あなたの上司はどのタイプ? パターン別、上司を使い倒す10の極意


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 上司に恵まれたい!それは全サラリーマンの願いですが、職場にはさまざまなタイプの上司が存在します。自分にとってはウマの合わない上司でも、組織の目標を達成するうえで必要な人間がたまたま上司のポジションに就いてる、そういったケースは多いのではないでしょうか?
 上司を理解し、正しく使い倒すことこそ、ストレスをためずに出世する近道です。日刊キャリアトレック創刊のエントリでは、「上司を使い倒す技術」をケーススタディ方式で伝授します。

目次

  • 介入型上司の使い倒し方
  • ケース1 愚痴や世間話の多い上司
  • ケース2 執拗な報告を求める上司
  • 混沌型上司の使い倒し方
    • ケース3 言うことがコロコロ変わる「ダメ」上司
    • ケース4 言うことがコロコロ変わる「天才肌」上司
  • 攻撃型上司の使い倒し方
    • ケース5 部下の提案を受け入れない上司
    • ケース6 なぜか態度が冷たい上司
  • 先送り型上司の使い倒し方
    • ケース7 決められない上司
  • 完璧主義型上司の使い倒し方
    • ケース8 任せられない上司
    • ケース9 部下の能力を認めない上司
  • 不在型上司の使い倒し方
    • ケース10 あり得ないほど仕事しない上司
    • まとめ 上司は「部長から承認を得るための道具」と割り切ろう

介入型上司の使い倒し方

介入

 部下の進捗を徹底的に管理したがる上司がこのタイプ。おせっかいな性格なため、部下の様子が気になって仕方がありません。こういう上司を持つと、口出しされてばかりで仕事がほとんど進みません

ケース1 愚痴や世間話の多い上司

 部下である自分が仕事モードの時にかぎって、いきなり世間話をはじめてくる上司、いますよね。しかも30分以上にわたる長話がはじまることもしばしば。話が長くなる気配がした時には、仕事を再開するそぶりを見せながら話すなど、聞く体制に入らないことが大事です。
 こういう上司は、自分の言うことを黙って聞いてくれる人間しか周囲に居ないタイプ。部下であるあなたを「話を聞いてくれる存在」くらいにしか思っていない可能性があります。しかし裏を返せばハッキリと意見を言う人間は苦手なことが多く、屈服させやすいタイプとも言えます。上司を口数で上回るくらいの気持ちで接すれば自分の仕事に介入してくることもなくなり、逆に言うことをすんなりと聞いてくれるでしょう。

上司を使い倒す極意 1

  • 「愚痴や世間話の多い上司」はガンガン意見を口にして、逆に従えてしまおう

ケース2 執拗な報告を求める上司

 ホウレンソウは大事です。しかし報告だけしてても仕事は回りません。そんな簡単なことがわかってない上司です。このタイプの上司は徹底的な報告を求めがち。少しでも報告が遅れたら事故報告書を書かかせ、事故報告会議を開催するため、報告が遅れたという理由だけで部下の帰る時間が2時間延びます。この結果、業務が遅れて叱責されるのは部下であるあなたです。
 上司が報告を求めるのは仕事を円滑に回すためです。まずはこのタイプの上司との信頼関係を構築し気に入ってもらうため、根回し上手になることをオススメします。そのためにはメールを読んだらすぐ返信する、という簡単なことを心がけていくだけ。上司の評価は「どんな些細なことでも報告・相談してくれる部下」と180度転換することでしょう。仕事の鉄則は「すぐやればすぐ終わる」です。意識しましょう。

上司を使い倒す極意 2

  • 上司も人間。返信メールには最優先で対応すると「執拗な報告を求める上司」を安心させられる

混沌型上司の使い倒し方

混沌

 判断がコロコロ変わる困ったちゃん。自分の興味のおもむくままに仕事を進めるので部下としては仕事がしづらい上司です。マネジメント?彼の辞書にはそんな言葉ありません。たぶん。

