大阪市議会は22日の本会議で橋下徹市長(大阪維新の会代表)への一般質問を行い、維新、公明党、自民党の市議が質問した。公明、自民両会派は大阪都構想の協定書(設計図)に関し「不備があり、市民に悪影響を及ぼす」と指摘。橋下市長は「都構想にも問題点はあるが、今の大阪府庁、市役所の体制よりましだ」と反論した。
公明市議は都構想の経費削減効果を質問した。松井一郎府知事(維新幹事長)が当初、年間約4000億円と主張した点を挙げ、「(行財政改革効果などを抜いた)純粋な効果額は1億円で、撤回すべきだ」と強調。橋下市長は「効果額には多様な評価法がある。行革効果なども踏まえれば、4000億円は不合理でない」と擁護した。
同市議は都構想で設置される特別区の規模にも触れ「橋下市長らは当初人口30万人規模としたが、協定書の示す5区案では最大で70万人近くになる」などと指摘。橋下市長は「(市の人口の)260万人に比べ、70万人の方がはるかに(行政が)住民に近い」と反論した。
自民市議は「議会が否決したら協定書を破棄すべきだ」と訴えた。維新側の「議会が否決して有権者に住民投票をさせないのはおかしい」との主張を挙げ、「住民投票は議会の議決を補完する位置づけ」として議会議決の重要性を強調。橋下市長は「重要な問題は住民の(直接的な)意思で決められるべきだ」と言葉を強めた。
橋下市長は自民市議への答弁で市立大と府立大の統合など野党の反発が強い府市統合案件について「都構想なしに二重行政が解消できるというなら、すべて承認してほしい」と求めた。その上で「年内に全議案を可決してくれれば都構想のスケジュール感を検討する」と述べた。
一方、維新市議は質疑の中で「野党が委員会質疑に橋下市長を呼ばず、生産的な議論が行われていない」と野党会派を批判した。
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