温暖化:1キロ四方で予測 豪雨対策きめ細かく…文科省

毎日新聞 2015年03月27日 20時40分

 地球温暖化に伴う農漁業への悪影響や気象災害の増加に備え、文部科学省は4月、10〜15年先に気温がどれくらい上がるかなどを全国1キロ四方ごとに予測する研究に着手する。自治体や企業による被害軽減策につなげるため、2017〜18年度の実現を目指す。

 温暖化による被害予測に関しては、中央環境審議会が今月、今世紀末に日本全体の平均気温が今より最大4.4度上昇するなどと想定し、地域ごとの農業や生態系への影響などに関する報告書を公表している。

 一方、温暖化の影響は地域の気象の特徴や地形などによって異なり、広域予測では自治体や企業が具体的な対策を検討しにくいと指摘されている。文科省環境エネルギー課によると、既に5キロ四方ごとの予測はあるが、市町村単位で豪雨対策や農業、漁業への影響などを詳細に検討できるよう、新たに1キロ四方ごとに気温や降水量、日射量などを予測する研究を始める。

 細かく区切るほど計算量が増え、精度が高い予測は難しくなるが、予測に使う地形データの確認などを集中的に進める。分析結果に基づき、大学や研究機関と自治体が連携して被害軽減策を提案するプロジェクトにも取り組む。

 同課は「自治体などが科学的根拠に基づいた対策を検討できる情報を提供したい」としている。【大場あい】

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