ケース3 言うことがコロコロ変わる「ダメ」上司

 本や他人のアドバイスなどにすぐ流され、自分の意見を持たない上司です。自分に軸がないから判断軸もブレブレ。今まで取り組んでいた仕事が白紙に戻ることも多々あり、失望することが過去に何度もあったはず。翻弄される部下としてはたまったもんじゃありません。
 こんな上司は自分としても不安だからいろいろな意見に左右されがちですが、こちらからやるべきことを提案していけば安心して言うことを聞いてくれるはず。こんなに自分色に染めやすい上司、居ないかもしれませんよ。

上司を使い倒す極意 3

  • 「判断軸のない混沌型上司」は自分色に染めてしまおう

ケース4 言うことがコロコロ変わる「天才肌」上司

 ダメなケースを先に挙げましたが、言うことがコロコロ変わる上司の中にも数%いるんですよね。こういう天才肌タイプが。言うことがコロコロ変わるけれども、上司の言うとおりにしていたらなぜか結果はついてくるパターン。天才肌の上司です。
 「なぜそうなるのか」ロジックは説明できないけれども、彼についていけば大丈夫。直感で答えがわかるタイプの人間なんでしょう。天才の仕事に便乗し、名声を分けてもらいましょう。「前に言ったことと違いますよ」は禁句です。

上司を使い倒す極意 4

  • この上司天才だ! と感じたら迷わず勝ち馬に乗っかろう

攻撃型上司の使い倒し方

攻撃型

常にエネルギッシュで挑戦するのが大好きな上司です。反対意見が出てくると、ロジックそっちのけでたたき潰しにきます。非常にやっかいです。

ケース5 部下の提案を受け入れない上司

 いくら提案しても検討すらしてくれず、それどころか部下の人格否定をするような上司です。部下としては自由に動くことができない分、ストレスはどんどん溜まっていきますが、上司の言う通りに動いていれば攻撃されないので発想の転換次第ではラクなこともあります。
 こういった上司が部下の提案を受け入れようとしないのは、現場に未練がある証拠でもあるので、仕事へのアドバイスを受ける体で相談すれば実質的に仕事を押しつけることができます。うまく立ち回り、上司を使い倒しましょう。

上司を使い倒す極意 5

  • 「現場に未練がある上司」には仕事を任せてしまおう

ケース6 なぜか態度が冷たい上司

 なぜか自分だけに厳しい上司も必ず居ます。冷たいのは「関西弁だから」「女性だから」「なんとなく気にくわない」などなどほんの些細な理由から。なんとなくで評価を下げられては、部下としてはたまったもんじゃありません。
 基本的に超えられない一線があるので無理して好かれる努力はしなくてもいいのですが、それもこれも、実はあなたへの期待の裏返しかもしれません。普段の反応から、単純に嫌われてるのか期待されているのか、見極めるのがコツです。期待されているなと感じれば、会話の回数を増やすなど、コミュニケーション量を増やし、意思疎通を改善していきましょう。

上司を使い倒す極意 6

  • 「期待してくれている上司」に対してはコミュニケーション量を増やす
  • 「自分のことを単純に嫌っている上司」は……あきらめよう

先送り型上司の使い倒し方

先送り

 自分の判断に自信がなく、大事な決定は常に先送りしようとする上司です。根回し上手なのですが、根回しに時間がかかり、結局は仕事が停滞しがちなタイプ。大企業に多いです。

ケース7 決められない上司

 判断に自信が持てず、同意が必要な決定には必要以上に根回しに時間をかけます。根回しのうまさで出世してきた、保身タイプの上司です。
 この上司には基本的に逆らってはダメです。上司が最終の意志決定できない人であれば、上司の顔を立てつつ、あなたが場を仕切るべきです。決定はあなた自身が下してしまいましょう。とはいえ意志決定の前にお伺いを立て、あたかも上司が決定したような雰囲気を作り出すことも忘れずに。

