辺野古:沖縄防衛局が審査請求 知事の作業停止指示に不服
毎日新聞 2015年03月24日 21時44分(最終更新 03月25日 07時34分)
◇知事の指示効力停止求める申立書も提出
沖縄防衛局は24日、米軍普天間飛行場(沖縄県宜野湾市)の名護市辺野古への移設を巡り、翁長雄志(おなが・たけし)知事が現場海域でのすべての作業を停止するよう指示したことを不服として、行政不服審査法に基づき農水省に審査請求した。同省が裁決するまでの間、知事の指示に効力が発生しないよう執行停止申立書もあわせて提出した。県が岩礁破砕許可を取り消す前に政府側から法的対応をとったことで、両者の歩み寄りは極めて難しくなった。
翁長氏は23日、防衛局が許可なく岩礁破砕をしている可能性が高いとして、水産資源保護法に基づく県漁業調整規則を根拠に1週間以内の作業停止を指示した。
これに対し、沖縄防衛局は24日、同局の見解を文書で県に提出。海底へのコンクリート製ブロック設置は許可手続きの対象外だと県から説明を受けたことなどを理由に、作業停止指示は「違法性が重大かつ明白で無効」と反論した。中谷元防衛相は同日、「手続きに従って事業を進めている。何の瑕疵(かし)もない」と記者団に改めて語り、沖縄防衛局は名護市沿岸部で埋め立てに向けた海底ボーリング調査を続けた。
水産庁は、審査請求に対する県の弁明書を30日以内に提出するよう求めており、裁決には一定の時間がかかる見通しだ。県側が今月末にも破砕許可取り消しに踏み切れば、防衛省はさらに別の不服審査請求を検討する。防衛省幹部は「県側に明白な問題があり、当然の結果が示される」と請求内容に自信を示した。
一方、翁長氏は24日、「現在文書を精査しているところだ。今後の国の具体的な動きをみながら対応したい」と記者団に語った。沖縄防衛局がボーリング調査を続けていることに対しては「たいへん遺憾。指示を真摯(しんし)にとらえて適切に対応してほしい」と批判した。【飼手勇介、佐藤敬一】