NHK:ハイヤー問題で籾井会長処分を検討せず 経営委

毎日新聞 2015年03月24日 21時01分(最終更新 03月24日 22時02分)

NHKの籾井勝人会長=国会内で2015年3月18日、藤井太郎撮影
NHKの籾井勝人会長=国会内で2015年3月18日、藤井太郎撮影

 ◇「秘書室対応ずさんだった」の監査委の報告書了承

 NHKの籾井勝人会長の私用ハイヤーの立て替え問題で、NHKを監視・監督する経営委員会は24日、秘書室の対応を「ずさんだった」とする監査委員会の報告書を了承した。籾井会長の処分については検討せず、関係者にコンプライアンス(法令順守)意識の徹底と再発防止策の遂行を求めるにとどまった。

 浜田健一郎経営委員長(ANA総合研究所会長)は経営委員会後、記者団に「監査委員会の調査の裏付けはどこまで取れているのか」といった意見が一部にあったものの、籾井会長に対する意見は特に出なかったと明かした。

 一方この日、監査委員会が衆院総務委員会理事会に対し、今回のハイヤー使用について「私用目的でも、必要な身柄の安全などを目的としていた以上、業務遂行との関連がある」と文書で回答した。浜田委員長は記者団に「初めて聞いたのでわからない」と述べたが、監査委員会が公私の区別の徹底を求める現行ルールを緩めた見解を示したことになり、国会で新たな火種となる可能性もある。

 今回の問題について職員の不祥事が相次いだ2006〜08年にNHKコンプライアンス委員長を務めた八田進二・青山学院大教授(ガバナンス論)は「トップの姿勢が組織に影響する。公私の区別をつける責任は籾井会長にある」と指摘する。【望月麻紀】

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