原発:東通も活断層認定…有識者調査団、規制委に報告書
毎日新聞 2015年03月25日 12時04分
原子力規制委員会は25日、日本原子力発電敦賀原発2号機(福井県)、東北電力東通原発1号機(青森県)の敷地内断層を調べているそれぞれの有識者調査団の報告書を受理した。報告書は、敦賀2号機の原子炉建屋直下を通る断層に加え、新たに東通1号機の原子炉建屋から最短200メートルにある2本の断層を「将来活動する可能性がある」として新規制基準で定める活断層と認定した。【酒造唯】
東通1号機については、昨年12月にまとめた報告書案では活断層かどうかの評価を避けたが、外部専門家からの意見聴取などを経て、解釈を変更した。原子炉冷却用の海水取水路の直下にある別の断層については判断を保留した。
規制委は今後、これらが活断層に該当するかどうかを、再稼働に必要な安全審査の中で判断する。報告書は審査の「重要な知見の一つ」として扱う。新規制基準では、活断層の真上に原子炉などの重要施設を造ることは許されない。敦賀2号機直下の断層が活断層だと判断されれば審査に合格できず、廃炉に追い込まれる公算が大きい。東通1号機の場合、審査に合格するためには大幅な耐震補強を求められる見込みだ。
両社は「科学的な評価がなされていない」などと報告書に反論している。原電は敦賀2号機の審査を申請する方針で、将来的に行政訴訟も辞さない構えだ。東通1号機は昨年6月に審査を申請しており、規制委は報告書の受理を受けて近く本格的に審査を始める。