝手できるような環境を作っており、固過ぎず緩過ぎずになるようにしています。これは環境というか風土なので、社内規程の範囲外かもしれませんが、このような概念を何より大切にして社内規程を考えています。
エンジニアの働き方を尊重する
トランスリミットはエンジニアが全体の9割の会社なので、エンジニア至上主義といっても過言ではありません。エンジニアの仕事は「指定の時間にいれば、その時間分の成果が出る」というような時間比例の仕事ではなく、成果は個人の生産性にかなり依存します。
短時間でガガガッとやる人もいれば、のんびりまったりやる人もいるし、朝よりも夜の方が集中できるという人がいたりと、人によって生産的な働き方が異なるので、個人が一番生産性の高い働き方をしてくれることが、一番会社のためになります。そういう考え方を実現するために、年俸制と裁量労働制が適していると考えて制度を組みました。
安心して挑戦できる環境にする
カオスでもやっていけるのは若者だけであり、年齢を重ねると利害関係が増え無理が利かなくなってきます。というのも30歳に差し掛かると体力が衰えてきたり、世間からの目があったり、家庭を持ち始めたりすることになります。特に家庭を持つと、何をするにも家族の理解が必要となるため、大きな決断をするのが難しくなるでしょう。現実的に考えるとリスクのある挑戦を取ることが難しくなります。
そんな状況であっても安心して挑戦できる環境を用意することが大切です。そのためにはちゃんとした会社になる必要があったり、それなりの報酬を用意する必要があると思います。
おわりに
会社を設立して1年弱となりますが、組織を作っていく上で感じたことは「経験のある大人が加わると組織が強くなる」ということ。トランスリミットは3-5年ほど大企業で経験を積んだ若手のメンバーが多いため、若い割に技術を持ったメンバーが多いのですが、それよりもひと回り経験のある優秀な人材が入った途端に組織の力がグググッと一気に引き上がりました。若手がベテランの技術力を見て、技術的な視点が高くなったためです。組織を作る上で若手とベテランのバランスが非常に重要だと体感しました。
上記で述べた通り、そういった経験のあるベテランに会社を選んでもらうためには「安心して挑戦できる環境」が必要です。気合と根性でやったるぜ!という勢いのスタートアップでないのであれば、就業規則を整備したり福利厚生・社内制度を充実させて、安心して挑戦できる環境を作ることをお勧めします。
エンジニアを募集しています
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コーポレートサイトからも応募できます。
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