上司を使い倒す極意 7

  • 「決められない上司」から仕事をもぎとって部下であるあなたが最終決定しよう

完璧主義型上司の使い倒し方

完璧

 現実離れした理想論を部下にも強いる上司です。プライベートは勉強会や有料のセミナーに時間をあてているらしく、部下にも同じことを強要してきます。
 上司の給与水準を基準に求めてくるので非常に迷惑です。性格面にも難があり、完璧を求めるため部下を心の底から信頼することもできません

ケース8 任せられない上司

 完璧主義型上司に多い、人に仕事を任せられない病の上司です。完璧主義型上司は「自分でやったほうが早い」「クオリティも高い」「人を信用していない」気質があるため、あなたに任せても大丈夫だという印象を根付かせなければなりません。
 まずは、上司から命じられた仕事を1日早く提出することからはじめましょう。完璧主義型上司の言う納期とは、完璧なものが上がってくる日のことです。もし提出物にズレがあった場合、この1日で完璧なものに仕上げてくればいいんです。小さな心がけですが一事が万事と言うではありませんか。あなた全体の評価が徐々に向上していくはずです。

上司を使い倒す極意 8

  • 「完璧主義型上司」に命じられた業務は最低でも1日前倒しで終わらせる

ケース9 部下の能力を認めない上司

 部下の能力や貢献をなかなか認めず、軽々しく褒めてくれない上司です。上司は基本的に人を褒めたりけなしたりする動物だと思いますが、褒め上手・褒め下手というのは人間だもの。どうしても存在するんですよね。
 批判されると部下としてはついついストレスを溜めがちですが、逆にとらえれば批判されたところを直していけばきっと気に入られるはずです。これほど評価がわかりやすい上司も居ません。上司に気に入られるだけでなく、きっとあなた自身のスキルアップにつながるはずです。

上司を使い倒す極意 9

  • 批判された部分を重点的に伸ばせば評価につながる

不在型上司の使い倒し方

不在

 どこにいるの?何してるの?てか今日出社してたっけ……? というくらい職場に居ない上司。上司を頼りにしたい時にかぎって姿が見当たりません。上司、また直行直帰ですか……?

ケース10 あり得ないほど仕事しない上司

 1日中ソリティアで遊んだり2ちゃんまとめを眺めたり、ハイ、そうです。仕事をしない上司です。けっして羨んだりしてはいけません。こういう上司こそ使い倒すべきです。上司の仕事を奪ってしまいましょう
 たとえば上司を補佐するという大義名分で上司にしか見れない資料を見せてもらったり権限を委譲してもらったり。上司のマネジメントを体験できる良いチャンスととらえましょう。
 また、こういう上司がトップに居ると、部下が能動的に動き、チームは結束しやすい方向性にあります。必要悪なのかもしれませんね。本人はそこまで考えてないだろうけど!

上司を使い倒す極意 11

  • 「あり得ないほど仕事しない上司」なら、上司の仕事を奪って自分のマネジメント能力を伸ばそう
  • 「あり得ないほど仕事しない上司」はチームビルディングに必要(かもしれない)

まとめ 上司は「部長から承認を得るための道具」と割り切ろう

 ……思えばぼく自身、上司に恵まれない人生を歩んできました。
しかし今思えばあの時上司にこうやって接していればもっと自分の成長につなげられたのに、と後悔することもままあります。
 そんな中、上司との関係構築がうまい人たちを見ていると、上司という存在をうまく使いこなしている(使い倒している、というニュアンスに近い)人たちが多いことに気づきました。上司のさらに上の上司(部長とか社長)と交渉したり承認を得たり、有利な条件で仕事を進めるため、上司を道具としてうまく使い倒している人がいることに気づいたのです。
 上司を道具と割り切りって接すれば、ストレスをためずにラクラク出世できるかもしれません。みなさんも今日から上司を使い倒しましょう。

( 執筆:仁田坂淳史 )

仁田坂淳史
日刊キャリアトレック編集長。出版社での雑誌編集、mixi・Find job! Startupの立ち上げを経て独立。 最近はAmazonKindleでマンガ全巻読みするのにハマってます。おもしろいマンガあったらおしえてください。