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【出直し市長選】
橋下氏、都構想の財政効果アピール 他党は効果額算定方法を疑問視
9日に告示される大阪市の出直し市長選を控え、橋下徹氏(日本維新の会共同代表)が大阪都構想がもたらす財政面での効果額を強くアピールしている。都構想の必要性をわかりやすく説明することで支持を集める狙いがあるが、自民など他党は効果額の算定方法を疑問視し「誤解を与える」と批判。出直し選の発端となった制度設計をめぐる議論の決裂についても言い分が異なっており、有権者の判断を悩ませそうだ。
「これが都構想の全てと言っても過言ではありません」。橋下氏はタウンミーティングなどで都構想の意義を説明する際、1枚のパネルを参加者に披露する。橋下氏が推す特別区の区割り案で都に移行した場合、平成45年度までに累積黒字が計約1375億円に達することが示されている。
大阪府と大阪市の事務方の試算では、都構想で生まれる年間の効果額は最大916億円。効果額と予想されるコストなどを基にした財政シミュレーションの結果、橋下氏が強調する巨額の黒字がはじき出される。
一方、自民など他党はこの額を懐疑的にとらえ、市議会で継続審議中の市営地下鉄民営化など未達成の市政改革の効果も多く含まれていると指摘し「都構想の効果として示すのは不適切だ」と批判する。対して維新側は「都構想が実現しなければ改革の揺り戻しがある。故に、都構想の効果と区別しない」と反論する。