大阪市・民間人校長:また辞職 一身上の都合や体調不良で
毎日新聞 2015年03月25日 07時00分
公募で民間から採用された大阪市立中の男性校長(60)が任期を約1年残して今月末に辞職することが24日、分かった。「一身上の都合」として辞表を提出し、この日の教育委員会会議で了承された。市教委によると、授業妨害する生徒が出て校内が不正常な状況になっていながら、対応の先頭に立たないなどとして、教職員や保護者から責任を問う声が上がっていた。
別の民間採用の小学校長(61)も、体調不良を理由に辞職する。大阪市の民間人校長制度は、橋下徹市長の肝煎りで2013年度に始まったが、初年度に就任した11人のうち、セクハラや経歴詐称などで4人が辞職したり、懲戒免職となったりしている。今回で、3年の任期途中で辞めるのは半数以上の6人になる。
24日に辞職が決まった市立中校長は、会社役員を経て13年4月に就任。直後の校内面談で、女性教職員に「結婚の予定はありますか」などと不適切な発言をしていたことが同年9月に発覚し、市議会でも問題になった。
一方、昨秋以降、10人以上の保護者らから「問題が起きた時でも校長の姿を見かけることはほとんどない」「話はあいさつ程度でリーダーシップを感じられない」などの不満が文書で学校に寄せられていた。複数の学校関係者からは、校長は校長室にこもりがちで、教員や生徒と積極的にコミュニケーションを取らなかったとの指摘がある。
市教委もこうした状況を把握し、学校を訪問するなどして改善を図っていたが、市教委内部でも「学校を立て直すのは厳しい」との見方が広がっていた。
この校長は毎日新聞の取材に、校長室にこもりがちだったとの指摘は否定した上で、「公募で選ばれており、任期途中で投げ出すのは申し訳ない。学校が荒れた状況になった責任の一端はある。学校運営を100%できていない以上、責任を取らなければいけない」などと話した。【寺岡俊】