文・村瀬信也、写真・戸村登
2015年3月30日00時11分
コンピューターとプロ棋士が対決する第4回の「将棋電王戦」。「機械は人間を超えるのか」という点が注目され、将棋ファンのみならず広く関心を集めている。コンピューターの国産基本ソフト「TRON(トロン)」の開発者として知られる、坂村健・東京大学大学院教授(63)と、勝負の現場を訪ねた。
3月14日。寒風が吹きつける中、世界遺産の二条城(京都市中京区)は外国人観光客らでにぎわっていた。
対局場は、かつて徳川幕府の将軍らが京都に滞在する際に過ごした二の丸御殿。午前10時、純和風の室内の一角に作り出された研究所のような空間で、関西の若手ホープ、斎藤慎太郎五段(21)と将棋ソフト「Apery(エイプリー)」の戦いが始まった。
昼食休憩中、坂村さんと足を踏み入れた。木馬のような形をした銀色の機械が盤前に鎮座している。エイプリーが選び出した指し手を盤上で着手する「電王手さん」だ。自動車部品メーカーのデンソーが開発した。
SFを思わせる光景を前に、坂村さんは「ロボットが駒を動かす時代なんですね。日本の産業力を示すことにもつながるでしょう」。
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